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『スター・ウォーズ』新作ラインナップまとめ一覧と考察 ─ 舞台は旧時代が中心に

スター・ウォーズ』の新作映画・ドラマシリーズ・アニメ作品が全11作発表された。ディズニーの投資家向けイベント「Disney Investor Day 2020」で明らかになった『スター・ウォーズ』の新作ラインナップをまとめてご紹介する。

『スター・ウォーズ』の今後 ─ 解説と考察

ほとんど全てがサプライズ的な発表となったが、中でもファンを興奮させたのはヘイデン・クリステンセンによる「オビ=ワン・ケノービ」でのダース・ベイダー再演だろう。『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005)でアナキン・スカイウォーカーを演じたヘイデンの人気は未だ高く、米ディズニー買収後の続3部作にも再登場が望まれていたが、姿を伴っての本格的な登場は叶わず。

そのヘイデンがおよそ15年ぶりに『スター・ウォーズ』に帰ってくる。ダース・ベイダーの登場は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)でも大きな見せ場になっていたとあって、待望の再登場となるだろう。

スター・ウォーズの時代設定は過去へ戻っていく

発表されたラインナップ全体を見ると、『スター・ウォーズ』の時代が前へ前へと戻ろうとしていることに気付かされる。『フォースの覚醒』(2015)『最後のジェダイ』(2017)『スカイウォーカーの夜明け』(2019)では新しい時代を描いたが、この度発表されたタイトルには、この続3部作(シークエル)に結びつくと明示された作品がひとつもない。

先述の「オビ=ワン・ケノービ」しかり、帝国時代を描く『ローグ・ワン』の前日譚「アンドー」しかり、クローン大戦描く「クローン・ウォーズ」から派生した「バッド・バッチ」しかり、基本的に旧3部作(クラシック)や新3部作(プリクエル)の時代を描く物語ばかりだ。

ミステリー・スリラー作品として紹介された「アコライト」に至ってはザ・ハイ・リパブリック時代で、これは映画で描かれたスカイウォーカー・サーガより200年前に遡るものだ。続3部作ではジェダイの終焉が主題になったが、ハイ・リパブリックではジェダイ黄金期が描かれる。

また、続3部作の評価が割れた『スター・ウォーズ』は、実写ドラマシリーズの「マンダロリアン」が大好評。ここに活路を見出したように、「マンダロリアン」からさらにスピンオフさせる「スター・ウォーズ:アソーカ」「スター・ウォーズ:レンジャーズ・オブ・ザ・ニュー・リパブリック」も発表された。

新たなキャラクターと共に独自の新時代を切り開いた映画続3部作から、過去の『スター・ウォーズ』を更に拡張するラインナップへと、サーガは原点回帰しているように見受けられる。これを象徴するように、議論の嵐呼んだ『最後のジェダイ』ライアン・ジョンソン監督が手掛けると伝えられていた新しい映画3部作は、本発表では言及されていないのだ。また、新鋭監督J・D・ディラードによる映画、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長がプロデュースする映画についても発表がなく、これらは一旦見送りになったものと考えられる。

時代設定が分からないものもある。『ドロイド・ストーリー』は「新たなヒーローの壮大な物語」を、『ローグ・スコードロン』は「新世代のファイター・パイロットたちを」を描くという。また、ランド・カルリジアンの単独シリーズ「ランド」は、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)若きランドか、『スカイウォーカーの夜明け』老年ランドか、どちらが登場するか分からない。

スター・ウォーズ新機軸

『スター・ウォーズ』はこれまで、映画で3部作を描くことが「お決まり」のひとつになっていた。続3部作がこのお決まりに「囚われていた」かどうかはさておき、ルーカスフィルムはかねてより、3部作構造から脱したいと考えていた

「囚われていた」といえば、『スター・ウォーズ』はこれまでスカイウォーカー家の物語を描くことにもこだわっていた。『スカイウォーカーの夜明け』でサーガを完結させるまでは、スカイウォーカーなき『スター・ウォーズ』への期待は未知数だったのだ。

ところが、「脱3部作構造」「スカイウォーカーなき『スター・ウォーズ』」という条件付きにもかかわらず、ドラマ「マンダロリアン」はファンの期待に安々と応えた。「マンダロリアン」発のドラマが2本も発表されたのには、ルーカスフィルムがここに手応えを得た様子が感じられる。

新たな発想と共に様々な『スター・ウォーズ』作品を多発させるルーカスフィルム、ここに来て新たな道を見出したようだ。以下、この度発表されたラインナップ。

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THE RIVER編集部
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