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【ネタバレ】『ドクター・ストレンジ/MoM』あの組織、メンバー解説 ─ サプライズ、「誰?」の疑問を解消

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
(c) Marvel Studios 2022

この記事には、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のネタバレが含まれています。

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
(c) Marvel Studios 2022

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』イルミナティ解説

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で、マルチバースに飛ぶことのできるアメリカ・チャベスと共にアース-838へたどり着いたドクター・ストレンジ。異世界のニューヨークでサンクタム・サンクトラムを訪ねてみたところ、そこではモルドが館の主となっており、ストレンジらを歓迎した。

しかしモルドは、「ニサンティの砂」を用いてストレンジらを眠らせ、その身柄は「イルミナティ」に委ねられることとなった。

イルミナティは原作コミックにも登場する、各界のヒーローの代表者たちから成る秘密結社だ。これは、戦闘を共にするために結成したチームというより、重大な物事を話し合うための会合として描かれる。公開前の予告編映像でもその姿や名称が登場しており、ファンの間では誰が実写版イルミナティのメンバーとなるかが注目だった

『MoM』のイルミナティはサプライズとサービスに満ちた編成だったが、驚くべきことに全員がワンダの戦力に敵わず、次々と即死。ワンダに対して「脅威ではない」と高を括っていたにも関わらずである。

一方で、続々と登場するメンバーに「誰だっけ?」と置いてけぼりをくらった方もいただろう。この記事では、『MoM』アース-838版イルミナティのメンバーをご紹介しよう。

ブラックボルト/ブラッカガー・ボルタゴン

ストレンジから向かって右側の上手(かみて)側、端に座っていたのがブラックボルトだ。彼は太古の昔にクリー人が作り出した超人類インヒューマンズの王。囁くだけで都市を破壊できるほどの衝撃波を放つ能力を有しており、ゆえにブラックボルトは常に口を固く閉ざした、威厳ある王として活躍する。

『MoM』では、アース-838でのサノス戦の後、取り返しのつかない事態を引き起こしたドクター・ストレンジを「すまない」の“声”と共に抹消したことが明らかになる。ワンダ襲撃時には、「ブラックボルトが口を開けば終わる」として切り札になるはずだったが、ワンダの魔術によりその口を文字通り封じられ、頭部の内側で声が暴発して即死した。

(C)2017 MARVEL

ブラックボルトが属する「インヒューマンズ」は、米ABCとマーベル・テレビジョン製作で2017年にMCUのスピンオフ作品として実写ドラマ化されたこともあった。ハワイの大自然を舞台に、空前のスケールで描くマーベル・ヒーロー・ドラマとして鳴り物入りでデビュー。月のロイヤルファミリーを題材に、当時全盛だった「ゲーム・オブ・スローンズ」のキャストも迎え、日本やアメリカではIMAXシアターで第1話と第2話を上映するという気合の入りようだった。日本からは、すみれが出演していた。

ところがドラマのあちこちではチープさが目立ち、批評家らも苦笑。結局、シーズン1限りで打ち切り終了。MCU史上、数少ない「残念」作品に数えられる1作となってしまった。

よってMCU世界(アース-616)ではドラマ版のブラックボルトが既に存在していることになるので、今後インヒューマンズが再登場する場合、(よほどのことがない限りは)ドラマ版を継承するか、あるいは『MoM』のように別世界のブラックボルトたちを取り扱う必要がある。なお『MoM』では、ドラマ版と同じ俳優であるアントン・マウントが再演。マウントにとってはボーナスステージのような機会となっただろう。

キャプテン・カーター / ペギー・カーター

ユニオンジャックのシールドと共に堂々と登場したのは、キャプテン・カーター。アース-838の世界では、スティーブ・ロジャースではなく彼の恋人ペギー・カーターが超人血清を打ち、“キャプテン”として活躍していたようだ。

彼女が「ザ・ファースト・アベンジャー」と呼ばれていたということは、この世界にもアベンジャーズが存在することを示唆している。サノス戦直後のフラッシュバック映像ではイルミナティのメンバーのみが映し出されていたが、他にアベンジャーズも戦いに加わっていた可能性はあるだろう。

