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「シー・ハルク:ザ・アトーニー」第1話の内容、本来は第8話の予定だった ─ 撮影後に繰り上げ決定、構成変更の大仕事

シー・ハルク:ザ・アトーニー
(c) 2022 Marvel

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」の第1話『普通レベルの怒り』が、2022年8月18日(木)に配信開始となった。なんとこのエピソード、内容のほとんどが本来は第8話に予定されていたものだという。脚本・製作総指揮のジェシカ・ガオが明かした。

この記事には、「シー・ハルク:ザ・アトーニー」第1話『普通レベルの怒り』の軽微なネタバレが含まれています。

シー・ハルク:ザ・アトーニー
(c) 2022 Marvel

シー・ハルクのオリジン、本来は第8話の予定だった

「シー・ハルク:ザ・アトーニー」の第1話『普通レベルの怒り』では、主人公のジェニファー・ウォルターズがいかにしてハルクの能力を手に入れ、現在の姿になったかがハイテンポで描かれる。ハルク/ブルース・バナーとのコミカルなやり取りも大きな見どころだったが、この“シー・ハルクのオリジン・ストーリー”はもともと第8話の予定だったようだ。

Varietyにて、ガオは「エピソードの順序が(当初から)少し変わりました。ポストプロダクションでいろいろと変更を加えたんです」と語っている。

「第1話でご覧いただく内容のほとんどは、実際は第8話になる予定でした。彼女のオリジン・ストーリーをきちんと描くのをシーズンの一番最後に回していたんです。(変更は)いくつかの理由があって決断したことですが、結局のところ、その情報は早いうちに知りたいだろうと。オリジンを知らないまま、このキャラクターを知ってもらうのは難しいと思ったんです。」

本作は全9話構成のため、当初のプランでは、ジェニファーがシー・ハルクの能力を扱えるようになるまでの経緯を伏せたまま物語が進んでいたことになる。第8話でようやく彼女のオリジンが判明し、いよいよ最終話に突入する構成だったのだ。それを第1話に繰り上げた以上、シリーズ構成は大幅に変更されているとみられる。わざわざ第8話までオリジンを描かない計画だった以上、当初は“なぜジェニファーはこうなったのか?”が大きな謎となっていたはずだからだ。

2022年3月ごろ、米国メディアでは「『シー・ハルク』に問題が起きているらしい」との噂が報じられていた。当時の噂とエピソード順の変更に実際の関連があったかどうかはわからないが、いずれにせよ構成のレベルで変更が生じたことは事実。オリジンの回想に入る直前、ジェニファーが「楽しい法廷ドラマに集中するために…」と口にする場面は再撮影の時点で撮り直されたものだろうし、この台詞は製作陣の本音だったのだろう。

またオリジン部分では、ジェニファーとブルースがそれぞれシー・ハルクとハルクに変身している時間が長い。したがって、VFXチームも急遽予定を繰り上げて作業を進めることになったようだ。ガオも「繰り上げで混乱した方々がいたことは知っています」と証言。「VFXのアーティストたちは、普通に考えて不可能な仕事をしなくてはいけませんでした。とんでもない大仕事です、ただでさえ時間が足りなかったのに」と述べた(昨今、MCUにおけるVFXチームの劣悪な労働環境が問題視されているだけに、これはいささか気になるコメントと言うほかない)。

この構成変更がシリーズ全体にどんな影響を与えたのかは──この事実を踏まえて作品を見ていけば──きっと後から想像できることだろう。ポストプロダクションでの大工事を経て、ここから物語はどう転がってゆくのか?

ドラマ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」はディズニープラスにて独占配信中。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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