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『アントマン&ワスプ』徹底解説! ─ 時系列、ヴィラン、レビュー評価、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』との繋がりまで

アントマン&ワスプ
(c) MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長によれば、ゴーストのキャラクター造形は、『ブラックパンサー』(2018)のエリック・キルモンガー、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)のサノスと同じく、「特殊でユニークなヴィラン」になるよう心がけられたという。キルモンガー役のマイケル・B・ジョーダンやサノス役のジョシュ・ブローリンと同じく、ゴースト役のハナもいわゆるヴィランであるとは考えずにこの役柄を演じたそうだ。

「悪役なんだ、悪いヤツなんだ、というふうには役柄を捉えていませんでした。確かに主人公たちには脅威ですが、彼女には目的がある。彼女にとっては自分は善人で、ほかのみんなが悪人なんです。どんな役柄を演じる場合でも、人間らしさを見つけなくてはいけません。ヒーローではない人物を演じる時は、脅威としての部分と、その内面にある弱さのバランスを探らなければいけないと思っているんです。どんな役にも余白はありますし、ヒーローやヴィラン、コミックのどんな役柄を演じる時でも、何らかの解釈を加えることが俳優として大切だと思いますね。」

レディ・プレイヤー1
映画『レディ・プレイヤー1』よりハナ・ジョン=カーメン(ブルーレイ&DVD発売中)。© 2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.
実は、『アントマン&ワスプ』にハナが出演する経緯には、彼女が悪役を演じた『レディ・プレイヤー1』(2018)のスティーヴン・スピルバーグ監督による力添えがあったという。なんとスティーヴン監督は、本作のペイトン・リード監督にハナを推薦する手紙を送っていたのだ。その後オーディションに現れたハナは、その演技力と、アクションを魅せる身体能力の高さで製作陣の注目を集め、見事に役を射止めている。
ちなみにゴーストのスーツを着用すると、撮影現場では「本当に寒いか、本当に暑いかのどちらかだった」そう。そんな過酷な状況下で、なんとハナは本編のスタントを100%自分自身で演じている。その勇姿から一秒たりとも目を離さないように…!

ビル・フォスター (ローレンス・フィッシュバーン

ジャネット、ゴーストと新キャラクターの詳細が明かされていない中、比較的多くの情報が事前に判明しているのが、ハンク博士の元同僚であるビル・フォスターだ。コミックではハンク博士と同じく、物体のサイズを変える発明を成功させた科学者として登場し、ブラック・ゴリアテ(ブラック・ゴライアス)というヒーローになる展開も存在する。

しかし『アントマンワスプ』では、やはりコミックとは少々異なる設定が用意されているようだ。かつてハンクとビルはS.H.I.E.L.D.に関わって、ともに「ゴライアス計画」と呼ばれるプロジェクトに携わっていたのである。しかし二人は道を違え、ビルは現在サンフランシスコ・バークレーにて量子物理学を教えている。ペイトン・リード監督は、ハンクとビルを「劇中で一番賢い人物」だと述べ、二人について「スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツのようなライバル関係」だと表現している。

ローレンス・フィッシュバーン
ローレンス・フィッシュバーン。Dept. of Defense photo by Navy Petty Officer 2nd Class Dominique A. Pineiro/Released https://www.flickr.com/photos/thejointstaff/34117818524/
ビル役を演じるのは、『マトリックス』シリーズなどで知られるローレンス・フィッシュバーン。『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(2007)ではシルバーサーファーの声を務め、『マン・オブ・スティール』(2013)や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)ではペリー・ホワイト役を演じた、マーベル映画・DC映画の垣根を超えている数少ない俳優の一人だ。
ペイトン監督は、ローレンスを起用した理由として「(ハンク役の)マイケル・ダグラスと肩を並べられる人物が必要だったんです」と語る。ちなみにローレンスは幼少期からマーベル・コミックに親しんできたことを公言している大のコミック・ファンで、監督いわく、撮影現場では「聞いたこともないようなグラフィック・ノベルをいつも読んでいた」とか。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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