『アメイジング・スパイダーマン』幻のシニスター・シックス映画のビジュアルが公開

アンドリュー・ガーフィールド版『アメイジング・スパイダーマン』の世界で計画されながら実現しなかった、幻の『スパイダーマン』映画。その知られざるビジュアルが、10年以上の時を経て明らかになった。スパイダーマンとドクター・オクトパスの激突や、サベッジランドらしき秘境へ落下していく場面などを描いた未公開コンセプトアートが公開されている。
コンセプトアーティストのビクター・マルティネスが、自身のInstagramで「何年も前に作った、製作されなかった/タイトル未定の『スパイダーマン』映画」のアートを公開。その後も追加の設定画を披露している。
この投稿をInstagramで見る
まず目を引くのが、スパイダーマンが緑に覆われた大地へ落下していく一枚だ。眼下には鬱蒼としたジャングルが広がり、その周囲では攻撃が飛び交っている。この光景から連想されるのが、コミックスに登場する南極大陸に隠された未開のジャングル、サベッジランドである。
というのも、かつて『アメイジング・スパイダーマン』シリーズから派生する形で企画されていた『シニスター・シックス』では、まさにサベッジランドが舞台になる予定だったからだ。脚本・監督を予定していたドリュー・ゴダードは以前、その内容を「スパイダーマンとヴィランたちがサベッジランドに行き、スパイダーマンがティラノサウルスに乗ったりする話」だったと明かしている。
さらにゴダードは2026年、企画が撮影準備の「かなり深い段階」にまで進んでいたことを明かし、プロダクション・デザイナーにはマーティン・ウィストが起用されていたと語っていた。今回マルティネスが公開した最初の投稿でも、制作当時のスタッフとしてウィストの名前が挙げられている。そしてマルティネス自身、「ヴィランがたくさん出てくる楽しい作品になったはず。正確には6人!わかる人にはわかるよね」と意味深に説明している。
これらを踏まえれば、少なくとも今回のアートの一部が『シニスター・シックス』のために制作されたものだった可能性は高そうだ。ただし、マルティネス本人も次の追加投稿で「TASM? SIN 6?」と記しており、『アメイジング・スパイダーマン3』なのか『シニスター・シックス』なのかを明確にはしていない。当時の両企画がどこまで設定やシーンを共有していたのかも、現時点では不明だ。
この投稿をInstagramで見る
こちらのアートではドクター・オクトパスが見参だ。お披露目されたアートでは、普段着姿のスパイダーマンが建物内の天井でドクター・オクトパスと対峙。場所はニューヨーク公共図書館を思わせる空間で、巨大な触手を伸ばすドクター・オクトパスとの戦闘が構想されていたことがうかがえる。
『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)の終盤では、オズコープの格納庫にドクター・オクトパスのアームやヴァルチャーの翼などが並び、シニスター・シックス結成が露骨に予告されていた。そこで示唆されたドクター・オクトパスが、その先で実際にスパイダーマンと戦う予定だった可能性を今回のアートが初めて視覚的に伝えた形だ。もっとも、誰がドクター・オクトパスを演じる予定だったのかなど、具体的なキャスティングは判明していない。
当時の『アメイジング・スパイダーマン』ユニバースでは、第3作や第4作に加えて複数のスピンオフを展開する大規模な構想が進められていた。しかし、『アメイジング・スパイダーマン3』については脚本家として発表されていたアレックス・カーツマンが後年、「書いていない」と明かしている一方、『シニスター・シックス』は脚本完成からプリプロダクションまで進行。ゴダードによれば、こちらは2014年のソニー・ピクチャーズへの大規模ハッキング事件によって頓挫したという。
ゴダードが目指していたのは、本編シリーズの連続性から一度離れ、スパイダーマンを突拍子もない冒険へ放り込むコミックの「夏の特大号」のような映画だった。サベッジランド、恐竜、ヴィラン6人という規格外のアイデアを聞くだけでは想像するしかなかったが、今回のコンセプトアートによって、その異色作が実際にどのような画作りを目指していたのかが少しずつ見えた形だ。
なお、今回の設定画公開は『アメイジング・スパイダーマン3』復活を意味するものではない。ガーフィールド自身も2025年、「出ません。出ることはないと思います」と第3作の実現を否定している。
▼ 『アメイジング・スパイダーマン』の記事

『スパイダーマン』過去3作、NY街スイングシーンを「あえて避けていた」 ─ 『ブランド・ニュー・デイ』で原点回帰、ゲーム版からも影響 会見で語りました 
「スパイダー・ノワール」ニコラス・ケイジ、「アンドリュー・ガーフィールドが映画最高のスパイダーマン」と絶賛 「素晴らしい俳優です」 
MCU版『スパイダーマン』ベンおじさんの死はピーター・パーカーの責任ではないことが明らかに ─ 『シビル・ウォー』10周年で語られた過去設定 大いなる力には大いなる責任が伴う 
スパイダーマン『シニスター・シックス』映画、「イチかバチかのホームラン狙い」だった? ─ 目指したのはシリーズ番外編、6人のチームメンバーも示唆 メンバー変遷もあった模様 


スパイダーマン『シニスター・シックス』映画、ソニーのハッキング事件のため頓挫していた ─ 「悲しかったが、どうすることもできなかった」 そうだったのか……


























