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『ディスクロージャー・デイ』は『未知との遭遇』と対をなす映画だ ─ 50年後に問う「真実とは何か」、脚本家が分析

ディスクロージャー・デイ
© Universal Studios. All Rights Reserved.

スティーブン・スピルバーグ監督の最新作『ディスクロージャー・デイ』は、SF映画の金字塔『未知との遭遇』(1977)と「対をなす作品」だという。『ジュラシック・パーク』(1993)や『宇宙戦争』(2005)などでスピルバーグと組んできた脚本家デヴィッド・コープが、THE RIVERの単独インタビューで語った。

『ディスクロージャー・デイ』は、地球外生命体をめぐって政府が隠してきた重大な真実と、それを全世界に“開示”しようとする者たちを描くSFスリラー。『宇宙戦争』を執筆したコープは、「彼らは人類を殺そうとはしていませんから」とトーンが明確に異なることを強調しつつ、『未知との遭遇』とは共通点が多いことを認めた。

「もちろん続編ではありませんし、登場人物もまったく重なっていません。けれど、ある種の対をなす作品といって過言ではないでしょう。同じアイデアを扱いつつ、舞台は現代で、アクション映画的な要素も強くなっていますから。」

1977年の『未知との遭遇』と、2026年の『ディスクロージャー・デイ』。コープの言う“同じアイデア”を、これらの2作はどのように描き分けたのか。そこには、「真実」をめぐる時代感覚の変化があるという。

「『未知との遭遇』は1977年、ウォーターゲート事件やベトナム戦争の余波のなか、人々が『政府は嘘をついているんじゃないか?』と口にするようになり、シニカルな世界観が芽生え始めた時期に生まれました。

あれから50年経った今、私たちは政府が嘘をついているかどうかを疑うことさえしません。政府が毎日、あらゆる事柄について嘘をついていることを知っているからです。」

未知との遭遇
『未知との遭遇』より (c) 1977, renewed 2005, c 1980, 1998 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

コープは「政府だけでなく、社会は嘘であふれています」と言い添える。「ソーシャルメディア、AI、ディープフェイク──嘘以外の何ものでもありません」と。すなわち、情報そのものの信頼性が揺らぐ現在、投げかけるべき問いはさらに先へ進んだということだ。

「次に取るべき姿勢は、『真実とは何か、どうすれば真実を知ることができるのか?』ということ。それこそ、本作が伝えていることだと私は思います。『あなたの考えはすべて間違いだった』ではなく、『あなたの考えはすべて正しかった。これがその証拠です』と語ろうとしているのです。」

スピルバーグ自身も、『未知との遭遇』では「すべて本当だったら?」と考えていたが、本作では「すべて真実だと皆が知ることができたら」という発想へ変化したことを認めている。2017年、米国防総省によるUAP(未確認異常現象)調査計画が報じられたことで題材への関心が再燃し、さらに2023年、米下院監視委員会がUAPと政府の透明性をめぐる公聴会を開催したことが製作のきっかけになったそうだ。

ちなみに、コープが『ディスクロージャー・デイ』の参考にしたのは、シドニー・ポラック監督『コンドル』(1975)をはじめとする70年代の陰謀スリラー。スピルバーグも、ただ「誤情報」を扱う映画ではなく、権力者が真実と虚構の境界を曖昧にできる時代に「真実を明らかにすることの難しさ」を描いた作品だと述べている。

映画『ディスクロージャー・デイ』は2026年10月1日(木)全国公開。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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