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『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カット、2021年配信決定

ジャスティス・リーグ スナイダー・カット
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バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ、そしてスーパーマン、DCコミックスの有名ヒーローが集結した2017年の映画『ジャスティス・リーグ』幻の「スナイダー・カット」が、2021年に米配信サービスHBO Maxにてついに登場することが分かった。

ファン悲願のスナイダー・カットが、ついに実現した。ザック・スナイダー監督とスーパーマン役ヘンリー・カヴィルが、シリーズ第1作目となる『マン・オブ・スティール』(2013)の同時視聴イベント時に発表し、米ワーナーメディアからも明かされた

『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カットとは

2017年公開の『ジャスティス・リーグ』は、ザック・スナイダー監督の愛娘の死を受けて心労のため降板。代わりに『アベンジャーズ』ジョス・ウェドン監督がメガホンを引き継ぎ、一部作風をガラリと変えて完成した。また、スナイダー監督が撮影していたシーンの多くがお蔵入りとなっていたことも、後に次々と明らかになっていく。スナイダー版を期待していた多くのファンからは、「ザック・スナイダーが当初構想していたバージョンを観せて欲しい」との声があがっていた。

『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カット求める動き

幻のスナイダー・カットを求めるファンの活動は、2017年の『ジャスティス・リーグ』公開後より見られていた。2018年には、製作関係者より「ザックが思い描いたシーンはすべて撮影されており、どういう形にせよ存在する」という証言が登場したり、また別の関係者から「100%ありえない」といった否定が登場したりと、「スナイダー・カット」をめぐる情報の是非が交互の聞こえてくるような錯綜状態に。一時は、スナイダー・カットそのものが都市伝説化したようなきらいもあった。

この頃より、ファンは「#ReleaseTheSnyderCut(スナイダー・カットを公開せよ)」というハッシュタグで一丸となる。熱心なファンは、サンディエゴ・コミコンに向けてクラウドファンディングで広告出稿を目指すといった活動でも話題を呼んだ。

風向きが変わり始めたのは2019年夏頃だ。アクアマン役のジェイソン・モモアが、スナイダー監督との交友の中でスナイダー・カットを見せてもらったこと、それも「超ヤベェ」ことを告白。後日、「VFXの多くは完成していた」とも明かしていた。また、劇伴音楽を担当者していた人物が、スナイダー・カットの音楽は全て作曲されていたことも証言する。

スナイダー監督への信頼が厚いジェイソン・モモアや、サイボーグ役のレイ・フィッシャーはかねてよりSNSなどでスナイダー・カットへ言及する機会も多かったが、2019年11月にはバットマン役のベン・アフレック、ワンダーウーマン役のガル・ガドットといったそれまで沈黙を貫いていたキャストまでもがついに言及。ふたりはスナイダー監督と共にTwitter上で「#ReleaseTheSnyderCut」を表明し、このハッシュタグが一時トレンド入りを果たすまでの盛り上がりを見せた。

その後、スナイダー監督がSNSにてスナイダー・カットのフィルムが収められているらしいフィルム缶の写真と共に、「本当なのか?存在するのか?もちろん、あります」と主張。スナイダー監督本人が証拠写真と共に認めたことで一旦、スナイダー・カットは本当に実在するのだという確証が得られていた。

2019年12月には、『ジャスティス・リーグ』脚本を手掛けたクリス・テリオが、同じく担当した『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の取材に際して、「本作(=『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』)の後のある時点で、ある事をお話すると約束しましょう。」と予告。ファンはテリオが示唆した何らかの発表を待っていた。

『スカイウォーカーの夜明け』劇場公開が一通り落ち着いた後もしばらく音沙汰はなかったが、2020年5月に入ってからにわかに再燃を見せる。ファンブログの米We Got This Coveredはスナイダー・カットが日の目を浴びそうだという動きや、HBO Maxで配信されるらしいとの情報を熱心に訴え続けていたが、結果としてこれらは的を得ていたということだ。これが拡散される形で、いよいよスナイダー・カットがやってくるかもしれないという機運は、ファンやファンメディアの間でここ数日高まっていたところだった。ジェイソン・モモアも、「いい加減スナイダー・カットを出しやがれ!」とSNSでアピールしていた

『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カット発表に際して

この度の発表に際して、ザック・スナイダー監督は「HBO Maxとワーナー・ブラザースの、アーティストを支持し、その真のヴィジョンを実現するという勇気ある姿勢に感謝します。それから、スナイダー・カット運動に携わった皆様、実現させてくれて本当にありがとうございます」とコメントを寄せいている。

ワーナー・メディア・エンターテインメント会長のロバート・グリーンブラットは「私が14ヶ月前に着任した頃から、 #ReleaseTheSnyderCutの動きは、我々のオフィスやメールボックスの中で毎日鳴り響いていました」と認めた。またHBO Max最高コンテンツ責任者のケヴィン・レイリーは、「ザックとデビー(=デボラ・スナイダー、ザックの妻でプロデューサー)が『ジャスティス・リーグ』をどうしたいかという卓越したヴィジョンを見せてくれた時、我々のチームとワーナー・ブラザースは、沢山ある問題をどう解決すればいいかというミッションとして取り組みました」と明かす。この度の実現は、ワーナー・ブラザースとHBO Maxの協業によって実現できたことを強調した。

ワーナー・ブラザース映画会長のトビー・エメリッヒも謝辞を述べ、「ザックの物語を分かち合うのに良い時期だと思いますし、HBO Maxがそのプラットフォームとして相応しいでしょう」と喜んだ。

かねてよりスナイダー・カット公開運動を率いていた強力なひとりと言えるジェイソン・モモアもInstagramを更新し、「ついに実現したぞ。どういたしまして。ジャスティスが下された。実現させてくれた全員に、俺からアロハを贈ろう。アロハ」とコメント。ザック・スナイダー監督もTwitterで「This is real.」と誇らしげだ。米DCコミックは「2021年まだー?」とコメントした。

このように『ジャスティス・リーグ』ザック・スナイダー編集版はファンの熱心な活動が実現させた賜物だ。ファンの声が作品の動きを動かした好例として、今後語り継がれるだろう。

『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カットは米HBO Maxにて2021年配信予定。HBO MaxはWarnerMediaの映像コンテンツが集結する映像配信サービスで、ワーナー・ブラザースやDCコミックス、カートゥーン・ネットワーク、「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)や「ウエストワールド」(2016-)など高品質のドラマを連発するHBO局、CNNなどの作品が配信される。オリジナルコンテンツも用意されるが、スナイダー・カットは目玉の一つとなりそうだ。

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Source:warnermediagroup

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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