ホラー映画史上No.1ヒット、2017年の映画シーンを席巻した『IT／イット “それ”が見えたら、終わり。』のデジタル配信が、2018年1月24日（水）に早くも開始された。ブルーレイ&DVDの発売とレンタルも2月21日より開始される。

今作で「ルーザーズ・クラブ」の子供たちを恐怖のどん底に陥れる殺人ピエロ・ペニーワイズは、映画界を代表するアイコニックなヴィランの仲間入りを改めて果たしたと言えるだろう。夢にも出そうなその強烈なインパクトは、ビル・スカルスガルドの鬼気迫る怪演もさることながら、踊る殺人鬼の不気味で奇っ怪な姿を視覚的に表した衣装デザインによる貢献も見逃せない。

THE RIVERでは、『IT／イット “それ”が見えたら、終わり。』ペニーワイズの衣装デザインのメイキングに迫る国内未使用の貴重な英文原稿を入手。まだ誰も読むことができなかったこのテキストを日本語にして伝えるとしよう。ここでしか読むことの出来ない貴重な”それ”の秘密をお楽しみ頂きたい。

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ペニーワイズの衣装

『IT／イット “それ”が見えたら、終わり。』ペニーワイズの衣装デザインは、ジャニー・ブライアント氏がアンディ・ムスキエティ監督との連携を密に創り上げた。製造を手がけたのはカナダ・トロントに構えるコスチューム会社のSusan Dicks & Co.。プリプロダクションから撮影までの1ヶ月かけて製造した。

ブライアントがデザインしたのは、奇妙ながらも洗練さあるピエロのスーツだ。ヴィクトリア王朝時代、ルネッサンスやエリザベス的要素を織り込み、”それ”が昔から存在することを示した。縫い込まれたプレートがデザインに馴染み、ペニーワイズの自然さと卑劣さを物語っている。背中には、動きに合わせて脊柱のようにしなるよう隠れた工夫がなされた。

ピエロ・スーツの色はシルバー・グレー。これは、死を彷彿させるだけでなく、ペニーワイズが出入りする地下にも溶け込みやすい。そしてスティーヴン・キングのアイコニックな小説における彼の別名、”ボブ・グレー”にも相応しい。

重要なのは、俳優ビル・スカルスガルドが着た時に劇中で恐ろしく見えるかどうかだろう。ブライアントは、グレーのシルク・ドゥピオニをユーズド加工した。洗って、ハンドペイントを施して、汚れて着古したよう見せたのだ。

ペニーワイズの顔を囲む派手な襟（またはカラー）は、原作小説に描かれたキャラクターのルーツにインスパイアされている。キングが召喚した”それ”は、蜘蛛のような形像に変身するのだ。ブライアントは、パリっとした白いレースから始め、布に年季を施し、プリーツを付け、完成版では3段の長さを作った。こうすることで自然に見え、蜘蛛の巣のようにラフな裁ち端を残すことが出来る。

このキャラクターの奇妙な脚元について、ブライアントはヴィクトリア期の靴をベースに、ペニーワイズのびっくりハウス的な部分を汲んで再想像しながらデザインした。ブーツは彼女のチームが手描きでペイントし、ひび割れペンキで黒い釘部分を作った他、様々な汚れ素材を使って装飾した。

ブライアントの衣装部門はペニーワイズのコスチュームを全部で17バージョン制作した。ビル・スカルスガルド用の”一軍”となる4着ほか、曲芸師ハビエル・ボデットほかペニーワイズに化ける様々なキャラクターを演じるスタント・パフォーマーのために作られたものもある。それから、ジョージ役を演じた幼いジャクソン・ロバート・スコットのためのミニチュア・バージョンまで作った。

コスチュームはペニーワイズの捕食サイクルが進行し、映画の最後で迎える頂点に至るまで汚れて摩耗していく。とあるキー・シーン、ペニーワーズが浸水した地下に現れるシーンで、アンディ・ムスキエティ監督はピエロのスーツを濡れた状態にしたかった。そこでブライアントと彼女のチームは、衣装が水に浸っていても布の形状が保てる解決策を編み出したのだった。

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2017年に全世界で大ブームを巻き起こした話題の『IT／イット “それ”が見えたら、終わり。 』ブルーレイ&DVDは2018年2月21日（水）より発売。デジタル版は、一足早く2018年1月24日（水）より配信を開始した。

（文、翻訳：Naoto Nakatani）