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【インタビュー】『バイオハザード』恐怖と笑い、ノンストップの90分 ─ ザック・クレッガー監督&オースティン・エイブラムスに聞いた

バイオハザード

『バーバリアン』(2022)、『WEAPONS/ウェポンズ』(2025)で世界を震え上がらせたザック・クレッガー監督が、ゲーム史に名を刻むサバイバルホラー「バイオハザード」を新たに映画化した。

新作『バイオハザード』の主人公は、特殊部隊員でも警察官でもない、ごく普通の配達員ブライアン。<ある医療品>をラクーンシティへ届ける仕事を引き受けたことから、悪夢の一夜へと巻き込まれていく。物語は主人公の目線でリアルタイムに進行し、一度走り出せばほとんど止まることのない約90分のサバイバルが展開する。

メガホンを取ったクレッガーは、もともとコメディ畑でキャリアを築いてきた異色のホラー作家だ。『WEAPONS/ウェポンズ』でも見せた、恐怖と不条理なユーモアを同じ瞬間から立ち上げる独特の感覚は、本作にも色濃く息づいている。ただし本人いわく、観客を笑わせるために「ジョーク」を書いているわけではないという。

THE RIVERではクレッガー監督と、主人公ブライアンを演じたオースティン・エイブラムスにインタビュー。ゲームならではの感覚をいかに映画へ落とし込んだのか、なぜ既存キャラクターではなく新たな主人公を生み出したのか、恐怖と笑いを両立させる演出哲学、そして監督自身が“ホラー版『マッドマックス 怒りのデス・ロード』”という表現にも頷くノンストップの構成について、じっくりと話を聞いた。

「バイオハザード」でありながら、これまでの映画シリーズとは異なる道を選んだ新作。その狙いを、2人の言葉から紐解いていこう。

映画『バイオハザード』ザック・クレッガー監督&オースティン・エイブラムス 単独インタビュー

──本作、思っていた以上にユーモアがあって驚きました。お二人への質問です。ザック監督は『WEAPONS/ウェポンズ』でもホラーと不条理なユーモアを非常にうまく組み合わせていましたが、今回の映画でもそのバランスは重要でしたか?

ザック・クレッガー: はい、それは重要ですね。僕の場合、コメディは不条理な状況に対して、キャラクターが反応するところに生まれるものです。 

僕たちが避けようとしているのは、映画の中にジョークを入れることなんです。そうではなくて、彼の身に起きていることの異常さや、その状況に対する反応を見て、観客に笑ってもらいたい。

恐ろしい状況であればあるほど、むしろ笑いが生まれる余地が大きくなることもあります。あまりにも異様なことが起きているからです。そして彼は、そんな異様な状況で、僕たちなら誰でもそうするだろうというような反応をする。それによって、僕たちも笑うことができるんです。
彼が面白いセリフを言うから笑えるわけでもないし、僕がジョークを仕込んでいるわけでもありません。むしろ脚本にジョークを書いてしまった場合、撮影前に削りたくなりますし、撮ったとしても編集で外したくなることが多いんです。観客には笑ってほしい。でも、それをジョークにはしたくないんですよね。

バイオハザード

──オースティンは、その点を意識してキャラクターをどのように作っていきましたか?

オースティン・エイブラムス: そうですね。ザックが言ったように、撮影現場でもその加減を常に探りながらやっていました。でもありがたいことに、ザックが最初から、そういうことが自然にできるキャラクターを書いてくれていたんです。彼は自分が何をしているのか分かっていない。そもそも、こんな状況にいるはずの人間じゃないんですよね(笑)。

だから、例えば銃の扱い方が分からないとか、弾薬をどう入れればいいのか分からないとか、そういうところから自然とコメディが生まれてくる。そういう要素が最初からキャラクターや物語の設定に組み込まれていたのは、すごくありがたかったです。

バイオハザード

──ありがとうございます。映画にはラクーンシティが登場しますが、物語自体は完全なオリジナルですよね。少し意地悪な質問かもしれませんが、「それなら、なぜ『バイオハザード』である必要があるのか?」と思う人もいるかもしれません。そういう意見にはどう答えますか?

クレッガー: 映画を観てもらえれば、なぜこれが『バイオハザード』なのかは分かると思います。T-ウイルスが出てくるし、アンブレラ社も登場する。舞台はラクーンシティです。

でも、それ以上に、映画のトーンやテンポ、ずっと付きまとう恐怖感、そしてあるシークエンスから次のシークエンスへと移っていく感覚、それぞれのロケーションに独自の脅威があるところも含めて、すべてゲームのDNAから取り入れています。

バイオハザード

ゲームと同じように、武器も段階的に強くなっていきます。最初はハンドガンで、そこからショットガン、マシンガンへと進んでいく。それに、弾薬の残量を常に気にしなければいけないし、リソース管理も必要になる。そういう要素は、すべてゲームから直接持ってきています。

もしこの映画を『バイオハザード』以外のタイトルで公開したら、みんな「これは『バイオハザード』の映画版じゃないか!」と言うと思いますよ。だから、何よりもまず、これは間違いなく『バイオハザード』なんです。

バイオハザード

──なるほど。ありがとうございます。ゲームの『バイオハザード』には、ようやくセーフルームにたどり着いたときの、あの独特の安心感がありますよね。映画の中でも、そういった感覚を再現しようとしましたか?

ザック・クレッガー: 映画の中には、彼がようやく落ち着いて、ひと息つける瞬間が2、3回あります。そういう時間がないと、それ以外の場面のインパクトが十分に効いてこないと思うんです。だから、そういう瞬間は意識的に作っています。

今回お見せした映像に入っていたか分かりませんが、彼がある部屋に入ると、机の上にタイプライターが置いてある場面もあります。そこでちょっとだけ、「ここなら安全かもしれない」と感じられる瞬間があるんです。

──なるほど。最後の質問です。この映画について、「ホラー版『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のような作品」と表現されているのを耳にしました。それは適切な表現でしょうか?

ザック・クレッガー: そうですね(笑)。少なくとも、映画が始まって5分くらいするとアクセルを踏み込んで、そこから最後までほとんど止まらない、という意味ではそう言えると思います。
映画全体が、ひとつの巨大なシークエンスのような感じなんです。だから、その表現はアリだと思いますね。

──ありがとうございます。時間になりました。本日はありがとうございました。

ザック・クレッガー: ありがとう。
オースティン・エイブラムス: ありがとう。

バイオハザード

映画『バイオハザード』は2026年10月9日、日本公開。ザック・クレッガー監督と主演オースティン・エイブラムスへの単独インタビューはTHE RIVER公式YouTubeチャンネルで公開中だ。

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Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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