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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ドク役をオファーされていたミュージシャン現る ─ 劇中でも小ネタに?

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2
(C)1989 UNIVERSAL CITY STUDIOS, INC.

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といえば、マーティ役のマイケル・J・フォックスとドク役のクリストファー・ロイドのコンビでお馴染み。マーティについては当初別の俳優が起用されていたが、撮影開始後にフォックスへのリキャストが行われたという裏話がよく知られている。

一方ドク役についても、クリストファー・ロイドが唯一の候補というわけではなかったのかもしれない。というのも、この度とある人物がドク役にオファーされたことがあると名乗り出たのだ。米オハイオ州発、お揃いのジャンプスーツを身に纏ったロックバンド、「Devo(ディーヴォ)」のフロントマン、マーク・マザーズボウだ。米The Wrapで、監督のロバート・ゼメキスと製作のスティーブン・スピルバーグから声をかけられたという当時のやりとりを振り返っている。

「僕たちはシットダウン・ショーの撮影をしていました。ゼメキスとスピルバーグが観客席にいましたね。それから彼らが僕のところに来て、“ちょっと話したいことがあって、今映画を作っているんですけど、何か一緒に出来ないですか”と。僕も“お、良いですね”って答えたんですけど、それから2週間、“映画の音楽で雇うつもりなんだろうな”と考え続けていました。」

後に設定されたミーティングの場で2人と再会したというマザーズボーは、思いがけないオファーを受けたという。「“ステージでの君はすごく良かった。バンドや君の雰囲気も素晴らしい。だから、今作っている映画でヤバい感じのマッドサイエンティストを演じて欲しいんだ”と言われました」。

まさかの出演オファーに、思わず「どういうことですか?」と聞き返してしまったというマザーズボー。その後、「白衣を着て走り回って、車をタイムマシンに変えてしまう男」と、キャラクターの説明を受けたというが、「映画では演じたくない」と言ってあっさり断ってしまったそうだ。「僕は他の人から頼まれたことはしません。そうしてくれと思ったこともないし、僕もそれはやりたくないんです。それからの帰り道、“音楽ではオファーされなかったなんて信じられない”と思いました。そうなると思ったんですけどね。」

ゼメキス監督とスピルバーグは、なんとかしてマザーズボウの痕跡を映画に残したかったのか、実は1作目『バック・トゥ・ザ・フューチャー』劇中では「Devo」というワードが登場している。映画序盤、デロリアンに乗って現れたドクの防護服を見て、マーティは「それ、ディーヴォのスーツかい?」と問いかけているのだ(日本語字幕版では「その服は?」と訳されている)。さすがはロック好きのマーティ、1970年代に活躍したディーヴォにもしっかりハマっていたのだろう。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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