ペギーがヒーローとなる展開は、アニメ「ホワット・イフ…?」第1話でも描かれていた。ただし、コスチュームのデザインが異なっていることからも明らかであるように、『MoM』のペギーは「ホワット・イフ…?」版とは別だ。映画では、ヘイリー・アトウェルが再演を果たした。

ホワット・イフ…?
(C)2021 Marvel

アース-616では、キャプテン・アメリカ同等の戦闘能力に加え、ボバ・フェットのようなジェットパックも装備しており、飛行も可能である様子。ワンダ戦では、キャプテン・アメリカの名ゼリフ「一日中だってやれる(I can do this all day)」も発し、タフな一面も見せた。しかし覚醒したワンダには適わず、投げ返されたシールドが身体を貫通、即死した。

カール・モルド

原作コミックでは、ドクター・ストレンジが魔術界の代表者としてイルミナティに属している。しかしアース-838でのストレンジはサノス戦で死亡していたため、ソーサラー・スプリームとしての後継となったモルドがメンバーに加わっていたようだ。

ストレンジに対しては、表向きは歓迎的だったものの、密かにニサンティの砂を飲ませて気絶させた。古き友として友好を装いながら、体制側について裏切るという展開は、『スター・ウォーズ』ランド・カルリジアンのようである。

劇中で指摘されていたように、ストレンジを疎ましく思う気持ちはアース-616版と同様だ。ワンダ襲撃時には議会場に残っていたため、生き延びている。

演じたのはキウェテル・イジョフォー。前作からの続投となった。今後には、デヴィッド・ボウイによる伝説の作品のリメイク『地球に落ちて来た男』ドラマ版への主演がある。

ところで、アース-616のモルドは前作以降どうなっていたのか?『MoM』でその謎が明かされることはなかった。

キャプテン・マーベル/マリア・ランボー

映画『キャプテン・マーベル』ではブリー・ラーソンが演じたキャロル・ダンバースがキャプテン・マーベルとなったが、アース-838では彼女の親友であるマリア・ランボースーパーヒーローになったようだ。

キャプテン・マーベルといえばマーベル・ユニバースの中でも最強クラスの戦力を持ち、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)ではサノス戦における強力な助っ人になっていた。『MoM』ではワンダに最後まで抗ったものの、倒れた銅像の瓦礫となって退場。片腕がうな垂れる様子があったことから、ノックアウトされたことは間違いないが、死亡したかどうかは不明だ。ただしワンダに惨敗を喫した今、仮に生き延びていたとしても、そのことが何かに影響を及ぼすこともないだろう。

演じたのはラシャーナ・リンチ。『キャプテン・マーベル』以後、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)でのノーミ役で知名度を高めての凱旋復帰となった。なお、マリア版キャプテン・マーベルが飛び上がる姿は予告編にも収められていたもので、公開前よりその正体についての議論が盛んに交わされていた。

ミスター・ファンタスティックリード・リチャーズ

『MoM』最大のサプライズの一人。ヒーローチーム『ファンタスティック・フォー』より、リーダーであるリード・リチャーズが電撃参戦となった。

リチャーズは人類最高の頭脳の持ち主として知られており、イルミナティには科学の分野の代表として参加している。『ONE PIECE』ルフィのように、身体をゴムのように伸縮させて戦うヒーローだ。

最高の頭脳の持ち主であるにもかかわらず、『MoM』では「ワンダの戦力をみくびる」「ブラックボルトの“口”が要だとワンダにバラしてしまう」という失態をおかした。ワンダには身体を“さけるチーズ”よろしく紐状にバラされ、そのまま頭部も破裂させられて即死するというあっけない結末を迎えた。

リード・リチャーズ役は、これまでの実写映画ではヨアン・グリフィズ、マイルズ・テラーが演じたが、『MoM』で新たに演じたのは『クワイエット・プレイス』(2018)などのジョン・クラシンスキー。ファンの間で理想とされていたキャスティングで、これが叶うこととなった。

