Menu
(0)

Search

ビョルン・アンドレセン衝撃のドキュメンタリー『世界で一番美しい少年』予告編 ─ 『ベニスに死す』から50年、当時の熱狂を再訪

世界で一番美しい少年
© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督作『ベニスに死す』(1971)で主人公を破滅に導く少年タジオを演じたことで世界中に一大センセーションを巻き起こしたビョルン・アンドレセンの衝撃の真実を描いたドキュメンタリー『世界で一番美しい少年』より、日本版予告編が公開された。

日本版予告編の冒頭で映し出されるのは、ヴィスコンティ監督が行った“世界一の美少年、タジオ”を探すために行った大規模オーディションのひとコマ。集められた多くの少年の中からアンドレセンの姿を見つけたヴィスコンティ監督は、彼に歩み寄り、「美しい」と言葉をかける。アンドレセンの運命を変えた瞬間をカメラは捉えていたのだ。

『ベニスに死す』のカンヌ国際映画祭の華やかな狂騒やアンドレセン来日時のファン達の熱狂、日本で行った芸能活動の様子など、豊富なアーカイブ映像により1本の映画をめぐる歴史をも描き出していく。また、本作ではアンドレセン家が残してきたホームビデオや音源なども多く使用。『ベニスに死す』出演前に記録された、行動的でありながら音楽好きといった彼のごく普通の少年としての一面なども映し出される。さらには、『ミッドサマー』(2019)出演時のメイキング映像も。

『世界で一番美しい少年』
© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021
『世界で一番美しい少年』
© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

また、アンドレセンは熱狂の“あの頃”に身を置いた都市を再訪。当時の記憶をたどる言葉がノスタルジックな映像美とともに綴られていく。ビョルン・アンドレセンというひとりの人間の魅力と悲劇をめぐる旅。そして彼の知られざる人生そのものに光を当てていることが伝わる映像となっている。

世界で一番美しい少年
© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

語られなかったアンドレセン自身の物語を明かすことで再び歩き出そうとする彼に寄り添い、本作を5年をかけて製作したのは、クリスティーナ・リンドストロム監督とクリスティアン・ペトリ監督。2人は連名で、「私たちは単純な返事よりも興味深い問いかけを信じ、これは簡単な物語ではないことも理解しつつ、魅惑的なものとなっていることを心から願っています」とコメント。「そして、多くの層が重なった物語を伝えることで、ビョルン自身の複雑で深みのある人間性がさらに前に向かっていくことを信じているのです」と製作意図について語った。

さらに2人は、「私たちはこの映画で、あの少年が他人によって作られたイメージやアイコンとなり、青年期の人生を奪われた物語に耳を傾ける機会を観る者に伝えることが出来ればと願っています。2021年は『ベニスに死す』のワールド・プレミアで、ルキノ・ヴィスコンティがビョルン・アンドレセンを“世界で一番美しい少年”と高らかに宣言してから50年となる年です。その年に、あの少年が真の姿で帰ってきたのです」とも話している。

映画『世界で一番美しい少年』は、2021年12月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他全国順次公開。

Writer

アバター画像
THE RIVER編集部THE RIVER

THE RIVER編集部スタッフが選りすぐりの情報をお届けします。お問い合わせは info@theriver.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly