Netflix、スティーヴン・ソダーバーグ監督「パナマ文書」映画を獲得 ― メリル・ストリープ、ゲイリー・オールドマンら出演

米Netflixが、『オーシャンズ11』シリーズや『ローガン・ラッキー』（2017）などのスティーヴン・ソダーバーグ監督による新作映画『The Laundromat（原題）』を獲得したことがわかった。米Deadlineが報じている。

『The Laundromat』は2016年の「パナマ文書」問題を映画化する作品で、2018年5月に第一報が伝えられていた。当時からNetflixは同作の獲得に興味を示していたとされるが、改めて映画への出資と配信が明かされた形だ。このたび、本作への出演者も報じられている。

かねてより報じられていた通り、『The Laundromat』には『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』（2018）のメリル・ストリープ、『ウィンストン・チャーチル／ヒトラーから世界を救った男』（2017）でアカデミー賞主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマン、『デスペラード』（1995）や『マスク・オブ・ゾロ』（1998）などのアントニオ・バンデラスが出演。それぞれの役どころは明かされていない。

またDeadlineによると、本作にはドラマ「フレンズ」（1994-2004）などのデヴィッド・シュワイマーが出演。パナマ文書に掲載されていた一企業の弁護士であるマシュー・クオーク役を演じる。そのほか『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』（2013）などに出演した俳優兼コメディアンのウィル・フォーテ、『ローガン・ラッキー』や『アンダー・ザ・シルバーレイク』（2018）のライリー・キーオが出演交渉中だという。

「パナマ文書」とは、2016年4月にパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した機密資料のこと。文書は1970年代から作成されており、タックス・ヘイブン（租税回避地）を利用して世界の大企業や権力者、富裕層が税金逃れを行っていること、犯罪者による資金隠しが行われていることが発覚した。
膨大な文書のデータは、2015年にドイツの新聞社「南ドイツ新聞」に匿名でリークされ、その後、米国ワシントンD.C.の国際調査報道ジャーナリスト連合も同じものを入手。なお「パナマ文書」に掲載されている日本人の名前は700人にものぼるといわれている。

本作の原作となったのは、ジャーナリストのジェイク・バーンスタイン氏が執筆したノンフィクション作品『Secrecy World: Inside the Panama Papers Investigation of Illicit Money Networks and the Global Elite（原題）』。脚本は『インフォーマント！』（2009）や『コンテイジョン』（2011）、『サイド・エフェクト』（2015）でソダーバーグ監督とタッグを組んだスコット・Z・バーンズが執筆した。

ちなみにタイトルの「Laundromat」とは、リゾートやホテルなどの共同洗濯場（コインランドリー）の意。リゾート地として愛される土地がタックス・ヘイブンとなっていること、また資金洗浄を意味する「マネー・ロンダリング（money laundering）」を踏まえたものとみられる。

映画『The Laundromat（原題）』の配信時期は不明。

Source: Deadline
Eyecatch Image: ［左］Photo by Dick Thomas Johnson ［中］Photo by Georges Biard ［右］Photo by Gage Skidmore Remixed by THE RIVER