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『アントマン&ワスプ:クアントマニア』VFX過酷労働が告発される ─ 週80時間労働、デスク下で仮眠の日々「なぜ現場に予算が降りてこない」

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フォトグラメトリー(被写体を3DCG化する技術)担当としてベテランのテッド(仮名)のコメントは、少々麻痺しているかもしれない。『クアントマニア』の仕事環境は「特別劣悪だったり困難だったわけではなかった」としながら、「我々の仕事環境はしばしば理想的ではないので、『クアントマニア』もそうした延長線上にあっただけ」と寄せている。

VFXアーティストのコナー(仮名)は『ワカンダ・フォーエバー』と『クアントマニア』を並行して進めていたこと、および『ワカンダ・フォーエバー』の方が優先されていたことを認めている。『クアントマニア』の仕事はより少数のチームで、後回しにされていたとの証言だ。

コナーによるタレコミは、そもそもの撮影時における監督らの手腕を疑問視するものだ。「監督にも、こういうものが欲しいというアイデアがあったんでしょうけれど、彼は100%クリアにはなってなかった」というコナーの不満はこうだ。「どうして彼らは、正しい形で、あるいは彼らの思うように撮影しなかったのか?どうしてそれを我々がやり直したり、作り直したりを強いられるのか?どうして我々が役者たちの演技をフランケンシュタインの怪物のように切り貼りしなくてはいけないのか?」

コナーは「結局、他のアーティストのやった作業の大々的なやり直しをやることになった」と話している。「他のスタジオでは、普通こんなことは起こらないんですけどね」。

『クアントマニア』の制作チームは数ヶ月の間、週80時間の労働を余儀なくされた。帰宅する時間もないため、デスクの下で仮眠を取る日々だったという。コナーはこう話している。

「プロジェクトを同時多発的に進行させれば、その分リソースも薄くなる。そうするとクオリティが落ちてくる。すべてのVFX制作会社が最高のクオリティを提供することはできません。特に、低予算で行いたい場合は。」

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Source:Vulture

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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