『ザ・バットマン』ペンギン役コリン・ファレル、別人すぎて現場で気付かれなかった【インタビュー】

全く新しいバットマンが始動する。『ダークナイト』トリロジー以来となるバットマン単独映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が、2022年3月11日(金)に公開される。
バットマンの世界でよく知られるキャラクターたちも多く登場する本作。腐敗するゴッサム・シティでは、妖しきキャットウーマンや、最狂の知能犯リドラーに加え、犯罪紳士ペンギンことオズワルドも登場する。
ずんぐりむっくり姿で知られるペンギンだが、今作で演じるのはコリン・ファレル。特殊メイクによって、全くの他人と見紛うような中肉中背のペンギンに変貌している。
THE RIVERでは、ペンギンを怪演したコリン・ファレルへインタビュー。あまりの変貌ぶりに現場で共演者から気付かれなかったというエピソードや、今後決定しているというペンギンのスピンオフドラマについても尋ねた。
『ザ・バットマン』10連続インタビューの第4弾。ロバート・パティンソン、ポール・ダノ、マット・リーヴス監督へのインタビューと合わせてお楽しみいただきたい。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ペンギン役コリン・ファレル インタビュー
──まずは基本的な質問となりますが、ペンギン/オズ役に惹かれた理由はなんですか?もともとこのキャラクターはお好きでしたか?
僕はアダム・ウェストのドラマシリーズを観て育ったので、ペンギンは好きなキャラクターでしたね。バージェス・メレディスは『ロッキー』でも大好きでした。当時、僕は10代でしたね。確か11歳か12歳か、それくらいだったかな。ティム・バートンの『バットマン』映画2本も大好きになりました。だからダニー・デヴィートのペンギンはかなり印象に残っていて、大好きでしたよ。
でも、だからといって(自分が演じることに)ナーバスにはなりませんでした。ちょっとは不安だったかもしれませんけど、それよりもワクワクしましたね。マット・リーヴス監督から、ペンギン役をお願いしたいかもって話を頂いた時は、もう相当目が眩みました。もはやファンみたいに。
そりゃあ僕だって20年も役者をやっているわけですけれど、自分の中にまだ子どもの部分があって、どうしても興奮しちゃうことがあるんですよ。それで今回は貴重で、大人として仕事をしつつ、子どもとしてはしゃぐっていう感じでした。いやぁ、興奮しましたね。

──今作では、特殊メイクで完全に別人のように変貌していますよね。正直言って、初めて予告編映像を観たときは、あなただって気づかなかったほどです。実際に撮影現場でも、周りに気付かれなかったとお聞きしましたが……?
そうなんですよ。ジェフリー・ライト(ジェームズ・ゴードン役)がね、僕に気付かなくって(笑)。撮影現場で彼のところに行って、30秒くらい喋っていたんです。「調子どうですか」とか「会えて嬉しいです」みたいな。それから彼がどこかに歩き去ったと思ったら、2分後に戻ってきて「コリンですか?」って(笑)。「そうですよ」って言ったら「(絶句するように)うーわ……!」って。
僕もそこまで(気付かれない)とは思いませんでした。みんな、事前のイラストを見たりとか、説明とかされたりしていると思っていたんですけど。でも彼はしばらく会話までしていたのに、僕だって分からなかったみたいです。
つまり、僕は完全に溶け込んでいるってことですよ。役に消えているというか。自分でも予告編映像を観て、変な感じでした。自分じゃないんですから。全くわからないでしょう?(役や作品に)深く溶け込んでいくというのは面白かったです。考え方によっては、抑制されていると思うかもしれないですけれど、実際は真逆で、完全に自由でした。演じていて、すごく自由な感覚がありましたね。
──特殊メイクや衣装のおかげで、ペンギン役への理解も深まりましたか?
はい。その通りです。特殊メイクや衣装があって初めて、この役の持つ力が分かったというか、全てが繋がった感覚です。どうやるか、どう動くべきか、シーンをどう組み立てるかがね。それまでは全て、単なる構想でした。まぁ、役者として最初はいつもそんな感じで、まずは想像や脚本上の素材から初めていくわけですけれど。ただ、オズがどんな人物で、自分として何ができるか、ということを見出すのには苦労しました。