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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』クリストファー・ロイド、「未来は君たちで作り上げて」 ─ 「東京コミコン2023」登場、マイケル・J・フォックスは「宝だ」

東京コミコン2023 12月10日 クリストファー・ロイド 撮影写真

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのドクこと、クリストファー・ロイドが今年も東京コミコンにやってきた!「東京コミコン2023」最終日のセレブ・ステージに登場し、2年連続で元気な姿を見せてくれた。

舞台裏中央から登場したロイド。ファンに向けて笑顔で手を振り、ステージ中央の椅子にゆっくりと腰かけた。

東京コミコン2023 12月10日 クリストファー・ロイド 撮影写真

“バック・トゥ・トーキョー”してくれたロイドは、司会のLiLiCoから『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで印象的な思い出があったかどうかを訊かれると、「もちろん」と即答。1作目の撮影について回顧した。

「映画の公開前に、サンフランスシスコの近くで徹夜で撮影していました。誰だったか忘れてしまいましたけど、作曲家が私たちのところに来て、“これはすごい作品になるんですか?”と聞いてきました。私たちもその時は、ここまで良い作品になったり、人気が出たりするとは思っていませんでした。」

公開から35年以上が経った今でも、ドクというキャラクターは世界中で愛されている。MCがこれをロイドに伝えると、嬉しそうな様子で「彼についていつもすごいなと思うのは、アインシュタインのような科学者であることです」と魅力を語り始めた。

「人生における様々な大きな問題を探究し、とことん考えて飛び立っていく姿勢。彼はトイレの中で転んで、頭をぶつけた時に閃きましたよね。そこで彼はフラックスキャパシターを発明することを思いつく。アインシュタインも相対性理論の“E = mc2”を思いつきました。私にはそこまではできませんが、そういった科学の不思議な部分にドクも取り憑かれているんです。」

こう語るロイドは、映画が「大ヒットする」と確信する自分もいたことを明かす。「1作目も良い出だしで、そこからどんどん有名になっていって、2作目、3作目も作る助けになりました」。

東京コミコン2023 12月10日 クリストファー・ロイド 撮影写真

ここで「俳優としてのキャリアを長く続けるコツは?」という質問。ロイドは少し間を置いたあと「役になりきること、そのキャラクターがどんな存在なのかを理解しようとすることが私は大好きなんです」と語りだす。「心や動き、話し方、自分をどう表現するか。キャラクターの中に、自分が観客に伝えることができる“真実”を見つけようとするんです。そういったことを心掛けています」。ロイドが話し終えると、会場からは敬意の拍手が送られた。

ロイドといえば、『アダムス・ファミリー』シリーズのフェスターおじさん役でも知られるが、幼少期にはこんな思い出もあるという。「小さい頃、7、8、9歳頃だったかな。毎週発売されるマガジンがあって、その中にチャールズ・アダム(『アダムス・ファミリー』の原作者)の漫画があったんです。特にフェスターおじさんが好きでした。それから数十年後、エージェントから“映画を作るんだ”という電話がかかってきました。私は“フェスターを演じたい”と言いましたね。なんてチャンスだ、と思いました」。

ロイドは『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』公開直後の1990年代初頭、日本のCMにも出演し、お茶の間を賑わせた。ロイドは当時をこう振り返る。「この30年で日本には何回も来ました。最初はコマーシャルの仕事で来たかな。ローラーコースターに乗ったのですが、グルンと一回転するもので。最初はそこまで乗り気じゃなかったのですが、“仕事だ”と思って頑張りました。結局は良いお仕事になりましたけどね」。

東京コミコン2023 12月10日 クリストファー・ロイド 撮影写真

次の質問が「1985年の自分が2023年にタイムトラベルして、今の自分に会えたら何を話したいですか?」というもの。85年の人生で多くを経験してきたロイドは何を語るのか。

「世界では日々新しいストーリーが生まれます。環境問題だけでなく、地政学的な不安定さも世界的に見られます。専制政治と民主主義の対立は現代において大きな問題だと思います。誰もが懸念していることだと思いますし、神経質にもなっている。そういったことをうまく乗り越えられると良いな、と。1980年代には全世界的に切迫した問題がそこまでなかったように感じます。だから、そういうことを伝えると思います。」

東京コミコン2023 12月10日 クリストファー・ロイド 撮影写真

混沌としたことも多い現代だが、それでもロイドは前を向き続ける。会場のファンに向けても、こんなメッセージを贈ってくれた。

「多くのことにおいて、私たち一人ひとりが選択することができる。より良い世界を作るために、私も今よりもっと努力できると思う。もっと頑張れると思うんですよ。

会場には、未来を担う若者たちも大勢集まったが、ここでロイドは『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』に登場するドクの名ゼリフをMCから頼まれると、快く応えてくれた。「Your future is whatever you make it. So make it a good one.(未来は、君たちで作り上げるんだ。良いものにしてくれ)」。会場からは万来の拍手が鳴り響いた。

拍手が鳴り止むと、ロイドは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』脚本家のボブ・ゲイルや監督のロバート・ゼメキス、プロデューサー陣に対し、「公開から数十年が経った今、彼らの功績はとても大きなものです」と想いを伝えた。そして、スクリーンを共有した盟友への感謝も忘れない。

「何よりも、マイケル・J・フォックスには尊敬と感謝でいっぱいです。彼は人として素晴らしく、勇気があり、自分自身や妻へのユーモアもある。彼は宝です。

東京コミコン2023 12月10日 クリストファー・ロイド 撮影写真

ドクやフェスターおじさんだけでなく、これまで多くのアイコニックな役を演じてきたロイド。「“どの映画、ドラマが一番印象に残っているか”とよく訊かれる」というが、その作品としてデビュー作『カッコーの巣の上で』と演劇作品の『カスパー』を挙げた。「人生の道筋を変えてくれました」。

終わりが近づくと、MCから「また東京コミコンに来てくれますか?」との問いかけ。これにロイドは「もちろん、イェス!」と快諾。「これたら良いと思います。ここが好きなんです」と笑顔でファンとの再会を誓った。

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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