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『ザ・バットマン』ジェームズ・ゴードンは「圧倒されている」 ─ ジェフリー・ライト単独インタビュー

ザ・バットマン
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

全く新しいバットマンが始動する。『ダークナイト』トリロジー以来となるバットマン単独映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が、2022年3月11日(金)に公開される。

ブルース・ウェインのバットマン活動2年目を描く本作。バットマンの物語に欠かせない存在であるのが、ゴッサム市警刑事のジェームズ・ゴードンだ。あらゆる作品でバットマンの永遠の盟友として描かれるこの男。腐敗はびこるゴッサム・シティの中にあって、ゴードンはバットマンと同じく正義を理想として奔走する。

これまでの映画ではゲイリー・オールドマンやJ・K・シモンズら、ドラマではベン・マッケンジーといった役者たちが演じてきた名キャラクターだが、『ザ・バットマン』では「ウエストワールド」や『007』シリーズなどで知られるジェフリー・ライトがアフリカ系アメリカ人として初めて演じる点も話題だ。

ロバート・パティンソンが演じるバットマン/ブルース・ウェインにとってかけがえのない仲間であるゴードン役を、ジェフリー・ライトはどのように演じたのか?THE RIVERではライトへ単独インタビューを行った。

『ザ・バットマン』ジェームズ・ゴードン役ジェフリー・ライト 単独インタビュー

──ジェームズ・ゴードンは個人的にも大好きなキャラクターです。前のシリーズではJ・K・シモンズが役作りのためにとんでもない筋トレをしていましたよね。あなたのゴードンの場合、役の準備はどのようなものでしたか?

まずはヒゲを生やして、筋トレもやりました(笑)。現地にいるときにちょっとトレーニングをしていましてね。実は、撮影の終盤のある時点で、膝の軟骨を痛めてしまって(笑)。

今回の映画は、過去のシリーズに比べると、より現実的な刑事もの、探偵もので、ミステリー要素が強い。マット(・リーヴス監督)がやりたかったのは、(バットマンの初期に)戻りながら、それでもオリジンではない、2年目の物語です。その中でクライム要素やノワール・ミステリーの面を扱い、コミックでのオリジンに迫っていく。なので、ドデカいゴードン像を目指したわけではありません。

バットマンにとってゴードンは貴重な存在です。なぜなら、彼はストリートでも自分で対処できるし、武器も扱えるからなのですが、主には彼に探偵としての心や、威厳があるからです。なので私としては、ロブ(ロバート・パティンソン、ブルース・ウェイン役)との関係性を重視しました。本作はバットマン2年目の物語ですから、彼らの協力関係にも真新しさがあって、それは本編を通じて成熟していきます。

ザ・バットマン
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

──本作の元になったとされるコミック『イヤーワン』や『ロング・ハロウィーン』では、ゴッサム・シティの腐敗と戦うゴードンの姿が描かれていますね。他にも、妻がいながら不倫をするといった物語も書き込まれています。こういったコミックの要素を、どのように映画に持ち込んだのでしょうか?

『ロング・ハロウィーン』は読みました。『イヤーワン』も読んでいますし、最近の作品もいくつか読みました。ゴールデン・エイジやブロンズ・エイジ作品、バットマンの初期の作品も読みました。ゴードンをはじめとするキャラクターたちの(コミックでの)歴史が、マット・リーヴスの語るゴッサムのヴィジョンに取り組まれています。

我々は主に、バットマンとの関係性やゴッサム・シティとの関係性に焦点を当てました。それから、ゴッサム市警や政治腐敗との関係性です。彼らは、まさにそういった中にいるわけです。

──『イヤーワン』や『ロング・ハロウィーン』といった作品で、ジェームズ・ゴードンは彼なりの正義で腐敗と戦いますが、どこか疲弊しているように描かれていますね。僕はゴードンのそういった描写が好みなのですが、あなたはどんなところが好きですか?

私が魅力だと思うのは、かなりシンプルなのですが、彼の全体像を理解する上では役立つものです。それは、彼は圧倒されているということです。だからこそ彼は疲弊しているんですね。

彼はゴッサムの汚職や腐敗と闘っており、そういった現実が彼を圧倒してしまっている。だからバットマンと手を組むんです。この真夜中に姿を現す、コウモリのスーツを着た奇妙な男との仲を深めようと必死であることからも、彼がいかに圧倒されているかがわかるでしょう。それでもなお、街のためにうまくやろうと抗っているのです。このキャラクターのこういった要素が魅力的だと思います。彼はいつも、息絶え絶えという感じでね(笑)。それでも、シャンとした男であろうと頑張っているところ。製作中、そういうところを何度も反芻しました。

──あなたは今作でのゴッサム・シティについて、まるで一つのキャラクターのようだと話されていましたね。具体的にどのようなことでしょうか?

ゴッサムは色々な意味で、危機にある街です。この街は絶望的で、行く先は二つに一つ。健全か、失落かです。マットが作りたかったゴッサムはそういう場所です。今まさに分岐点にある街です。だからこそ、現代に通じるところがたくさんあると思います。不安定さがあり、脆さがあり、そこは今の現実の世界にも通じている。

とは言え、映像で観ると美しいですよ(笑)。マットやグリーグ・フレイザー(撮影監督)が光と影を駆使してトーンを作り上げていて、ゴッサムの“ゴス”がよく表されています。それはまるで、豊かでディープでムーディーなグラフィック・ノベルのように響く。すごくムーディーで陰鬱な、それでいて温もりのあるトーンです。非常に美麗で、美術のジェームズ・チンランドによるデザインも、未だかつて見たことのないゴッサムを作り上げています。全く新しいゴッサムです。我々の仕事の大部分は、カメラの後ろのアーティストたちが作り上げたトーンのおかげで成り立っているのです。

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

──『ザ・バットマン』からは現在2本のスピンオフシリーズが企画中で、うち1本はゴッサム・シティが題材になるそうです。ゴードンもそこに関わってくるのではないかと推測しているのですが、今言えることはありますか?

そうですね。今お話しできるのは……まだ映画も公開されていないのに、もうスピンオフの話が出てきているということ(笑)。だから私は映画の方に集中させてもらいますよ。確かに可能性はたくさんありますが、今は復讐のバットマン映画をようやくやり遂げたわけですからね。

DC映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は2022年3月11日(金)に全国公開。

ザ・バットマン
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Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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