幻のベン・アフレック版『バットマン』、ゴードン本部長が殺害される衝撃展開だった ─ デスストロークとバットマン&バットガールが死闘

かつてベン・アフレックが主演・監督・脚本を務める予定だった幻のDC映画『バットマン』は、ゴードン本部長が殺害され、アルフレッドが人質に取られるという衝撃的な物語になるはずだった。ヴィランのデスストロークを演じる予定だったジョー・マンガニエロが、実現しなかった映画のストーリーを詳しく明かした。
マンガニエロは、2026年10月13日に米国発売された回顧録『Bloodlines: A Memoir』の中で、本作の構想を振り返っている。米Entertainment Weeklyが紹介した。
アフレックが構想していたのは、デヴィッド・フィンチャー監督の心理スリラー『ゲーム』(1997)の「スーパーヒーロー版」ともいうべき作品。マンガニエロ演じるスレイド・ウィルソン/デスストロークが、バットマン/ブルース・ウェインの人生を徹底的に破壊していく物語だったという。
デスストロークの復讐の動機は、息子の死にバットマンが関与したと思い込まされていたこと。バットマンの正体を知ったデスストロークは、ブルース・ウェインの大切な人々を標的とし、私生活までを脅かしていく。
その計画には、ゴッサム市警のジェームズ・ゴードン本部長を殺害し、バットケイブに侵入して執事アルフレッド・ペニーワースを人質に取るという、容赦のない展開が含まれていた。ゴードン役にはJ・K・シモンズ、アルフレッド役にはジェレミー・アイアンズが起用されていたため、本作が実現していれば、おなじみのキャラクターたちが危機にさらされることになっていた。
さらに、この映画にはバットガールも登場する予定だった。マンガニエロによると、物語の中盤にはデスストロークがバットマンとバットガールの2人を相手に戦う大規模なアクションシーンが構想されていたという。デスストロークは2人を殺害寸前まで追い詰めるが、バットマンとバットガールは地上を走る列車を利用して辛くも脱出する展開だった。
その戦いを経て、クライマックスではゴッサムの街中を舞台に、バットマンとデスストロークによる一対一の決戦が繰り広げられる計画だったという。アフレックは、『デッドプール』(2016)のティム・ミラー監督が手がけた「バットマン:アーカム」シリーズのCGアクション映像を参考に、両者の戦闘を描くことを考えていたそうだ。
マンガニエロも、この構想には大いに興奮したという。とりわけアフレックの監督作『ザ・タウン』(2010)を高く評価していたことから、彼が監督を手がける『バットマン』に期待を寄せていた。
もっとも、アフレックが主演・監督・脚本・製作を兼任することには不安も覚えたそうだ。これほど巨大な規模の映画で、1人がすべての役割を担った例があるのかと疑問を投げかけ、メル・ギブソンの『ブレイブハート』(1995)を例に挙げたという。
これに対するアフレックの返答は、「ああ、分かってる。でも心配しないで。安心して任せてくれ」というものだった。
しかし、アフレック版『バットマン』は実現しなかった。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で初めてバットマンを演じたアフレックは、2017年に単独映画の監督を降板。アルコール依存症との闘いや『ジャスティス・リーグ』製作時の困難もあり、最終的にこの企画から離れることとなった。
マンガニエロがデスストローク役に起用されたのは2016年のこと。『ジャスティス・リーグ』(2017)のポストクレジットシーンでは、ジェシー・アイゼンバーグ演じるレックス・ルーサーと対面し、今後のDC映画で重要な役割を果たすことが示唆されていた。『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)にも登場したものの、デスストロークが本格的に活躍する映画は製作されなかった。
マンガニエロにとって、この役は特別な意味を持っていた。当時、原因の特定が難しい深刻な病に苦しんでいた俳優は、デスストローク役への抜擢が回復を目指す大きな原動力になったと明かしている。大作アクション映画に出演できる身体を取り戻すことが、苦しい闘病生活の支えとなっていたという。
アフレックの降板後、マンガニエロ主演によるデスストローク単独映画の企画も浮上した。『ザ・レイド』シリーズのギャレス・エヴァンスが監督候補となり、韓国ノワール映画に影響を受けたオリジン・ストーリーの構想も語られたが、こちらも製作には至らなかった。
一方、アフレックが離れた『ザ・バットマン』の企画は、マット・リーヴス監督、ロバート・パティンソン主演の『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)へと生まれ変わった。こちらはアフレック版とは異なる世界観の作品であり、ご存じのように今回マンガニエロが明かしたストーリーが映画化されたわけではない。
現在、DCスタジオではデスストロークとベインを主人公とする新たな映画企画が進められている。2026年5月には『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007)のグレッグ・モットーラが監督候補として浮上したと伝えられたが、マンガニエロの復帰は正式発表されていない。こちらはジェームズ・ガンとピーター・サフランが率いる新たなDCユニバースでの企画であり、アフレック版『バットマン』とは別の作品となる。
ゴードン本部長の殺害、アルフレッドの人質化、バットガールとの共闘、そしてゴッサム市街での宿命の対決。実現していれば、従来のバットマン映画とはひと味違う、主人公を精神的にも追い詰める犯罪スリラーとなっていたのかもしれない。
▼ デスストロークの記事
Source:Entertainment Weekly, Bloodlines: A Memoir(Simon & Schuster), Deadline




























