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『星の旅人たち』で旅の喜びを自宅で味わう ─ 旅行気分が楽しめる映画を1日1本紹介

星の旅人たち [DVD]

新型コロナウイルスの影響で、外出も制限された日々が続いている。そんな時こそ、映画で擬似旅行体験を。THE RIVER編集部から、「異国への旅行気分が味わえるオススメ映画」を厳選して1日1本、4日連続でご紹介する。旅の気分を是非お楽しみ頂きたい。

最終日は編集長 中谷直登より、『星の旅人たち』(2010)をご紹介。

『星の旅人たち』

旅行にも出かけられない今だからこそ、ロードムービーで心の旅を。『星の旅人たち』は、フランスからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路の踏破を目指す、素朴ながら味わい深い物語だ。(ちなみに、原題は“The Way”。邦題の“星の”が意味するところは、よく分からない。)

サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼はキリスト教の聖地を目指す有名なもので、年間およそ10万人がこのスペイン横断の旅に挑んでいるらしい。ルートはいくつかあるそうだが、一般的なルートはおよそ800km。これを1ヶ月前後かけて歩く。途中ではいくつかの山脈を越えながら、巡礼宿や協会、役場、バルなどに寄り、巡礼パスポートにスタンプを押していく。旅はどの地点から始めても良いが、最終地点のサンティアゴ・デ・コンポステーラで巡礼証明書をもらうには、徒歩で100km以上が条件となっている。

『星の旅人たち』の主人公は、『地獄の黙示録』(1979)ウィラード大尉役や、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのベンおじさん役でも知られるマーティン・シーン演じるカリフォルニアの眼科医トム・エイヴリー。映画は、息子のダニエルがこの巡礼に出た初日、嵐に巻き込まれ亡くなったとの知らせを受けるところから始まる。

フランスで遺骨を引き取ったトムは、息子の想いを果たすべく、“ふたり”でサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すと決意。遺品となった大きなバックパックをそのまま背負い、行く先々で息子の遺骨を撒きながら旅を進めていく。……と紹介すると、死がテーマのズシンと悲しい映画のように思われるかもしれないが、そんなに重たくはないので、構えずにいて欲しい。

トムは旅の道中、3人の巡礼者仲間と出会い、成り行きで共に行動するようになる。旅は道連れ、ってやつだ。おそらく日常生活の中で出会っていたら、絶対に友人になれなさそうなクセの強い3人。ところが旅とは不思議なもので、共に歩き続け、トラブルを乗り越え、夜は酒を飲み交わすうち、彼らの間には妙な絆が芽生えていく。そんな3人にも、それぞれに旅をする理由と物語がある。

絵葉書のような景色、異国情緒あふれる石畳の道や煉瓦造りの家々、平原と強い風。その土地でしか出えない人々との交流。その土地でしか味わえない食事。そして、その土地でしか吸うことのできない空気。『星の旅人たち』は、そんな旅の喜びを疑似体験させてくれる傑作ロードムービーだ。チーズかバケットでもつまみに、赤ワイン片手に愉しんで欲しい一本。私たちが次の旅行に出かけられるようになるまでは、この映画で異国を巡ろう。それでは、よい旅を。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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