『マスターズ・オブ・ユニバース』はこの夏最大のサプライズだ ─ 『ソー』『GOTG』『X-MEN』『D&D』のいいとこ取り?誰もが楽しめるパワー映画
『マイティ・ソー』シリーズの神話ファンタジー×逞しい筋肉アクション、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのはみ出し者チーム結束×SFアクション、『X-MEN』シリーズの個性豊かな能力者たちによる異能バトル、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の冒険パーティ感と王道ファンタジーの楽しさ……。
THE RIVER読者なら、きっとこういう要素にワクワクできるはずだ。そして、2026年6月5日公開の映画『マスターズ・オブ・ユニバース』は、まさにそれらの“いいとこ取り”と呼びたくなるSFファンタジー冒険アクション超大作である。
物語は、気持ちよく没入できる王道ストーリーだ。主人公アダムは、エターニアという惑星の王子。幼い頃のアダムは立派な戦士になるよう稽古を受けているが、心優しい性格ゆえに、どうにも訓練に身が入らない。そんな中、手にした者に神の力を授けるという「力の剣」が、邪悪な魔術師スケルターに狙われてしまう。アダムはとっさに力の剣を託され、地球へ転送されることに。ところが地球で剣を失ったまま15年。アダムは故郷エターニアへ帰るため、来る日も来る日も力の剣を探し求めるのだが……?
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まず『マイティ・ソー』シリーズが好きな読者なら、本作の神話ファンタジー的なスケールにはすぐ乗れるはずだ。神話世界の王家、宿命、異世界、神の力を思わせる武器。このコテコテのファンタジー要素を、本作は照れずにやる。真正面から、明るく、景気よく押し切ってくれる。
一方で、本作は重厚な神話ファンタジー一辺倒ではない。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズが好きな人に刺さりそうなのは、クセのある仲間たちが集まり、ぶつかりながらもチームになっていく楽しさだ。
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世界観は壮大なのに、キャラクター同士のやり取りにはちゃんと自虐や身軽さがある。笑えるシーンとカッコいいシーンが小気味よく続き、映画のペースがどんどん気持ちよくなっていく。はみ出し者たちが、いつの間にかひとつのチームになっていく。その過程を見守るのが楽しい。しかも、レーザー砲をビュンビュン撃つSF戦闘機まで登場する。まさに『ガーディアンズ』的なジャンルミックスの気持ちよさに通じるものがある。
個性豊かなパワーを持つヒーローたちが、画面狭しと乱戦する壮観さは、『X-MEN』シリーズの魅力にも通じる。力の剣を手にしてムキムキ大覚醒するアダム、しなやかな身のこなしで戦う衛兵隊隊長ティーラ、ガジェットを駆使するベテラン戦士ダンカン、屈強な肉体で突進するラムマン、一撃必殺の鉄腕パンチを振るうフィスト、伸びる首で敵を薙ぎ払うメカネック……と、戦い方の違うクセ強キャラクターたちが次々に飛び込んできて、各々の持ち場で大活躍する。難しい理屈よりも先に、「この人はこう戦うんだ!」と見てわかる。子どもの想像力をそのまま巨大化させたようなパワーで、ヒーローたちがあちこちで暴れ回る。

そして、SNSでも話題を集めた映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(2023)が好きだった読者なら、本作の“冒険パーティ感”にもきっとニヤリとできるはずだ。異世界を舞台に、クセのある仲間たちが集まり、それぞれの得意分野を活かしながら危機を突破していく。重すぎず、暗すぎず、ユーモアを忘れない。王道ファンタジーのうれしいところが、きちんと入っている。

何より『マスターズ・オブ・ユニバース』は、画面に出てくるものがいちいち濃い。まず、主人公アダムの出で立ちである。今どき、1980年代の超コテコテな古代戦士風バトルコスチュームを半裸のムキムキボディで着こなしてみせようなんて、正気の沙汰ではない。ところが、端正な顔立ちとがっしり鍛え上げた肉体を持つニコラス・ガリツィンが纏うと、どういうわけか時代を超える。そのド直球のヒーロー像が、堂々とまかり通っているのだ。
この筋肉の説得力は本物だ。ガリツィンはヒーマン役に向けて、時に1日5,000カロリーを摂取し、1日3時間のウェイトトレーニングに励んだという。撮影の合間、次のセットアップまで10分しかない時にもアサルトバイクに飛び乗っていたそうで、その役作りは約5か月に及んだ。

悪役のスケルターも、かなり魅力的だ。エターニア征服を狙うドクロ顔の邪悪な魔術師……これまたコテコテの設定である。なんと本作では、『スーサイド・スクワッド』(2016)ジョーカー役や『トロン:アレス』(2025)主演で知られるジャレッド・レトが演じている。レトならではの微妙な声色や“間”が、キャラクターに妙な人間味を加えている。

