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『アントマン&ワスプ』徹底解説! ─ 時系列、ヴィラン、レビュー評価、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』との繋がりまで

アントマン&ワスプ
(c) MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ

アベンジャーズ』シリーズでおなじみ、マーベル・スタジオ作品の最新作アントマン&ワスプが2018年8月31日(金)に全国の映画館で公開された。2008年『アイアンマン』に始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、なんと本作が記念すべき第20作目となる。

本記事では、前作『アントマン』(2015)の振り返りから『アントマン&ワスプ』の見どころや裏話など、鑑賞前に押さえておきたいポイントを隅から隅まで徹底的に解説する。『アントマン&ワスプ』を深く味わい、MCU作品の今後をさらに楽しむ、そのご一助となることを願うばかりである。

https://www.youtube.com/watch?v=k0tX42kWAbE

前作『アントマン』あらすじ

『アントマン』シリーズの主人公スコット・ラング(ポール・ラッド)は元泥棒の前科者。更生を誓ったスコットだが、その過去が知れると仕事を解雇され、離婚した妻や再婚相手には冷たくあしらわれ、最愛の娘と会うことも禁じられてしまう。窃盗団時代の仲間であるルイスやデイヴ、カートと再会し、再び盗みの道に戻るまでに時間はかからなかった。

ある日、スコットが盗みに入った豪邸で発見したのは謎のヘルメットとスーツ。スコットが着用すると、たちまち身体がアリのようなサイズに縮んでしまった…! かつてない恐怖を味わいながら、なんとか元の姿に戻ったスコットは大パニックでスーツを豪邸に返そうとする。あえなく現場で逮捕されたスコットの身柄を引き受けたのは、豪邸の主であるハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)だった…。

実はスコットの行動は、すべてハンク博士の手のひらの上にあった。その泥棒としての巧みな技術を注目されたスコットは、博士からアントマンとしての活躍を頼まれる。ハンク博士の元弟子であるダレン・クロス(コリー・ストール)が、アントマンのスーツを悪用した「イエロージャケット・スーツ」で世界規模の混乱を目論んでいるというのだ。その脅威を未然に防げるのは、もはやアントマンのスーツを使いこなせる者だけ。あまりに危険すぎる任務だが、もはやスコットに選択肢はなかった。愛する娘と再び出会うため、スコットはハンク博士と娘のホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)、そして元窃盗団の仲間たちと世界の危機に挑む。

『アントマン&ワスプ』の時系列とあらすじ

『アントマン』でヒーローとして目覚め、イエロージャケットとの戦いを繰り広げたスコット・ラング/アントマンは、サム・ウィルソン/ファルコンとの出会いを経て、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でキャプテン・アメリカ側の一員として戦いに参加する。小さくなってアイアンマンのスーツに入ったり、巨大化して大暴れしたりと活躍したアントマンだが、その結果として投獄されることになってしまった。

続編『アントマン&ワスプ』は、『シビル・ウォー』から数年後、ごく短い期間の出来事を描く物語だ。ラフト刑務所を出たスコットは自宅軟禁状態となり、再び娘の父親として真っ当な人生を歩みだそうとしている。一方、ハンク博士やホープも『シビル・ウォー』の影響を受けている。スーパーヒーローを国連の管理下に置く「ソコヴィア協定」が採択されたことによって、自身の技術を他者に引き渡すことを拒んだハンク博士とホープは身を隠すことになるのだ。無断で技術を持ち出し、ヒーロー同士の戦いに臨み、あげく逮捕されてしまったスコットにハンク博士はおかんむりである。

『アントマン&ワスプ』のストーリーは本編を見てのお楽しみだが、ペイトン・リード監督は、本作の主なミッションが「消えた母親ジャネットの捜索」であることを明かしている。ハンク博士の妻であり、ホープの母親であるジャネットは、過去の任務中に量子世界へと消えてしまった。しかし前作『アントマン』で、スコットは量子世界に飛び込み、そこから生還することに成功したのだ。それならばジャネットも連れて戻ることができるはず……。

アントマン&ワスプ
(C)Marvel Studios 2018
ペイトン監督は『アントマン&ワスプ』で描かれる“量子世界での母親探し”についてこのように述べている

「(アントマンとワスプにとって)大きなミッションはジャネットを見つけることです。突き詰めれば、それは登場人物たちにはパーソナルな意味のあることですし、大きな世界にとってはまた別の意味があること。そのほかの出来事は、すべてその途中にある障害物なんです。」

なおプロデューサーのスティーブン・ブルサード氏は、『アントマン』が強盗映画だったとするならば、『アントマン&ワスプ』は「悪夢の一夜もの」だと述べている。創作の参考とした作品として、ペイトン監督はマーティン・スコセッシ監督による『アフター・アワーズ』(1985)やマーティン・ブレスト監督『ミッドナイト・ラン』(1988)を、スティーブン氏はダグ・リーマン監督『go』(1999)やクリス・コロンバス監督『ベビーシッター・アドベンチャー』(1987)を挙げているのだ。ご興味がおありの方は、これらの作品も是非チェックしてほしい。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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