クエンティン・タランティーノ監督最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が、2019年8月30日（金）の日本公開に先がけること約3ヶ月、2019年5月21日（現地時間）に第72回カンヌ国際映画祭で世界初上映を迎えた。

タランティーノは1994年に『パルプ・フィクション』でカンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞し、2004年には審査員長を務めている。コンペティション部門への出品は『イングロリアス・バスターズ』（2009）以来10年ぶり3度目となり、25年ぶりのパルム・ドール受賞となるか大きな注目が集まっている。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』カンヌ映画祭

公式上映前のカーペットイベントには、タランティーノ監督のほか、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーらハリウッドの超スーパースターが集結。世界各国から集まった報道陣のフラッシュが飛び交った。

タランティーノ監督は、本作の初上映を控えて「本当に興奮してます！上映が待ちきれない」と興奮の様子を隠せない様子だったそう。いまだ謎に包まれた本編の内容について、タランティーノはわずかに語ってくれている。

「ハリウッドの変化を表している作品で、この映画ではハリウッドの黄金時代について語っています。主役たちはその中に入れず、外から見ているだけで、その変化を予期していなかった。そこに自分たちの居場所があるのか迷っているんです。」

スタントマンのクリフ・ブース役を演じるピットは、「タランティーノとの仕事はいつでも本当に光栄です。エネルギーに満ち、映画を愛している彼と映画を作れることは喜びなんです」と笑顔を見せた。「この映画は、映画そのものやハリウッド、ロサンゼルスに対するタランティーノからのラブレター。僕もロサンゼルスが大好きですよ」。

落ち目のテレビ俳優リック・ダルトン役のディカプリオは、タランティーノとの共同作業について「最高でしたよ、本当に特別な監督です」と絶賛する。「世界一素晴らしい脚本家であり映画監督だと思います。伝統的な映画作りをする最後の監督ですよ。今日ここにいられて本当に光栄です」。また、ディカプリオは本作のテーマや自身の役柄についてもこう述べた

「昔はこうしたタイプの映画がよくあったと思います。（本作は）最近あまり見ないハリウッドの話で、僕たちはアウトサイダーの役。変化する1969年のハリウッドで居場所を求めているんですが、業界にも世界にもスルーされている。ある俳優とスタントマンが、葛藤しながら、新しい世界で居場所を探していくことになります。」

なお、物語のキーパーソンであるシャロン・テート役のロビーは、本作でタランティーノ作品に初出演。「素晴らしかった！夢が叶いました。今まで経験したことのないようなセットで仕事ができましたよ」と語っている。

今回の公式上映では、レッドカーペットから到着したタランティーノ監督やキャストたちを観客たちが歓迎し、上映前から拍手が鳴りやまなかったという。さらに上映終了後には、約6分間にもおよぶスタンディングオベーションが行われ、ディカプリオとピットの眼には涙が光り、タランティーノが観客席で感謝の言葉を述べるという異例の事態となった。

ちなみにタランティーノは今回の初上映を前に、自筆の署名を添えてカンヌの観客に「ネタバレ禁止令」を発令。その全貌は映画館で、ご自身の目でしかと確かめてほしい。なお、本作は米国の大手批評サイトRotten Tomatoesにて90％フレッシュ、世界最大のオンラインデータベースIMDbでは☆9.8の高評価を獲得（2019年5月22日時点）。大絶賛を浴びてのロケットスタート、日本公開が待ちきれない…！

カンヌ映画祭 レッドカーペット ギャラリー

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は2019年8月30日（金）全国ロードショー。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公式サイト：http://www.onceinhollywood.jp/