気になるのは、MCUで再映画化も決定している『ファンタスティック・フォー』の今後である。今作でのイルミナティの面々は、いかにも尊大な様子で登場したにもかかわらず、ワンダに瞬殺されるというとんでもない最期を迎えた。他のメンバーは本作限りのボーナス登場になったとしても、リード・リチャーズは近い将来に単独映画に再登場するはずである。もしもクラシンスキーが再演するのなら、『MoM』であっけなくバラされた印象がついてまわるはずだ。

マルチバースの設定を活かせばキャスティングを変更することも可能だが、それはそれで“ジョン・クラシンスキーの無駄遣い”になってしまう。ましてやクラシンスキーは、妻であるエミリー・ブラントがインヴィジブル・ウーマン/スー・ストームを演じる夫婦共演も期待されていたのだ。

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新映画『ファンタスティック・フォー』に関しては、監督を務めるはずだったジョン・ワッツが離脱を表明したばかり。果たして次のリード・リチャーズはどのような姿で登場するのか。首を“長く”して待つ他ない。

プロフェッサーX/チャールズ・エクゼビア

イルミナティ最後のメンバーとして登場したのは、我らがプロフェッサーXことチャールズ・エクゼビア。公開前より期待されていた『X-MEN』の重鎮が初のMCU登場を飾った。アース-838では老年期であり、黄色のビークルに乗って移動するようだ。

強力なサイキック能力は健在。こめかみに指を当てるお馴染みのポーズで、ドクター・ストレンジには過去のフラッシュバックを見せた。“ドリームウォーク”されたワンダの心にも入り込んで救おうとしたが、精神世界の中でスカーレット・ウィッチに首を捻られ、そのまま絶命した。

『LOGAN/ローガン』(2017)をもって同役を卒業したはずのパトリック・スチュワートだったが、本作ではサプライズ再演。その登場は公開前より、スチュワート本人の口から示唆されていた

プロフェッサーXの登場をもって、ついにMCUが『X-MEN』シリーズと合流することが大きな期待を集めていたが、蓋を開けてみれば呆気なく殺される結果となった。さらに本作では、劇中で“X-MEN”や“ミュータント”とは言及されておらず、プロフェッサーも「最後のメンバー」の口上で登場したのみである。つまり、アース-838にX-MENが存在したかは定かではないのだ。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギは、かねてより『X-MEN』のMCU合流について計画を練っていることを示唆してはいたが、『MoM』に関して言えば、ファンは肩透かしを食らったと言わざるを得ない。ドラマ「スタートレック:ピカード」などで活躍を続けるパトリック・スチュワートだが、今後の同キャラクター再登場の際には、ジェームズ・マカヴォイか、あるいは新キャストによって演じられるのではないか。ともかく、『X-MEN』合流の夢は、またも今後へのお預けとなったわけである。

謎の7人目

議会のシーンで、ブラックボルトの向かって右側にはひとつ空席があった。つまり、本来イルミナティには7人目のメンバーが存在していたということである。何らかの都合で欠席していたのか、あるいは永久欠番であるのかは不明だ。脚本家のマイケル・ウォルドロンは、「答えられない質問」として明言を避けている

ファンが観た『MoM』でのイルミナティ

『MoM』でのイルミナティ登場は、ファンにとってはサプライズとなり、マルチバースの可能性を物語るものとなった。ただし、全員が呆気なく殺されたため、彼らの登場が、MCUにおける何かを前に進めたわけではない。サプライズという面においても、事情に詳しくない観客は置き去りにされただろう。かつ、ワンダに対抗する抑止力ともならなかったことから、その必要性には疑問の余地が残る。

もちろん、サム・ライミ流も乗ったハードコアな遊び心として楽しむことはできるのだが、とりわけリード・リチャーズの今後のイメージへの影響が懸念である。さて、あなたは『MoM』のイルミナティにどのような感想をお持ちだろうか?

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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