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『カフェ・ソサエティ』の舞台はどんな時代?ハリウッド黄金時代、1930〜40年代の名作映画3選

2017年5月5日についに日本公開された、ウディ・アレン監督作品『カフェ・ソサエティ』

©2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
©2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

今回の舞台は1930年代のアメリカ、ハリウッドとニューヨークという2つの華やかな都市だ。 明日の成功を夢見て全米から人々が集まる街、ハリウッド。ニューヨーク生まれのユダヤ人青年ボビーもその1人。そこで出会った美しい女性ヴェロニカとの恋、やがて出会うもうひとりのヴェロニカ…。儚くも美しい夢と恋を描いた物語である。


この1930年代は、”ハリウッド黄金時代”と呼ばれた時代だった。なぜ黄金時代なのか、またその時にどのような作品が生まれたのか。今回は『カフェ・ソサエティ』の舞台、ハリウッド黄金時代と言われる1930〜40年代について、詳しく見てみよう。

なぜ”黄金時代”と言われるのか?

1900年代前半は、映像技術が発展するとともに大手の企業同士がその技術の特許争いに躍起になっていた。大手映画会社が形成した、”モーション・ピクチャー・パテンツ・カンパニー(通称MPPC)”は自分たちが利益を得るために高圧的で、映画人たちは自由に映画を作ることができなかったという。そのMPPCに背を向け、映画を愛する人々は新たな地で映画を制作しはじめた。それがハリウッドのはじまりなのだ。

当時のハリウッドは土地も安く、また天候も好条件なため低コストで映画を撮ることができた。 こうしてハリウッドが発展し、MPPCが終わりを迎えたのは1918年のこと。それからワーナー・ブラザーズやユニバーサルといった会社が次々と大作を生み出すようになる。これが”ハリウッド黄金時代”のはじまりだ。

1920年代までの作品は無声映画、いわゆるサイレント映画だった。そのころに活躍した映画人といえばご存知喜劇王、チャールズ・チャップリン。しかし技術の発展は瞬く間に進み、1927年に初めて音声が付けられた、いわゆるトーキー映画が登場する。

世界で最初のトーキー映画は『ジャズ・シンガー』。その冒頭のセリフがかの有名な「お楽しみはこれからだ」という言葉なのだ。まさにそれからの映画界にぴったりな言葉である。 大恐慌にも負けず、夢に溢れた人々が次々と作品を生み出し続ける。『カフェ・ソサエティ』の舞台はそんな時代だったのだ。

不朽の名作ぞろい!1930〜40年代の映画たち

ハリウッド黄金時代に生み出された映画は、80年以上経った今でも愛され続ける名作ばかりだ。

『市民ケーン』

「お前ら、『市民ケーン』って聞いたことあるか?俺たちの『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー:リミックス』の方がすごいぜ。」と、クリス・プラットに勝手に引き合いに出された映画が1941年公開の映画『市民ケーン』だ。クリス・プラットはものすごい事を言っているが、この『市民ケーン』は公開から70年以上たった今でも”至上最高の映画”と言われている作品なのである。

『市民ケーン』は新聞王ケーンが”バラのつぼみ”という言葉を遺して死亡するところからはじまる。主人公のジャーナリストがその言葉の意味を解き明かすべく、ケーンの過去や周りの人々の話を聞いてまわり彼の人生を探っていく…という物語だ。

この『市民ケーン』の監督、脚本、主演は同一人物である。彼の名前はオーソン・ウェルズ。モノクロ映画ながらはっきりと分かる光と影の使い分けや秀逸なカメラワークは、ぴたりとはまったパズルのように精巧で無駄がなく、驚かされてしまう。そしてケーンという莫大な富を築いた新聞王の、虚ろで孤独な物語は1度観たら忘れられないものになるだろう。

『風と共に去りぬ』

「明日は明日の風が吹く」。『風と共に去りぬ』の主人公、スカーレット・オハラの台詞である。1939年に公開された本作は当時にしては珍しい全編カラー。アカデミー賞を9部門受賞するなど、 歴史に名を刻む名作なのだ。 舞台はアメリカ、南北戦争の時代。南部に住む女性、スカーレット・オハラが激動の時代をたくましく生き抜いていく姿を描いた物語である。

『十戒』や『アラビアのロレンス』にしても、ひと昔前の映画はとにかく長い。この『風と共に去りぬ』もなんと4時間近い長編映画だ。
スカーレットは、女性ならば同じクラスにいたら絶対友達になれなさそうな、男性からみても少々近づきがたい、とんでもなく気が強い女性である。冒頭から気に入らない女の悪口を言いまくったり、好きな男をとられた腹いせに他の男性と結婚したりと、彼女の言動には驚かされてしまう。

しかし4時間彼女の人生を追っているうちに、最後にはたまらなくスカーレットに魅せられている自分に気づくのだ。「明日は明日の風が吹く。」最後まで観ればこの言葉にはますます勇気づけられ、そして心に深く刻みこまれるだろう。長い映画だが、まだ未見という方はこの機会にぜひ手にとって頂きたい作品だ。

『犯罪王リコ』

クライム映画の金字塔、現代のギャング映画のルーツといえば間違いなくこの映画ではないだろうか。1931年に公開された映画『犯罪王リコ』。主人公はイタリア系アメリカ人の男2人だ。かたや暗黒街のボスへの道を、かたやダンサーとしての道を…幼馴染でありながら正反対の道をゆく2人と、彼らに関わる女性の奇妙な三角関係を描いた作品である。

トーキー映画が世に出始めたばかりの作品であるが、今観ても色褪せることのない秀逸なカメラワークや、登場人物たちの心情や行く末を示しているかのような構図。人で溢れるにぎやかな宴会のシーンと対比する静かなシーンは、ぞっとするほど緊迫感に満ちていて見事にひきこまれてしまう。 恐ろしくも魅力的に描かれ続ける、裏社会で生きるギャングの男たち。その先駆けである『犯罪王リコ』、観た後にはなんとも言えない切なさが残る作品だ。

1930〜40年代、ハリウッドという土地が最も栄え、映画人たちが夢を追って集ったこの時代。『カフェ・ソサエティ』でこの時代に魅せられた人は、ぜひこれらの映画をチェックしてみてはいかがだろうか?色褪せない物語とともに、先人たちの映画に対する愛をたっぷりと感じることができるはずだ。

『カフェ・ソサエティ』 
2017年5月5日(金・祝) TOHOシネマズみゆき座ほか全国公開
http://movie-cafesociety.com

©2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

Writer

Moeka Kotaki
Moeka Kotaki

フリーライター(1995生まれ/マグル)

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