Z世代「インフルエンサーより俳優が映画に出てほしい」米調査で判明

映画やドラマに出演してほしいのは、SNSで人気のインフルエンサーよりも、無名の新人や知名度のある俳優。また、作品を「時代遅れ」と感じさせる最大の要因は、映像技術やファッションではなく、スラング(俗語・流行語)だった──。アメリカの若者を対象とした最新の調査で、興味深い視聴者心理が明らかになった。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究組織Center for Scholars & Storytellers(CSS)が、2026年10月21日に公表した年次調査「Teens & Screens 2026」によるもの。2026年8月、全米の10〜24歳の若者1,537人を対象に、映画やテレビドラマ、SNS、AIなどのエンターテインメントについて意識調査を実施した。
まず注目したいのは、映画やドラマのキャスティングに関する回答だ。「自分が映画やテレビ番組のキャスティングを担当するとしたら、誰を選びますか?」という質問に対し、「これまで見たことのない新しい俳優」が39.8%で最多。次いで「知っている俳優」が38.2%となった。一方、「インフルエンサー」を選んだのはわずか16.8%だった。
年齢によって傾向は異なる。10〜13歳では、知っている俳優を好む回答が47.1%で、新しい俳優の34.5%を上回った。一方、19〜24歳では新しい俳優が42.9%、知っている俳優が33.4%と逆転。年齢が高い層ほど、新鮮な顔ぶれを求める傾向が見られた。
今回の調査では、YouTubeを「物語を伝えられるメディア」と考える若者が72.9%にのぼり、テレビ番組(70.3%)や映画(70.2%)を上回っている。若い世代にとって、SNSや動画共有サイトはすでに重要な物語の発信場所となっている。それでも、そこで人気を集めたインフルエンサーが、そのまま映画やドラマの主演として求められるわけではないようだ。
もうひとつ興味深いのが、映画やドラマを「古臭い」「自分たちの世代とズレている」と感じさせる要素についての調査だ。
「映画やテレビ番組のどのような要素に時代遅れを感じますか?」という質問に対し、最多となったのは「スラング」で43.4%。以下、「ファッションや髪型」(36.3%)、「古いテクノロジー」(35.9%)、「視覚効果」(34.0%)、「ポップカルチャーへの言及」(30.4%)、「音楽」(29.4%)、「SNSのトレンドや話題への言及」(25.5%)と続いた。
ファッションや技術、映像表現よりも、登場人物が使う言葉の方が作品の古さを印象づけるという結果は興味深い。とりわけ流行の移り変わりが速い若者言葉は、作品の時代性を強く反映する要素なのだろう。
では、若者たちは映画やドラマにどのような物語を求めているのか。今回の調査で最も支持されたのは、「困難に打ち勝つ人々を描く、希望に満ちた高揚感のある物語」。次いで「友情や仲間との関係性」「自分のような人生を送る人々」が上位に入った。
こうした傾向は以前から確認されている。UCLAの2023年の同調査でも、若者が映画やドラマに希望や高揚感を求めていることが判明していた。また、同年には、若者が不必要なセックスシーンや恋愛展開を好まず、男女の友情を無理に恋愛関係へ発展させる描写に不満を抱いていることも報告されている。
一方、映画館離れが懸念される若年層だが、週末にしたい活動としては「映画館で新作映画を観る」が3年連続で首位となった。実写作品への支持も前年から7.4ポイント上昇し、アニメーションを上回っている。
動画やSNSで育った世代だからといって、必ずしもインフルエンサーの出演やショート動画だけを好むわけではない。むしろ、見慣れない俳優との出会いや、時代感覚に合った自然な言葉、共感できる人間関係が重視されている。今回の結果は、若者向けの映画やドラマを製作するうえで、SNS上の知名度と俳優としての魅力を分けて考える必要性を示すものとなった。
Source:Center for Scholars & Storytellers at UCLA
























