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『アントマン&ワスプ』徹底解説! ─ 時系列、ヴィラン、レビュー評価、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』との繋がりまで

アントマン&ワスプ
(c) MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ

「私(ワスプ)のスーツはスコットのスーツを改良したものです。彼のスーツは、ハンクが1960年代に着ていたオリジナルのスーツなので。テクノロジーのおかげで、私のスーツには手首にブラスターが付いていますし、翼もある。私が考えていることに反応するシステムもあるみたいですよ。翼を引っ込めたり、ブラスターを出したりする動きをする必要はなくて、そうしたいと思えば、そうなってくれる。アイアンマンにも似てると思います。彼がボタンを押したりしてるところ、見たことないですよね。」

アントマン&ワスプ
MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ
エヴァンジェリンによると、衣裳チームは試行錯誤を重ねながらワスプのスーツを開発していったとのこと。最初は着心地が悪かったそうだが、徐々に身体にぴったり馴染む仕上がりとなっていったそうだ。完成したスーツをエヴァンジェリンは非常に気に入っていて、「実際よりも脚が長く見えるんですよ(笑)」と話しているほどである。

特殊衣裳の監修を務めたイヴォ・コヴェニー氏によると、前作のスーツからデザインが大幅に変わったのは、やはりエヴァンジェリンが実際に着用することを意図したためだという。衣裳チームは当初、前作と同じコンセプトでスーツの製作を開始したそうだが、前作のスーツはCGで描かれていたこともあり、実際の演技やアクションなどを前提としたものではなかったようだ。

ビジュアル開発スーパーバイザーのアンディ・パークによると、「アベンジャーズのコスチュームは機能的で、現実的」であるのに対して「ワスプのコスチュームはもっとコミックブック的」なデザインになるよう心がけたという。これは、モチーフになった実際の昆虫(スズメバチ)の外見により忠実にするためだそう。「昆虫のスーパーヒーロー、それがワスプのデザイン方針でした。

アントマン&ワスプ』新キャラクター・新キャストたち

ホープの母、ジャネット・ヴァン・ダイン (ミシェル・ファイファー)

ヒロインであるホープ/ワスプの母親にしてハンク博士の妻、ジャネット・ヴァン・ダインを演じるのは、『スカーフェイス』(1983)や『危険な関係』(1988)のミシェル・ファイファーだ。ヒーロー映画に出演するのは、『バットマン リターンズ』(1992)でキャットウーマン役を演じて以来、実に26年ぶりとなる。

量子世界に消えてしまったジャネットは、『アントマン&ワスプ』本編を通じてアントマンやワスプ、ハンク博士らが追い求める、いわば劇中最大のキーパーソンである。したがってその詳細は映画を観るまでわからないわけだが、ペイトン・リード監督や、ワスプ役のエヴァンジェリン・リリーには、前作の製作時から“ジャネットが出てくるならミシェル・ファイファーがいい”という思いがあったそう。『アントマン』には若きジャネットがわずかに登場するが、そのキャスティングに監督は「ミシェルみたいな見た目の女優を」という指示を出していたというのである。

ミシェルは『アントマン&ワスプ』のオファーを引き受けた理由として、前作が「スマートで、楽しくて、現実に根ざしていた」こと、ほかのヒーロー映画とは異なる独特の作風があったこと、そして以前から主演ポール・ラッドの大ファンだったことを挙げている。

一方のポール・ラッドも、2007年の恋愛映画『I Could Never Be Your Woman(原題)』でミシェルと共演して以来、彼女の大ファン。8歳になるポールの娘も、ミシェル出演の学園ミュージカル映画の名作『グリース2』(1982)にハマっているようで、娘にも共演を鼻高々に自慢したそうだ。エヴァンジェリンもミシェルを「子供の頃からの憧れ」と崇める。

ヴィラン、ゴースト (ハナ・ジョン=カーメン)

『アントマン&ワスプ』ゴースト
© Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ
『アントマン&ワスプ』のメイン・ヴィラン(敵)として報じられているのは、正体不明の女性ヴィランであるゴーストだ。コミックでは1987年刊行「アイアンマン」#219にて初登場した男性ヴィランだが、今回の映画化にあたって性別が変更されたほか、その背景や設定もコミックとは異なるという。プロデューサーのスティーブン・ブルサード氏や、演じる女優ハナ・ジョン=カーメンは、事前のインタビューで「謎の人物です」とだけ述べており、その詳細を決して明かしていない。物体をすり抜ける能力、そして高い戦闘技術が予告編で確認されているのみだ。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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