稲垣 貴俊DC映画『ザ・フラッシュ』サイボーグ役の削除が正式決定 ─ ワーナーが本人に通知、レイ・フィッシャーは主張変えず
DC映画『ジャスティス・リーグ』（2017）でサイボーグ／ビクター・ストーン役を演じたレイ・フィッシャーが、『ザ・フラッシュ（原題：The Flash）』に登場しないことが正式に判明した。
2021年1月13日（米国時間）、フィッシャーは自身のTwitterにて「ワーナー・ブラザースから、『ザ・フラッシュ』の出演者から自分が除外されたという正式な通知を受け取りました。彼らの決定には強い異議を唱えますが、驚くものではありません」との声明を発表。『ザ・フラッシュ』におけるサイボーグの出番がカメオ出演よりも多かったことを明かし、「ビクター・ストーンを再演する機会を失ったことは悲しいですが、ウォルター・ハマダの行動を知らしめたことには大きな意義があったといずれ分かることでしょう」と記した。
フィッシャーが言及したウォルター・ハマダとは、『ジャスティス・リーグ』の公開後、DC映画の責任者に就任した人物。2020年7月、フィッシャーは『ジャスティス・リーグ』の再撮影・再編集を務めたジョス・ウェドン、プロデューサーのジェフ・ジョンズ＆ジョン・バーグの振る舞いが不適切だったと告発。ワーナーによる調査が実施された。しかし2020年12月、フィッシャーはハマダが調査を妨害したと主張し、「彼の関わる企画には一切参加しない」とコメント。これを受けて『ザ・フラッシュ』からサイボーグが削除されることが報じられたが、フィッシャーはこれを「事実に反する」と否定していた。
今回の声明文は、フィッシャーが『ザ・フラッシュ』に出演しないことを正式に認めたもの。このたびの文章でも、フィッシャーは「（ハマダが）友人のジェフ・ジョンズを守るため調査を妨害した」「自分自身を守るために、僕（フィッシャー）や調査に関する嘘や誤情報を広めた」として、「ハマダはリーダーにふさわしくない。自分の主張のため、僕はウソ発見器の検査も快く受ける」と記している。「僕がサイボーグを演じられなくなることが、ハマダの行動を知らしめ、責任を取らせることに繋がるのなら、そのコストは喜んで支払う」。
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— Ray Fisher (@ray8fisher) January 13, 2021
一方、ワーナー側もフィッシャーの主張に対して新たな声明を発表している。「昨年（2020年）夏、ミスター・フィッシャーには『ザ・フラッシュ』でサイボーグ役を再演する打診をしましたが、“ミスター・ハマダの関わる映画には参加しない”との声明を受け、我々は企画を前進させることにしました」。また、ジェフ・ジョンズが現在もワーナーとの仕事を続けていること、今後も「バットウーマン」「タイタンズ」などのプロデュースを務めることも正式に認められている。
ワーナー・ブラザースの会長兼CEOであるアン・サーノフ氏は、「私はウォルター・ハマダを信じていますし、彼は調査を妨害することも、調査に干渉することもしていません。また、調査のプロセスと結果には完全なる確信を持っています」とコメント。ハマダがリーダーとして周囲の尊敬を得ていること、人格者として認められていることを強調し、「彼によるDC映画の展開に期待していますし、DCマルチバースを構築すべく、ともに仕事ができることを楽しみにしています」と記した。
フィッシャーは『ザ・フラッシュ』に出演せず、おそらくは今後サイボーグ役を演じる可能性も極めて低いとみられる。現時点でサイボーグ役を演じた最後の作品は、『ジャスティス・リーグ』をザック・スナイダー監督の構想に基づいて再創作した「ザック・スナイダーズ・ジャスティス・リーグ（原題：Zack Snyder’s Justice League）」で、同作は2021年にHBO Maxにて米国配信予定だ。
Source: Variety
