2018年に公開予定のDC映画『シャザム!』にて主人公のビリー・バットソンが変身するヒーロー、シャザムの宿敵ブラックアダム。このキャラクターを演じるロック様ことドゥエイン・ジョンソンも「気に入った」と語るブラックアダムは、善悪の狭間で揺れ動くというシネストロやローグスに近い宿敵、俗に言うアークヴィランであり、高い人気を誇るキャラクターです。ヴィジュアルイメージがピッタリなことから早くも期待が高まっています。

映画化予定の『SHAZAM』が二作に分かれ。それが前後編になったのか、繋がりを持ちつつも別の作品になったのかは不明ですが、もう一方の映画の主役はブラックアダムになるのではという説が多いようです。

前代未聞のヴィラン単独映画？

ヴィランチームの活躍を描いた『スーサイド・スクワッド』は、宿敵と言うにはいささかスケールダウンするキャラクターが大多数でした。本当の宿敵が主役というのは『レジェンズ・オブ・トゥモロー』の主役の一人にキャプテンコールドやヒートウェーブが挙げられるくらいであり、群像劇的手法ではなくヴィラン単独映画というのは前代未聞と言えるでしょう。

どうなるかにせよ、二作の内の一作は古代エジプトで紆余曲折を経てもヒーローをやっていたブラックアダムの描写を多くすることで、彼の複雑なキャラクター性を描写するのだろうと思われます。しかし、ブラックアダムは一作目では登場しないのではという噂も。これが事実ならば、一作目がシャザム主人公で二作目がブラックアダム主人公という形式になりますが、二作目で大きく時間が巻き戻り、古代エジプトの話を長々とするのだろうかという疑問が出てきます。

『ブラックアダム』単独映画は本当に実現するか

映画化についてドゥエイン・ジョンソンは、DCの上層部とDCユニバース全体についての会議を経て、”希望と楽観と楽しさ”に満ちたものになるとツィートしています。しかし、ブラックアダムというキャラクター自体が”善悪の境界線で揺れ動く”というアンチヒーローの色が大変に強く、現代に蘇った古代の英雄が希望に満ちた少年のビリーとは対称的な目を覆う悲劇に直面するため、彼が主役映画になるのは疑わしいところがあります。

『52』やJSAで語られたような過去を背負う宿敵とビリーが戦うというのはあまりに重く、むしろW主人公として巨悪と戦う方針の方がありえさえします。ブラックアダムとシャザムは生き方や人助けの仕方が違えど、どちらも家族を喪い、強大な力を授けられたという同じ運命のもとで生まれたいわば義兄弟、兄弟弟子のような存在でもあるからです。

ブラックアダム単独映画の可能性も朗報ですが、二作になったことで主人公ビリー・バットソン周辺の描写が増えるだろうということも嬉しいですね。彼は孤児からオリジンが始まっており、ブラックアダムとの関係がどうなるにせよ元来からファミリー色が強い明るいヒーローモノとして描かれるのがスタンダードとなっています。

シャザム・ファミリーも人気

アメコミにおける○○ファミリーといえばバットファミリーやフラッシュファミリーが知名度・人気ともに高いですが、シャザムファミリーも2011年の『フラッシュポイント』前の世界ともに高い人気を持っています。現行の世界でのシャザムファミリーを描いた『シャザム!：魔法の守護者』のオリジンを踏襲する場合は、ビリー・バットソンが血の繋がらないシャザムファミリーを形成していくまでの過程が描かれるかもしれません。

ジェフ・ジョーンズがライターを務めた『シャザム!：魔法の守護者』は心が温まるクリスマスの話である一方で、世界最強の魔術師でもあるシャザムの設定を活かした一大スペクタクル。アートを務めるゲイリー・フランクは温かみのある純朴なキャラクターを描くのが非常に上手く、シャザムの作風にマッチしているので大変に楽しく、オススメです。シャザムの映画が『SHAZAM! 』1作目、『SHAZAM!』2作目となるのか、『SHAZAM!』と『ブラックアダム』になるのかは不明ですが期待したいところです。

Source:http://deadline.com/2017/01/shazan-dwayne-johnson-black-adam-1201889902/
http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/black-adam-movie-hidden-depths-dwayne-johnsons-next-leading-man-966182

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