2015年公開『アントマン』は、マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）に新たな可能性を提示した。どうしても戦闘の規模が大きくなりがちなヒーロー映画に、「ヒーローたちを小さくすることで普通のものを大きく見せる」という考え方を導入したのだ。アントマンが登場した『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』にも、この考え方は存分に活かされていた。

それでも『アントマン』で小さくなったのはアントマンとイエロージャケットのみ。いうなれば、ごく限られた人物が小さな世界に飛び込んでいくという構造のストーリーだったのだ。ところが、2018年公開の続編『アントマン＆ワスプ（原題：Ant-man and the Wasp）』はどうやら様子が違うらしい。ハンク・ピム博士が頑張っちゃった結果、いろんなものが小さくなるというのである！

アントマン＆ワスプ＆ルイス？

2017年4月、マーベルのロサンゼルス・スタジオを訪れたエンターテインメント・ウィークリー紙は、前作につづき『アントマン＆ワスプ』で監督を務めるペイトン・リードから製作中の資料について取材している。

「映画に登場するものと、結局登場しないものがある。でもカメラの前に出す前に研究と開発をしているんだ」

あくまで“開発中”だと前置きした上で、監督が出してきたストーリーボードには、主人公スコット・ラング/アントマン（ポール・ラッド）の仲間であるルイス（マイケル・ペーニャ）のバンが犬の口に入っている様子が描かれていたという。監督いわく、犬が大きくなるのではなく、アントマンのスーツに使われている技術がルイスのバンにも使えるようになるようだ。それにしても、前作で折にふれて活躍したあのバンが……。

「ハンク・ピム（マイケル・ダグラス）の縮めたり大きくしたりする技術が進化して、スーツだけじゃなく車にも使えるようになってるんだ。たぶん、もっと他のものにも使えるだろうね」

この技術の進歩は、『アントマン』の世界観に大きな変化を与えるだろう。アントマンやホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ（エヴァンジェリン・リリー）だけでなく、他にも小さくなったり巨大化できる人物が現れたら……。ヒーロー映画が“どんどんスケールが大きくなる”ものだとしたら、『アントマン』シリーズは“より小さくなるという方向にスケールが大きくなる”のかもしれない。

ちなみにペイトン監督によると、続編ではアントマンのスーツもさらに進化するという。

「前作ではアントマンのスーツを意図的に“昔のもの”にしたんだ。スーツが彼（ハンク）の過去を象徴してるんだよ。だから新しいスーツは、そのテクノロジーの現代版なんだ」

すでに『シビル・ウォー』では、『アントマン』で見られなかったジャイアントマンの機能が登場し、アクション・シーンで大きな役割を担っていた。きっと『アントマン＆ワスプ』でもその機能は活躍するに違いない。

続編は「ビックリするよ。マジでクールだ」

前作につづき『アントマン＆ワスプ』にもスコットの友人・カート役で出演するデヴィッド・ダストマルチャンは、続編の撮影を控えて、その内容に興奮を隠していない。

「『アントワン＆ワスプ』はマーベル・ユニバースが今までやれなかったことをやろうとしてるんだ。このあいだ（内容を）ちょっと知ったけど、ビックリするよ。マジでクールなものになる」

『アントワン＆ワスプ』の撮影は2017年6～7月に開始されるとのこと。今度はどんなテクノロジーを見せてくれるのか楽しみだが、タイトル通り続編はワスプのオリジン・ストーリーになるという。スコットとホープの関係性、そしてタッグ・アクションにも期待しよう。

映画『アントワン＆ワスプ』は2018年7月6日米国公開予定。

Sources: http://ew.com/movies/2017/04/18/ant-man-sequel-peyton-reed-new-suits-technology/
http://ew.com/movies/2017/05/20/ant-man-and-the-wasp-david-dastmalchian/
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/MovieNEX-デジタルコピー-クラウド対応-MovieNEXワールド-Blu-ray/dp/B017SJS86I/