「Disney+」ロキ、バッキー&ファルコンらのドラマは「マーベル・ワンショット」の精神を継承 ─ ケヴィン・ファイギ社長が明かす

マーベル・スタジオは『アベンジャーズ/エンドゲーム』を経て、さらなるストーリーテリングの可能性に挑んでいく。ディズニーの映像配信サービス「Disney+」で、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画作品から派生する単独ドラマを配信するのだ。
その代表として発表されているのが、「ロキ(邦題未定、原題:Loki)」、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー(邦題未定、原題:The Falcon and The Winter Soldier)」、スカーレット・ウィッチ&ヴィジョンを描く「ワンダヴィジョン(邦題未定、原題:WandaVision)」。これらの作品は、かつて発表された短編映画シリーズ「マーベル・ワンショット」の精神性を継承するという。
マーベル・ワンショットからDisney+へ
「マーベル・ワンショット」とは、マーベル・スタジオが2011~2014年に製作した短編作品の総称で、『相談役』(2011)『ハンマー墜落現場へ向かう途中での出来事』(2011)『アイテム47』(2012)『エージェント・カーター』(2013)『王は俺だ』(2014)の5本が製作され、それぞれMCU作品のブルーレイに収録された。主役を担ったのは、フィル・コールソンやペギー・カーター、マンダリン/トレバー・スラッテリーといった、当時まだ掘り下げられていなかったサブキャラクターたちだ。
マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、米大手掲示板サイト「Reddit」の一問一答企画「Ask Me Anything」にて、ファンからの「『ワンショット』の復活は検討されていますか? MCUを充実させ、脇役にも光を当てる素晴らしい方法でした」との声に「私もまったく同意見です」と応じている。
「『ワンショット』で何よりも良かったのは、(主要人物ではない)その他のキャラクターをきちんと描けたこと。Disney+のシリーズにはものすごく興奮していますよ。みなさんがご存知の、愛されているキャラクターを登場させ、それと同じことを大きなスケールで実現できるんですから。」

これまでマーベル・ワンショットについては、スパイダーマン役のトム・ホランドや『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)脚本家のエリック・ピアソン氏が復活の可能性を示唆。マーベル・スタジオ幹部のルイス・デスポジート氏も「ディズニーはやりたがってるし、僕たちもやりたい」としながら、スケジュールの都合で実現が見送られていることを認めていた。Disney+における単独ドラマの製作は、当時と同じコンセプトを拡張するにはうってつけの機会だったのだろう。
一方でケヴィン社長は、Disney+のドラマ作品が「現在・過去・未来のMCUへ完全に織り込まれる」こと、それぞれの物語が「(登場人物が)次に映画に出てくる際に反映される」ことを認めている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』を踏まえた内容ともいわれているだけに、各作品はマーベル・ワンショットの精神性を継承しつつ、さらに野心的な試みとして構想されているはずだ。
ちなみに、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」には『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)のエージェント13やヘルムート・ジモが登場すると報じられた。出演者は契約交渉中だというが、既存の登場人物を組み合わせ、ストーリーとキャラクターに新たな化学反応を起こすアプローチも確かにマーベル・ワンショットに通じるところがあるだろう。
ディズニーの新映像配信サービス「Disney+」は米国にて2019年11月12日にサービス開始。マーベル・スタジオによる各ドラマシリーズの配信時期は発表されていない(2019年5月20日時点)。
Sources: Reddit, Comicbook.com