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なぜ『モータルコンバット/ネクストラウンド』は前作主人公コール・ヤングが脇役に回ったのか? ─ 「アベンジャーズじゃないアベンジャーズが出ているようなもの」と脚本家

モータルコンバット/ネクストラウンド
©2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved

映画『モータルコンバット/ネクストラウンド』では、前作『モータルコンバット』(2021)で主人公を務めたコール・ヤングの扱いが大きく変化している。前作では観客の視点を担うオリジナルキャラクターとして物語を導いたコールだが、本作ではカール・アーバン演じるジョニー・ケイジが中心的な存在となり、物語の重心もゲームでおなじみのキャラクターたちへと移された。

なぜ、前作主人公は後退することになったのか。脚本を務めたジェレミー・スレイターが、その経緯を米Varietyに語っている。

この記事には、『モータルコンバット/ネクストラウンド』の内容に触れています。

前作『モータルコンバット』(2021)で物語の中心に置かれていたのが、ルイス・タン演じる映画オリジナルキャラクター、コール・ヤングだった。かつては総合格闘技の選手だったが、現在は地下格闘技のリングで日銭を稼ぐ日々。そんな彼は、ある時、胸に刻まれたドラゴンの痣をきっかけに、地球と魔界の命運をかけた戦いへと巻き込まれていく。

やがて明らかになるのは、コールが真田広之演じるハサシ・ハンゾウ、すなわちスコーピオンの血を引く末裔であるという事実だ。選ばれし戦士たちがそれぞれ固有の力“奥義”を覚醒させていくなか、コールはなかなかその力を引き出すことができない。しかし、家族を守るためにレイコ将軍と対峙した時、ついに衝撃を操るアーマーを生み出す力に覚醒。終盤ではハンゾウの血が付いたクナイを通じてスコーピオンを呼び戻し、サブ・ゼロとの戦いに決着をつけた。

モータルコンバット
『モータルコンバット』/ MORTAL KOMBAT, the DRAGON LOGO and all related characters and elements are trademarks of and (c) Warner Bros. Entertainment Inc. Mortal Kombat (c) 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

つまり前作のコールは、観客と同じ目線で『モータルコンバット』の世界に足を踏み入れ、ハサシの血筋として物語の核心に接続される“視点キャラクター”だった。ところが続編『モータルコンバット/ネクストラウンド』では、その立ち位置が大きく変化している。コールは物語の中心から退き、代わってカール・アーバン演じるジョニー・ケイジが主役級のキャラクターとして登場するのだ。

脚本家のスレイターによれば、コールの扱いを変える案は、複数の脚本家が集められたラウンドテーブルの場で先にアイデアが挙がっていた段階だったという。「その時は僕が書いていたわけではなかったので、他人事だったんです」とスレイターは振り返る。「ただ座ってアイデアを出しているだけなら、“あのキャラクターを殺せばいい”と言うのは簡単です」。

もっとも、スレイターはコール役のルイス・タンに対して強い敬意を示している。「彼は俳優として本当に素晴らしいし、人間としてもすばらしく、世界レベルの武術家です」としたうえで、問題は俳優本人ではなく、キャラクターの立ち位置にあったと説明した。

コール・ヤングは、ゲーム版には登場しない映画オリジナルのキャラクターだ。スレイターによれば、前作におけるコールの起用は、スタジオ側の意向によるものだったという。観客が物語に入り込むための“視点キャラクター”が必要とされていたのだ。

しかし、シリーズのファンにとっては事情が異なった。『モータルコンバット』には、長年愛されてきたキャラクターが数多く存在する。リュウ・カン、ソニア、ライデン、スコーピオン、サブ・ゼロ、そしてジョニー・ケイジ。ファンは30年以上にわたって、そうしたキャラクターたちの活躍をスクリーンで見たいと待ち望んできた。

スレイターは、ファンの反応をこう例えている。「『アベンジャーズ』映画にアイアンマンやキャプテン・アメリカがいるのに、そこにボブという人物がいて、“こいつはアベンジャーズじゃないだろう”と思われるようなものです」。

つまり、コールがスクリーンタイムを占めるほど、ファンが本当に見たいキャラクターたちの出番が減ってしまう。スレイターは、そこに不満が生まれることを理解していた。「ファンは30年待って、これらのキャラクターと時間を過ごしたいと思っている。そこに本来のキャラクターではない人物が時間を使っていると、反感が出てしまうんです」。

その結果、『ネクストラウンド』では、前作で不在だったジョニー・ケイジが本格参戦。カール・アーバンが演じるこの人気キャラクターが、物語の新たな中心人物として据えられることになった。ジョニーはゲーム版でもシリーズを代表するキャラクターのひとりであり、映画スターという設定も含めて、実写映画との相性は高い。前作であえて温存されていた存在が、続編で物語の顔となった形だ。

モータルコンバット/ネクストラウンド
©2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved

一方で、スレイターはコールの扱いについて完全な終止符を打ったわけではない。「『モータルコンバット』の世界では、死は決して永久的なものではありません」とスレイターは語る。「コール・ヤングを再び見ることはないかもしれませんが、だからといって、何らかの形でルイス・タンを再び見ることがないという意味ではありません」。

さらにスレイターは、本作におけるいくつかの“死”が、単なる退場ではなく今後の物語につながる可能性も示唆している。決断が難しかったキャラクターの死についても、「長期的な計画がある」とし、「それらの死の一部は、将来のストーリーを準備するために必要なものだった」と説明した。

前作では、ゲームファン以外の観客を物語へ導くために、コール・ヤングという新しい視点が用意された。しかし続編では、ファンが長年求めてきた“本来の『モータルコンバット』”へと舵が切られた。ジョニー・ケイジを中心に据えた構成は、その象徴といえるだろう。

『モータルコンバット/ネクストラウンド』は公開中。

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Source:Variety

Writer

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Joe Kishi

THE RIVER編集部。ハリウッド大作からインディー作品、アニメーションまで幅広くカバー。魂を揺さぶる瞬間に出会える記事を届けたい。

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