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『テルマ&ルイーズ』でスカッとロードトリップに出かけよう ─ 旅行気分が楽しめる映画を1日1本紹介

© MGM 写真:ゼータイメージ

新型コロナウイルスの影響で、外出も制限された日々が続いている。そんな時こそ、映画で擬似旅行体験を。THE RIVER編集部から、「異国への旅行気分が味わえるオススメ映画」を厳選して1日1本、4日連続でご紹介する。旅の気分を是非お楽しみ頂きたい。

2日目はSAWADYより、『テルマ&ルイーズ』(1991)をご紹介。

『テルマ&ルイーズ』

『テルマ&ルイーズ』(1991)は、『ブレード・ランナー』(1982)『オデッセイ』(2015)などを手がけた巨匠リドリー・スコット監督による女性2人の逃避行を描いたロードムービー。男性優位の風潮が浸透する90年代のアメリカ社会に対して女性2人が立ち向かう姿には、スカッとさせられるものがある。何より本作では、自宅隔離や外出自粛生活から生じる閉塞感や疲れに効くであろう広大なアメリカの絶景を存分に味わうことができる。2人のワイルドなヒロイン、テルマ&ルイーズと一緒に開放感溢れるロード・トリップを体感してほしい。

舞台は、アメリカ南部に位置するアーカンソー州の田舎町。親友同士の専業主婦テルマとウェイトレスのルイーズは、繰り返される日常から離れ、思い出づくりをしようと週末ドライブ旅行に出発する。女だけのドライブを優雅に楽しむ2人は、休憩がてら偶然見つけたダイナーへ寄ることに。お酒とダンスを楽しむ2人だが、ある時、酒に酔った男がテルマに襲いかかる。そこに駆けつけたルイーズは、咄嗟の行動で男を射殺してしまう。こうして楽しい旅行から一転、指名手配を受けた2人は車で荒野をひた走り、メキシコへの逃避行を繰り広げていくことに…。

本作における1番の注目ポイントは、テルマ&ルイーズのワイルドで大胆な姿だ。そもそも、亭主関白で時に暴力的な行動を取る夫から逃れようとテルマは旅に出るわけだが、その道中で酔った男に襲われるという何とも皮肉な旅の幕開けを迎えてしまう。しかし、これをきっかけに2人は、男性あるいは社会からの扱いに対する復讐を無意識にも決心し、本来求めていた自由を徐々に掴み取っていくのだ。そのワイルドさは更に加速していき、逃避行で金が尽きた2人は、真正面から食料品店に入って堂々と強盗を働いたり、執拗に尾行してくるトラックの運転手を銃で脅したり、さらには男性警官をパトカーのトランクに閉じ込めたり…。悪いことだと承知の上で、悪行を重ねる2人をなぜか応援したくなる、という感情移入の働きはなんとも不思議なことである。

そして、もう1つの見どころは、俳優として駆け出しの頃のブラッド・ピットだろう。本作は、まだ端役ばかりを演じていた新人のピットを一躍有名にした出世作でもあるのだ。傲慢な男性が多く登場する中、ピット演じるJ・Dは、素朴な一面も持つヒッチハイク青年として描かれている。夫に愛想を尽かしたテルマの女心をくすぐるピットの男性像は、多くの女性を虜にしたことだろう。こうして一時的ではあるが、J・Dを含めた3人の旅も始まっていく。ファンにとっては堪らないブラッド・ピットとのドライブタイムもお楽しみ頂けるだろう。

ずっと屋内にいると、自分の住む世界がどうしても小さく狭く感じてしまうこともある。しかし、広大な土地をただひたすら車で走る本作を観れば、閉塞的な感覚から開放され、気分もスッキリすること間違いなし。いつかコロナ禍が収束した暁には、外出自粛期間に溜まっていた疲れを吹き飛ばしにドライブへ出発だ。

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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