『キングコング:髑髏島の巨神』徹底解説 ─ 怪獣&キャスト紹介、あらすじ、小ネタ&オマージュの数々も

2020年6月27日(土)、映画『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)がフジテレビ系「土曜プレミアム」にて地上波放送される。ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)に始まった「モンスターバース」の第2作である本作は、来たる『ゴジラ VS コング(原題)』に繋がる、“モンスターバース版コング”の登場作。同時に、人気のモンスターたるキングコングを描いた実写映画としては実に8作目だ。
そんな本作は、モンスター映画であり、キングコング映画であり、そして作家性あふれる意欲作。クリエイターの野心と遊び心たっぷりの一本を、今回はあらすじや怪獣紹介、解説や製作秘話などを通じてじっくりと解剖していきたい。
『キングコング:髑髏島の巨神』あらすじ

1973年、アメリカがベトナム戦争から撤退した直後。特務研究機関・モナーク(MONARCH)の研究者であるウィリアム・“ビル”・ランダ(ジョン・グッドマン)は、南太平洋に位置する謎めいた島「髑髏島」の調査を政府に要請していた。調査遠征隊として島に派遣されたのは、ランダらを護衛するベトナム帰還兵のプレストン・パッカード中佐(サミュエル・L・ジャクソン)ら軍人たち、島の案内役として雇われた元英軍の傭兵ジェームズ・コンラッド(トム・ヒドルストン)、そして戦場カメラマンのメイソン・ウィーバー(ブリー・ラーソン)らだった。
一同は激しい嵐を切り抜け、ヘリコプターで髑髏島にやってきた。調査隊は地質調査の名目で、島への空爆を開始。ところが、そこに怒り狂ったコングが現れるやヘリ部隊に襲いかかり、たちまちチームはバラバラになってしまう。仲間と合流して島を脱出するべく、島の各地でそれぞれに移動を開始するメンバーだったが、この島には見たこともないモンスターたちが生息。この島は、決して人間が足を踏み入れてはならない場所だったのだ。そんな中、かつて太平洋戦争のさなか髑髏島に不時着し、以来この地で生きてきたハンク・マーロウ中尉(ジョン・C・ライリー)が姿を見せる。
『キングコング:髑髏島の巨神』怪獣紹介
コング

おなじみ、ハリウッドに燦然と輝く巨獣「キングコング」。本作ではモナークによって“タイタヌス・コング”と分類されている。体長は約31.7メートル。島の原住民であるイーウィ族(イーウィス族)からは神として崇められている。ジョーダン=ヴォート・ロバーツ監督は「見上げたときに巨大ゴリラではなく神だと思える」サイズを目指し、ゲーム『ワンダと巨像』の巨像を意識してデザインした。
本作のコングは、スカルクローラーによって両親や仲間たちを殺された、種として最後の生き残り。骨構造や歯の様子から、まだ成長期だと推測されている。来たる『ゴジラ VS コング』では体長約120メートルのゴジラと対決するため、再登場時の巨大化ぶりに期待がかかるところだ。しかし本作のコングでさえ、実はハリウッド映画のキングコングとしては史上最大。監督いわく、荒々しくスピーディな戦い方は「新世紀エヴァンゲリオン」を参考にしたものだとか。
スカルクローラー

モナークによって「破壊者」と名指される、髑髏島で最も凶暴な怪獣。太平洋戦争当時から髑髏島に暮らしているハンク・マーロウが命名した。サイズは約3.6メートルから約29メートルと個体によって異なる。特に大型のものは「スカル・デビル」と呼ばれるが、イーウィ族からは名を口にすることすら避けられるほど忌み嫌われている。