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『ザ・バットマン』リドラー役ポール・ダノ単独インタビュー ─ リドラーはお喋りなのか?なぜ名前が違うのか?

ザ・バットマン リドラー
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

『ダークナイト』トリロジー以来となるバットマン単独映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が、2022年3月11日(金)に公開される。

全く新しいバットマン映画で、ヴィランとなるのは、「謎解き」を仕掛ける最狂の知能犯、リドラー。リドラーといえば、『バットマン フォーエバー』でジム・キャリーが演じた、全身ハテナマークの緑色スーツ姿が印象的だが、今度のリドラーはもっと現実的で、さらに謎に満ちている。

これを演じたのは『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)や『スイス・アーミー・マン』(2016)など個性的な作品で知られるポール・ダノ。まだまだ不明瞭なことが多い『ザ・バットマン』版リドラーについて、THE RIVERではダノに単独インタビューで尋ねた。先に公開したロバート・パティンソン単独インタビューに続く、『ザ・バットマン』10連続インタビュー企画の第2弾をお届けしよう。

THE BATMAN-ザ・バットマン-
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』リドラー役ポール・ダノ 単独インタビュー

──本作の予告編映像で、犠牲者の顔にテープを貼り付ける人物の姿がありますよね。あれが、あなたのリドラーですか?

そうです。あれがリドラーということくらいは、言っても大丈夫でしょう。

──今作は過去のバットマン映画とかなり雰囲気が違いますし、あなたのリドラーも、これまでとは姿が全然違います。あなたは、このリドラーをどのように分析・解剖しますか?

すべては、マット・リーヴス(監督)が書いた脚本から始まっています。脚本では、あらゆることがハッキリと、明確で力強い視点から書かれています。彼が書いたリドラーは、僕が今まで見聞きしてきたものとは全く別のものでした。だから、マットが書いたものを解剖するのが僕の仕事でしたし、それを素晴らしいチームとも一緒に解剖していきました。コスチューム・デザインやプロダクション・デザイナーたちと一緒に、リドラーを再構築していったんです。

マットの脚本では、バットマンとリドラーの力関係の原型が描かれていただけでなく、その描写の下に、すごく感情的、個人的なものがあったんです。この2つのエネルギーが結びついたところに、この映画の本質があるように思えたんです。僕の出発点は、リドラーの「なぜ」や、リドラーが「誰なのか」、彼の出自や背景、なぜこういう人物になったのかを、まず理解することでした。

──リドラーは予告編映像で、「NO MORE LIES(ウソは たくさんだ)」というメッセージを犠牲者の顔に書き残していますよね。つまり、彼は犯罪を楽しんでいるだけでなく、彼なりに社会を正そうとしている、ということなのでしょうか?

マットから聞いているのは、ゾディアックのような連続殺人鬼を参考にしているということです。彼のできることには限度があるかもしれませんが、彼の目的や意図は、それよりももっと大きかったんじゃないかと、個人的には考えています。

コミックの歴史の中でも、ゴッサムには腐敗があり、それが街を動かしている。僕たちの物語は「イヤー・ツー」で、僕から見ればゴッサムは崩壊しています。マットが、ゴッサムをありきたりなものとして描いていないのが良かったと思います。つまり、腐敗しているよね、格差問題があるよね、というだけにしないで、もっと現実的な文脈が、本当の問題があるように描いている。コミックの壮大な物語と同じです。

──リドラーといえば、『バットマン フォーエヴァー』(1995)や、コミックやアニメではよく喋るヴィランとして知られています。あなたが演じたリドラーもよく喋るんでしょうか?

その通りだと思いますよ。リドラーは歴史的にも、口を動かすことに関しては傲慢ですよね。でも、このキャラクターのことはよく分からない、ということにしておくのが良い気がします。リドラーはパズルやゲームが好きだ、くらいは言っても大丈夫だと思いますけど。

──これまで、リドラーは「エドワード・ニグマ」という本名だったと思いますが、本作では「エドワード・ナシュトン」という名前に変わっています。これは何故でしょうか?

コミックでも、確か「エドワード・ナシュトン」という名で登場するものがあったと思いますよ。エドワード・ニグマは、略するとE-Nigma、つまりEnigma(=謎)という意味になるわけですが、これは今作にしてはちょっと鼻につく感じになるので、より現実的な名前になったんだと思います。この人物が現実に存在すると感じられるようにですね。

バットマンがこれほどまでに力強く、長続きしている理由の一つは、彼が道徳的な男だからというのがあると思います。トラウマを抱えてバットマンになる。それはヴィランも同じなんです。

THE BATMAN-ザ・バットマン-
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──新しいバットマン映画でこの役を演じ、新しいことに挑戦されたことは、あなたにとって興奮でしたか?それとも不安?

お話を頂いた時は、学生のように興奮しました。バットマンなんてすごくカッコ良いし、これまで豊かに解釈されてきたものです。過去何年にもわたって、様々な形に進化してきたものですし。それにゴッサム・シティだって、僕たちのカルチャーの一部で、「集合意識」のようになっている。もちろん(この役には)恐怖や不安もありましたけれど、すごく幸運だとも思いましたし、ワクワクしました。映画の仕上がりもすごく気に入っています。とてもリアルな映画で、すごく興奮しています。

──ご自身がこの役にキャスティングされた理由はなんだと思いますか?厄介な質問ですかね?(笑)

そうですね(笑)。自分について話すのはいつも難しくて。キャラクターについて話す方が楽なんですよね。

多分、マットと僕とですごく気が合ったからかな。お互い知らなかったんですけど、実際気が合ったんです。彼も僕も徹底的にやりたいタイプで、ディティールにこだわったりとか、できるだけ深掘りしたかったりとか。それで、素晴らしい協力関係、素晴らしい組み合わせになるということが分かったんです。なんで僕がキャスティングされたかは……彼に聞いてみて(笑)。

──そうですよね(笑)。そんなマット・リーヴス監督とのお仕事はいかがでしたか?

マットは(言う事や考え方が)かなり具体的な方で、ヴィジョンもはっきりしている。それに協調性も高いので、たくさん話し合って、質問のやりとりもたくさんありました。やりがいのある仕事でしたし、地に足つけて行かないとな、とも思いました。

この物語、脚本、そしてキャラクターに至るまで、彼が全てにおいて全力を注ぎ、可能な限り最高のものを追い求めたということを讃えたいです。観客の皆さんが、彼やグリーグ(・フレイザー撮影監督)が作り上げたイメージやサウンド、キャラクターに没入していただければ、僕たちも報われますし、幸せに感じます。

DC映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は2022年3月11日(金)に全国公開。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューさせていただきました。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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