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『バットマン vs スーパーマン』でスタジオ映画の仕事失ったジェシー・アイゼンバーグ ─ 恐怖心から監督業に進出

ジェシー・アイゼンバーグ
Photo by Harald Krichel https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jesse_Eisenberg-62192.jpg | Remixed by THE RIVER

DC映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)でのラジー賞受賞が、自身のキャリアを変えてしまった。レックス・ルーサー役を演じたジェシー・アイゼンバーグが率直に告白した。

2026年10月18日、ロンドン映画祭のトークイベントに登壇したアイゼンバーグは、自身が脚本・監督業に進んだ理由は「恐怖心」が大きかったと語った。ラジー賞ことゴールデンラズベリー賞は、その年の“最低映画”を表彰する賞。『バットマン vs スーパーマン』は計4部門を受賞し、アイゼンバーグは最低助演男優賞に選ばれていた。

「バットマンの映画でラジー賞を受賞したせいで、スタジオの映画では役をもらえなくなっていました。それで、キャリアの行き先が見えてしまった。俳優をやっていると、“自分は上り坂にいるのか、それとも下り坂にいるのか?”と、いつも不安になるものなんです。」

『クレイフェイス』アート制作取材

アイゼンバーグは、俳優という仕事について「現状維持はありえない。ランニングマシンの上で順調に走り続けられるか、さもなければ過去の人になってしまうか、そのどちらかです」と話した。「本当に不安定で、ひどい世界だ」とも。

「僕のように心配性の人間は、自分の道が早くから見えてしまう。だから、映画を撮らなければいけないと思い、脚本を書き始めました。実際は、なんとかキャリアを維持するために始めたことだったんですよ。」

監督デビュー作『僕らの世界が交わるまで』(2022)が評価されたアイゼンバーグは、続く『リアル・ペイン 〜心の旅〜』(2024)で監督・脚本・主演を兼任、アカデミー賞脚本賞にノミネートされた。また、共演のキーラン・カルキンは助演男優賞を受賞。A24製作の最新作『The Debut(原題)』も控えており、いまや俳優・監督としての堅実なキャリアを築きつつある。

2024年にも、『バットマン vs スーパーマン』について「とても評判が悪く、僕の評価もすごく低かった。キャリアに大きなダメージを与えた」と振り返っていたアイゼンバーグ。今回は、当時の経験から「業界は自分に求められているものを教えてくれる」とも語っている。

「映画業界は、僕がスーパーヒーロー映画に出演することを望んでいなかった。賢明で、正しく自己認識ができる役者なら、そのことをすぐさま学び取ります。しかし、うまくいかない俳優は、それでも“ああいう映画にもっと出たい”と思ってしまうんです。そうはいきません、業界が望んでいないんだから。業界が望むなら、ラジー賞をもらうことはないんです。」

アイゼンバーグはこうも言っている。「芸術の世界でキャリアを成したいなら、自分の何が好まれているのか、業界からのメッセージに従わなければならない」とも。少なくとも、今の彼自身はその道のりをしっかりと進みはじめているはずだ。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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