【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』脚本家、Netflixのマーベル・ヒーローについて語る

Netflix配信のドラマ「Marvel デアデビル」(2015-2018)「Marvel ルーク・ケイジ」(2016-2018)「Marvel アイアン・フィスト」(2017-2018)「Marvel パニッシャー」(2017-)「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」(2015-)は、マーベル・シネマティック・ユニバースと一応は同世界観にあるシリーズだ。劇中ではアベンジャーズの存在や、『アベンジャーズ』(2012)ニューヨーク決戦の影響などが語られる場面もある。
しかし、彼らの存在はこれまでMCUの映画の中で紹介されることはなかった。制作班が完全に異なるため、彼らの間にファンが期待するような連携はないためだ。アンソニー・ルッソ監督は前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の際に「簡単な検討も行った」というが、結局のところ実現に至っていなかった。
当時、脚本のクリストファー・マルクスは「(仮に実現しても)今の時点では見せかけのカメオ出演になってしまう」「僕たちは(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で)MCUの映画作品をたくさん扱おうとしていました。そこへ、さらに“ストリーミング・サービスを使ってるのかどうか知らないけど、そっちの知識も持っておくべきだ!”と訴えるのは、観客に多くを求めすぎというもの」と明かしている。
Netflixのヒーローが『エンドゲーム』に登場できる余地はあったか
どうやらこの方針は、『エンドゲーム』でもさほど変わらなかったようだ。この度のインタビューで脚本家のふたりは、前年の『インフィニティ・ウォー』時とほぼ同じ説明を行っている。
マクフィーリーは、「既に、観客が(MCUの)たくさんの映画を観ているものだと仮定してしまっていました。観客はNetflixにも会員登録していて、ドラマも充分観ているものだと仮定してしまって本当に良いのかと」と語る。『エンドゲーム』はMCU全22作の集大成。過去作の知識が大前提とされているうえ、前作『インフィニティ・ウォー』からの続編だ。前作にも増して「多くを求めすぎている」とも言える作品に、ディフェンダーズやパニッシャーを新たに紹介する余裕が果たしてあっただろうかと言われると、相当なリスクになっただろうことが分かる。
「それから、タイムラインも台無しになってしまいます」とマルクス。「もしも指パッチンで消されていなかったなら、もっと先に登場していたはずだろうということになる。ドラマシリーズから映画に唯一登場できたのは、ジャーヴィスだけですね。」
その通り、トニー・スタークとスティーブ・ロジャースが1970年のニュージャージー軍事施設に潜入するシーンでは、トニーの父ハワード・スタークの執事としてジャーヴィスがカメオ登場。ジェームズ・ダーシーが演じるこのエドウィン・ジャーヴィスは、2015年から2016年にかけて米ABC局で製作されたドラマ「エージェント・カーター」に登場するキャラクターだ。
もっともジャーヴィスの名の響きは、アイアンマンの人工知能J.A.R.V.I.S.でお馴染み。必ずしも「エージェント・カーター」を観ていなくても、映画のファンならピンとくるサプライズ登場だった。ただし、ディフェンダーズやパニッシャーはその通りではないというわけだ。
ところで余談だが、脚本のステファン・マクフィーリーは2018年の『インフィニティ・ウォー』時のインタビューでは「こんな話をしたことがありました。“ルーク・ケイジを出すべきだろうか? ニューヨークが舞台なんだし…”」と切り出し、本年の『エンドゲーム』のインタビューでも話の中で「ルーク・ケイジを登場させようか、ってね」と切り出している。つまるところ、マクフィーリーはどうやらルーク・ケイジがお気に入りの様子だ。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)より全国公開中。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html
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Source:NYT