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『DIGGER/ディガー』監督「あなたも私もいつか死ぬ、でも映画は残る」「この映画は残る」【独自】

DIGGER/ディガー
(C) 2026 WBEI and Legendary

「映画は残ります。あなたも私もいつか死ぬ。でも映画は残る」。トム・クルーズ主演の最新作『DIGGER/ディガー』をめぐる賛否両論について、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が筆者の単独インタビューで思いを語った。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)『レヴェナント:蘇えりし者』(2015)などで知られるイニャリトゥ監督が、トム・クルーズと初タッグを組んだ『DIGGER/ディガー』。クルーズが演じるのは、自らの欲深い行動によって地球滅亡の危機を招き、その事態を収拾するため世界を救おうとする傲慢な大富豪だ。ブラックユーモアを交えながら、権力や人間の愚かさを風刺する異色作となっている。

本作は米国公開前から批評家の評価が真っ二つに割れた。配給のワーナー・ブラザースも賛否両論を逆手に取り、「自分で決めろ」と呼びかける異例のプロモーションを展開。10月2日の米公開後も賛否が入り乱れ、初週末の興行成績も厳しいスタートとなった。一方、その大胆な作風やクルーズの演技を称賛する声も上がっている。

そんな米公開初週末を終えたばかりのタイミングで、イニャリトゥ監督が来日。初週末の反応をどう受け止めているか尋ねると、監督は落ち着いた口調で、作品への自信を語った。

「この映画には本当に、本当に満足しています。これ以上ないほど誇りに思っています。私だけでなく、この映画を作った全員がそうだと思います。私自身がこれまで手がけてきた作品の中でも、最高峰にある一本だと思っています。」

作品を受け取った観客たちの反応も、監督は好意的に捉えている。「本当に正しく作品を受け止めてくれていて、とても情熱的に反応してくれている」とした上で、「この映画は残っていくと思います。時間に耐える作品になる。だから、とても幸せですよ」と穏やかな笑顔で語った。

もともとイニャリトゥ監督は、批評家の間で評価が分かれることも少なくない映画作家だ。アカデミー賞作品賞に輝いた『バードマン』では、辛辣な批評家を物語に登場させ、皮肉っている。では、キャリアを重ねた現在、監督にとって映画批評とはどのような存在なのだろうか?

「映画というものは、人によってまったく異なる意味を持つものだと心から思っています」と監督。「『DIGGER/ディガー』でも、ソーシャルメディアでは非常に興味深い議論が起きています。ある人は『傑作だ』と言い、ある人は『完全な失敗作だ』と言う。同じ一本の映画なのに、そこには2つの現実が存在するわけです」。

その状況は、まさしく『DIGGER/ディガー』という映画が描いている現代社会の姿とも重なる。「それが今、私たちが生きている世界です。人は、自分が見たいものを見る。あるいは、自分に見ることのできるものを見る」と監督は続けた。

もっとも、イニャリトゥ監督自身は、世間の評価や興行成績に振り回されるつもりはないようだ。

「私は人生で一度も、公開初週末の興行収入のために映画を作ったことはありません。そんなことを考えたこともない。それから批評家や、いわゆる“良識”や“趣味”の門番たちが何を言うかも考えたことはありません。どうでもいいんです。」

批評家たちに反発を示すというよりも、そもそも映画を作る上での判断基準にしていない、ということなのだろう。監督は終始穏やかな様子で、映画の価値を決めるものについて、こう語った。

「最終的に重要なのは、人々と時間だけです。映画は残ります。あなたも私もいつか死ぬ。でも映画は残る。それだけが、本当に重要なことです。」

「映画が何らかの会話を引き起こすのであれば、それでいい。当然ながら、すべての人のための映画なんて存在しません。この映画は残ると思っています。そして時間を経た先にあるものこそが、本当の評価になる。それが私にはすごく面白いんです。」

興味深いことに、主演のトム・クルーズも別のインタビューで、「公開週末のことを考えて映画を作ったことはない」と発言している。映画が公開直後にどう評価されるかより、長い年月をかけて人々にどう受け止められていくか。監督と主演俳優は、その点でも信念を共有しているようだ。

「この映画を作れたことを、これ以上ないほど誇りに思っています。お金が、アーティストが映画を作るうえでの尺度になってはいけない。レビューも尺度になってはいけない。私たちは、自分が作る必要があると信じるものを作るべきなんです。」

映画『DIGGER/ディガー』は全国公開中。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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