『名探偵ピカチュウ』徹底解説 ─ 出演者、吹替声優から小ネタ、評価まで完全ガイド

© 2019 Pokémon.
『ポケモン』を初めて実写化した映画『名探偵ピカチュウ』は、2019年5月に公開された話題作だ。2020年5月22日には、劇場公開からわずか1年で早くも「金曜ロードSHOW!」で地上波初放送となる。ポケモンへの愛が感じられる作り込みや、ふわふわ、もふもふの姿でリアルに映像化されたピカチュウ、そのピカチュウに『デッドプール』でおなじみのライアン・レイノルズがまさかの「おじさん声」で声を当てたことでも大きな話題を呼んだ。
この記事では、『名探偵ピカチュウ』にまつわるあらゆる話題を集約。あらすじや映像、小ネタ解説、キャストのプチエピソードなどを一挙にまとめた。鑑賞のお供にどうぞ。
『名探偵ピカチュウ』あらすじ

© 2019 Pokémon.
かつてポケモンが大好きな少年だったティムは、父親ハリーがポケモンに関わる事件の捜査から家へ戻らなかったことから、父とポケモンから距離を置くようになった。
月日は流れ、大人になったティムに、父の元同僚であるヨシダ警部補から、父が事故で死亡したとの連絡が入る。複雑な思いを抱えたまま、人間とポケモンが共存する街・ライムシティへと向かったティムは、父の部屋で名探偵ピカチュウと出会った。
ハリーの相棒だったピカチュウは記憶を失っていたが、ティムにしか聞こえない人間の言葉を話し、しかも「ハリーはまだ生きている」と確信していて……。
ティムとピカチュウは新米記者ルーシーとその相棒コダックと共に、父ハリーが事故の前に追っていた謎の薬品“R”を巡る事件の捜査に乗り出す。
『名探偵ピカチュウ』解説
日本が誇る人気コンテンツ、ポケットモンスターこと「ポケモン」初の実写映画として注目を集めた。企画は2016年7月に初めて報じられ、ニンテンドー3DS用ゲームソフト『名探偵ピカチュウ』がベースになることも分かっていた。ちなみにゲーム版『名探偵ピカチュウ』も、ピカチュウが渋い声で喋る。
製作は『ダークナイト』3部作、『パシフィック・リム』シリーズや『GODZILLA ゴジラ』(2014)など大作映画の数々で知られるレジェンダリー・ピクチャーズで、米配給はワーナー・ブラザース、日本での配給は東宝。
ハワイ出身の監督
監督を務めたロブ・レターマンはハワイ出身。ハワイは日本文化も色濃いため、日本のポップカルチャーにも慣れ親しんでいた。
『名探偵ピカチュウ』はフィルム・ノワール調の探偵映画となったが、この際はレターマンが監督として就任した際には既にレジェンダリー・ピクチャーズによって決まっていたという。このアイデアを具現化するため、監督は敬愛する黒澤明監督作『天国と地獄』(1963)や、『第三の男』(1949)などを参考にした。
ライム・シティの街並みのモデル
映画の舞台は、人間とポケモンが共に暮らす「ライム・シティ」。この街のモデルになったのは、新宿と、『AKIRA』のネオ東京。ほかに、『ブレードランナー』(1982)や『2001年宇宙の旅』(1968)も参考にしたと公言されている。
登場するポケモンは全54種類
劇中には様々なポケモンが登場し、全部で54種が確認できる。このチョイスは主にゲーム版『名探偵ピカチュウ』に基づいている。主なポケモンとして、ピカチュウやコダック、カラカラ、ブルー、プリン、チョロネコ、バリヤード、ルンパッパ、ミュウツー、ゲッコウガ、エイパム、ベロリンガ、リザードン、ウィンディ、キモリ、ピジョット、ケッキング、カイリキー、カビゴン、ドードー、タブンネ、ドダイトス、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ、ゲンガー、コイキング、ギャラドス、ドゴーム、ワニノコがある。(そのほかは劇中で見つけよう!)
ピカチュウがもふもふになった理由 ─ ポケモンたちの実写化について

それまでのゲームやアニメのイメージと異なり、ピカチュウがふさふさの毛をまとった「もふもふ」姿で描かれたことが話題となった。レターマン監督によれば、「そのまま映像化しては、プラスチックみたいな質感になってしまう」ため、ポケモンのテクスチャー(質感)は動物や植物、鉱石など、自然に存在するものに置き換えて検討した。とりわけピカチュウにおいては、「可愛い」ことを重要視し、ふわふわの毛を与えたという。「もしも毛がなかったら、ただの黄色い風船みたいになっちゃう」と語っている。