今度の『バイオハザード』は笑えてコワい?監督はコメディ出身、『WEAPONS/ウェポンズ』でも魅せた「コワ面白い」テクニックを明かす【独自】
『バーバリアン』(2022)や『WEAPONS/ウェポンズ』(2025)で、強烈な恐怖の中に独特のユーモアを織り込んできたザック・クレッガー監督。新作映画『バイオハザード』でも、その持ち味は健在だ。もっとも、本人にとって重要なのは「ジョーク」を書くことではないという。
もともとコメディ畑でキャリアを築いてきたクレッガー監督は、『バイオハザード』でもホラーと笑いのバランスを重視したのか。筆者がインタビューで尋ねると、「はい、それは重要ですね」と認めたうえで、自身の考えるコメディについて次のように語った。
「僕の場合、コメディは不条理な状況に対して登場人物が本物らしく反応するところから生まれると思っています。
僕たちが避けようとしているのは、映画の中にジョークを入れることなんです。そうではなくて、彼の身に起きていることの異常さや、その状況に対する反応を見て、観客に笑ってもらいたい。」
クレッガー監督によれば、むしろ状況が恐ろしければ恐ろしいほど、笑いが生まれる余地も大きくなることがある。「あまりにも異様なことが起きているから」だ。
「そして彼(本作の主人公ブライアン)は、そんな異様な状況で、僕たちなら誰でもそうするだろうというような反応をする。それによって、僕たちも笑うことができるんです。」

クレッガーのユーモアは恐怖を中断するための“息抜き”として挿入されるものではなく、恐怖と同じ状況から生まれてくる。登場人物が極限状態に置かれながらも、あくまで普通の人間として反応することで、そのリアルさが時に可笑しさへと転じるのだ。
これは『WEAPONS/ウェポンズ』にも通じるクレッガー流の演出といえそうだ。監督自身、「彼が面白いセリフを言うから笑えるわけでもないし、僕がジョークを仕込んでいるわけでもありません」と強調する。
「むしろ脚本にジョークを書いてしまった場合、撮影前に削りたくなりますし、撮ったとしても編集で外したくなることが多いんです。観客には笑ってほしい。でも、それをジョークにはしたくないんですよね。」
主人公ブライアンを演じたオースティン・エイブラムスも、この方針は撮影現場で常に意識されていたと振り返る。ただし、ことさら“面白く演じる”必要はなかったという。ブライアンという人物自体が、異常事態にまるで似つかわしくない存在として書かれていたからだ。
「彼は自分が何をしているのか分かっていない。そもそも、こんな状況にいるはずの人間じゃないんですよね(笑)。
だから、例えば銃の扱い方が分からないとか、弾薬をどう入れればいいのか分からないとか、そういうところから自然とコメディが生まれてくる。そういう要素が最初からキャラクターや物語の設定に組み込まれていたのは、すごくありがたかったです。」

特殊部隊員でも警察官でもなく、ごく普通の配達人が悪夢のラクーンシティに放り込まれる『バイオハザード』。銃ひとつまともに扱えない主人公だからこそ、恐怖はより切実になり、その必死な振る舞いが同時に可笑しさを生む。クレッガー監督が目指したのは、ホラーとコメディを別々に配置するのではなく、ひとつの異常な状況から両方を立ち上げることだったようだ。
映画『バイオハザード』は2026年10月9日、日本公開。ザック・クレッガー監督と主演オースティン・エイブラムスへの単独インタビューはTHE RIVER公式YouTubeチャンネルで公開中だ。
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