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『マッドマックス 怒りのデス・ロード 口述記録集』邦訳版発売 ─ 血と汗と鉄にまみれた常軌を逸する舞台裏をあぶり出す

あの狂作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はいかにして完成したのか?総勢130名の〝証言〟によって炙りだされる衝撃の製作の裏側を綴った書籍『マッドマックス 怒りのデス・ロード 口述記録集 血と汗と鉄にまみれた完成までのデス・ロード』が、2023年3月22日より竹書房から発売される。

本書は、全米で2022年2月に刊行されたカイル・ブキャナン著「Blood, Sweat & Chrome: The Wild and True Story of Mad Max: Fury Road」の翻訳版。2015年に公開されアカデミー賞10部門ノミネート(6部門受賞)したジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の20年に渡る製作過程をスタッフ・キャストほか総勢130名の〝証言〟によって綴った「口述記録集」だ。

数度にわたり製作は立ち往生、主演のトム・ハーディとシャーリーズ・セロンは過酷な環境のナミブ砂漠でたびたび衝突し、ミラーのスタッフが繰りだす命知らずのアクションシーンは危険極まりない撮影となった。製作にゴーを出したものの、ワーナー・ブラザースの幹部たちにはミラーのヴィジョンが掴みきれず、一時は製作中止の瀬戸際までに追い込まれた。ハリウッドの名だたる業界人ですら、彼らのやり遂げたことにとまどいを隠せずにいる。そのひとり、スティーヴン・ソダーバーグ監督いわく「なぜいまでも撮影中じゃないのか、何百人も死者が出ていないのか、わけがわからない」。

著者のカイル・ブキャナンは、スタッフ&キャストへの取材によって、映画製作のあらゆるステップを克明かつ臨場感たっぷりに体験させてくれる。『怒りのデス・ロード』の意外な起源から、奇抜なキャスティングの過程、世紀の傑作を危うく骨抜きにしかけた大手スタジオとのバトル──。だがブキャナンが最も奥深く切りこんでいくのは、撮影の舞台裏に隠れる驚くべき真実だ。そこでは常軌を逸するあまり、映画の空想世界がキャストとスタッフの実生活を浸食しはじめる。

自分自身の《荒野(ウェイストランド)》で闘い、ぎりぎりで持ちこたえながら前進するには唯一、監督の《マッドな》ヴィジョンを信じる以外に道はない。とはいえ、すべてが裏目に出るような状況で、ミラーはいかにして己のヴィジョンを貫きとおしたのか?製作の裏側に起こった出来事が当事者たちの発言から浮かび上がってくる。

この映画に出演したことがどれほど大きな意味を持つか、
とても言葉にはできない。
もうもとには戻れないほど、ぼくは変わった
──トム・ハーディ

間違いなく、これまででいちばんたいへんな仕事だった。
撮影で負った〝体が覚えている〟レベルのトラウマを、
いまだにぬぐいきれないほどね。
──シャーリーズ・セロン

これは、自己保存についての物語だ。
相手を殺すことがきみに利するならばそうすべきで、
ためらう余地はない。そんな情緒が、俳優たちに影響したんだと思う。
──ジョージ・ミラー

現場ははっきりいって、カオス状態だった。
──ニコラス・ホルト

撮影終了間際になって、どれほど深くうさぎ穴を落ちたのか、
みんなやっと実感したんじゃないかな。
──ゾーイ・クラヴィッツ

だけど撮影で味わったつらい体験も演技に生かせたはずよ。
現場が大混乱だったことが、あれほどすばらしい映画になった理由だから。
──アビー・リー

なぜいまでも撮影中じゃないのか、  何百人も死者が出ていないのか、わけがわからない
──スティーヴン・ソダーバーグ

『マッドマックス 怒りのデス・ロード 口述記録集 血と汗と鉄にまみれた完成までのデス・ロード』は2023年3月22日発売。3,000円(税込3,300円)。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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