『スパイダーマン』スピンオフ予定は現在ナシ ─ 『マダム・ウェブ』『クレイヴン・ザ・ハンター』は「観客が満足しなかった」と認める

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が大ヒット中のソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントより、モーション・ピクチャー・グループ会長兼CEOを務めるトム・ロスマンが、『マダム・ウェブ』(2024)と『クレイヴン・ザ・ハンター』(2024)の不振を認めた。観客に受け入れられなかったことが結果のすべてだったと率直に語っている。
ソニーは2018年の『ヴェノム』を皮切りに、スパイダーマンに登場するキャラクターの単独映画を展開してきた。トム・ハーディ主演の『ヴェノム』は全3作が製作される人気シリーズとなった一方、『モービウス』(2022)『マダム・ウェブ』『クレイヴン・ザ・ハンター』は批評・興行の両面で苦戦した。
米Varietyにて、『ヴェノム』3部作は大成功したにもかかわらず、『クレイヴン・ザ・ハンター』や『マダム・ウェブ』が失敗したのはなぜかと尋ねられたロスマンは、次のように答えた。
「結局のところ、観客が十分に満足しなかったのです。それが作品に対する公平な評価だったのかは、誰にもわかりません。そんなことを言っても、風に向かって吠えるようなものです。観客がボスであり、観客は反応しなかった。ただそれだけです」
前体制のソニー・ピクチャーズCEO、トニー・ヴィンシクエラは以前、『マダム・ウェブ』と『クレイヴン・ザ・ハンター』について、作品自体は「ひどい映画ではない」と擁護し、批評家による酷評が興行を傷つけたとの見方を示していた。 今回のロスマンは作品への評価が妥当だったかどうかには疑問を残しつつも、最終的には観客が満足しなかったという結果を受け入れている。
では、ソニーは今後もマーベル・キャラクターを使った独自シリーズを展開していくのか。ロスマンによると、現時点では新たな企画は動いていないという。
「今のところ、わかりません。私たちはこれを『ソニー・マーベル・ユニバース』として捉えたことは一度もありません。ほかのキャラクターで、作る価値のある映画があるかどうかを考えていただけです。現時点で、積極的に開発中の企画はありません」
ソニーによる一連の作品は「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」などと総称されてきたが、これはあくまでもファンやメディアによる通称。ロスマンによれば、スタジオ側は最初から一つの共有世界を拡大することを目的としていたわけではなかったようだ。少なくとも現在は、世界観ありきで次々とキャラクターを映画化する方針から距離を置いていることになる。
もっともロスマンは2026年2月、一連のシリーズが終了したのかと尋ねられた際には「いいえ」と回答。将来的に戻ってくることや、新たなメンバーでリブートする可能性も認めていた。 今回の発言とあわせれば、将来的な再始動の可能性までは否定していないものの、具体的な一本が開発段階に入っているわけではないとみられる。
プロデューサーのエイミー・パスカルも以前、スパイダーマンの世界には「掘り下げていくと面白い要素がまだまだある」としながら、「同じキャラクターをただ消費し続けることはしたくない」と発言。今後の展開について「賢明かつ慎重にならなければいけません」と語っていた。
『ヴェノム』の成功を再現しようとしたスピンオフ路線は、スパイダーマン本人との本格的な合流を果たさないまま、いったん停止することになった。今後ソニーが再び関連キャラクターを映画化するとしても、まずシリーズ全体の拡大を目指すのではなく、それぞれのキャラクターに一本の映画を作るだけの価値があるかを厳しく見極めることになりそうだ。

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は大ヒット公開中。
Source:Variety






