このスケルター、大袈裟なほどに恐ろしい見た目ながら、実はお笑いキャラの一面もある。怖い顔をしながら突然ゆるめのボケをかますのだが、手下たちはろくに反応してくれない。その間の悪さまで含めて、なんだか憎めないやつなのだ。思い出されるのは、『ビーストウォーズ』のメガトロン様や『ヘラクレス』のハデスだろう。スケルターは見た目からしてかなり記号的な“悪役”だからこそ、笑いも取りに行くことで、映画全体の空気がぐっと楽しくなっている。2026年公開作のベスト・ヴィランとなることは間違いない。
近年のアクション大作やヒーロー映画は、シリーズの積み重ねやユニバースの広がりによって、どんどん豊かになってきた。一方で、観る前に過去作を押さえておきたくなったり、設定や人間関係を思い出す必要があったりする作品も少なくない。もちろん、それは長く続くシリーズならではの醍醐味でもある。
ただ、たまには何も構えずに、一本の映画として大きな冒険に飛び込みたい時もある。『マスターズ・オブ・ユニバース』は、まさにその気分に応えてくれる作品だ。選ばれし若者が、失われた力を取り戻し、仲間とともに故郷を救う。そこに剣があり、魔法があり、SFガジェットがあり、筋肉があり、笑える掛け合いがあり、わかりやすく憎たらしい、でも憎めない悪役がいる。ややこしく考える前に、まず楽しい。歴史あるIPに基づいてはいるが、初見でもまったく置いていかれない。これ一本でスカッと楽しめる冒険映画だ。

この“わかりやすくて、濃くて、見た瞬間に楽しい”という感覚は、本作の出自とも無関係ではない。『マスターズ・オブ・ユニバース』は、もともとマテル社のアクションフィギュアを源流に持つIPなのだ。このことは、実は映画的な強みでもある。オモチャ原作の映画は、そもそも“見た目でワクワクさせる”ことに長けているからだ。
たとえば『トランスフォーマー』は変形ロボットの快感をそのまま実写アクションに持ち込み、『G.I.ジョー』はアクションフィギュアのチーム感をミリタリーSFに広げた。『レゴ®ムービー』はブロック玩具の自由な発想を笑えて泣ける冒険映画に変えたし、近年では本作と同じマテル社の『バービー』(2023)が記録的な大ヒットを収めた。ほか、海戦ボードゲームを大胆にアレンジした『バトルシップ』(2012)がアツく愛された例もある。
しかも本作を手がけるのは、『バンブルビー』(2018)のトラヴィス・ナイト監督である。ストップモーション・アニメーションの名門ライカ出身で、『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(2016)も監督した人物だ。つまり、立体物に命を吹き込み、画面の中でどう魅力的に動かすかを知っている作り手である。玩具的なビジュアルの楽しさと、キャラクターへの愛情。その両方をわかっている監督が撮っているのだから、相性は抜群だ。
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その流れで『マスターズ・オブ・ユニバース』を観てみてほしい。「力の剣」を天高く掲げる筋肉ムキムキのグラディエーター風戦士、ガジェットを操るアーマー戦士、DX超合金のようなマシン兵、緑色の喋るトラ、フードを被ったガイコツの魔術師、カラフルな敵キャラたち。子どもの頃のオモチャ箱をひっくり返したような楽しさが、ずっと広がっている。観た後にオモチャが欲しくなる映画は、良い映画なのだ!
この底抜けの楽しさは、海外でもしっかり評価されている。海外最速レビューでは、本作に対して「大好き」「2026年最大のサプライズ」といった絶賛が集まり、カラフルで壮大な世界観、ユーモアとアクションの楽しさ、“土曜朝のアニメ”のような高揚感が評価されている。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『マイティ・ソー』を思わせる冒険活劇としての魅力に触れる声もあり、「観ている間、ずっと満面の笑みだった」と語る評もあった。
実際に観てみると、よくわかる。『マスターズ・オブ・ユニバース』は無邪気なほどにカラフルで、マッチョで、ちょっと馬鹿馬鹿しくて、でも作り手がその魅力を本気で信じている。だから観ているこちらも、安心して笑って、驚いて、熱くなれる。海外評で語られている“楽しい”という反応は、まさに本作のいちばん大きな武器なのだ。

そして、この映画はやっぱり映画館で観るのが正解だ。理由はとてもシンプルで、画面がずっと楽しいからである。それぞれのキャラクターの見た目や戦い方がはっきり違うので、画面のどこを見ても何かが起きている。あまりにも景気がよく、思わずニヤけてしまうようなアクションが、大画面いっぱいに炸裂するのだ。家で小さく観るより、映画館で浴びるタイプの映画である。細かい理屈を追うより先に、「楽しい!」が体に入ってくる。
そして何より、観終わった後の気分がいい。大きな冒険を見届けた満足感があり、キャラクターたちと一緒に走り抜けたような爽快感がある。難しく考え込むより、楽しかった!と胸いっぱいになれる。ひとりで観てももちろん楽しいし、友人と観ても、家族と観ても、恋人と観ても大いに盛り上がるだろう。ファンタジーアドベンチャーの楽しさを、みんなで等しくシェアできる。
知らないIPだからと構える必要はない。むしろ、知らない世界に飛び込むために映画館がある。大きなスクリーンで、見たことのない世界と、濃すぎるキャラクターたちと、景気のいい冒険に出会う。『マスターズ・オブ・ユニバース』は、誰が観てもワクワクできて童心に帰ることができる、この夏最高の爽快娯楽作だ。

力は我にあり!映画『マスターズ・オブ・ユニバース』は2026年6月5日、日米同時公開。劇場で、ワクワクする大冒険に出かけよう!
Supported by ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
参考:E!online






















