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記憶に残る映画は「セリフが良い」ではなく「映像が力強い」? ─ ヴィルヌーヴ監督「対話シーンが嫌い」

デューン 砂の惑星PART2
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あなたには、特に印象に残っている映画があるだろうか?良い映画だった、好きな映画だ、心に残る作品だ、と思えるものが。

いま、その作品を思い浮かべた時、あなたの記憶は何によって形成されているだろうか?その映画の映像?音楽?それともセリフ?

映画の記憶とは、得てして映像や音楽なのであり、「良いセリフ」によって記憶に残ることはないというのが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の持論である。『ボーダーライン』(2015)、『メッセージ』(2016)、『ブレードランナー2049』(2017)に『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)と、彼のフィルモグラフィを見れば、なるほど確かにそのイメージが一発で想起できるような、鮮烈なビジュアル・センスの持ち主だ。

「正直言って、対話シーンは嫌いなんです」。ヴィルヌーヴはThe Times of Londonで実直な思いを話している。曰く、対話シーンとは「演劇やテレビのためのもの」なのだと。

僕は、良いセリフがあったからという理由で映画を記憶しません。力強い映像がある映画を記憶します。対話シーンにはさっぱり興味がありません。純然たる映像と音、それこそが映画の力ですよ。最近の映画を観てもわかりにくいですが。」

ヴィルヌーヴ監督の理想は、一切のセリフが登場しない魅力的な作品を、実験映画らしくない形で作ることだという。「観客が劇場を出てから“待てよ、セリフが無かったぞ?”と気づくような、しかし欠けている感じもしないようなものです」。

最新作『デューン 砂の惑星PART2』でも、ビジュアルやサウンドといった劇場体験に全てが注ぎ込まれているのだろう。その圧巻の映像によって、長く記憶に残る素晴らしい作品となっていることに期待したい。

『デューン 砂の惑星PART2』は2024年3月15日公開。

Source:The Times of London

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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