『プロジェクト・ヘイル・メアリー』原作者、今の『スター・ウォーズ』の問題を語る ─ 「戦争終わってまた戦争」「銀河内戦の人々を描くべき」

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『火星の人』などで知られる人気SF作家アンディ・ウィアーが、『スター・ウォーズ』シリーズに感じる物語上の問題点を指摘した。壮大な戦争に勝利しても、また次の大戦争が始まってしまうことに、物足りなさを感じているという。
米SlashFilmより、自身が『スター・ウォーズ』シリーズを手がけるならどうするかと問われたウィアー。「『スター・ウォーズ』は大きな激動を描く物語です」と切り出し、次のように語った。
「問題のひとつは、途方もなく大きな戦争を描くのなら、戦いが終わって善人たちが勝利したときには、その状態が続いてほしいということです。だから、また新たな大戦争に突入してしまうと、非常に満足感に欠けるんです」
思い起こされるのは、『スター・ウォーズ』旧3部作と続3部作の関係だ。『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』(1983)で反乱同盟軍は銀河帝国に勝利したものの、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)では新たな脅威としてファースト・オーダーが台頭。レジスタンスとの戦いが再び始まった。ウィアーは特定の作品名を挙げて批判したわけではないが、その指摘は続3部作の物語構造にも当てはまる。
では、どのような『スター・ウォーズ』映画を作るべきなのか。ウィアーは、自身のアイデアを次のように明かした。
「僕の考えでは、新しい『スター・ウォーズ』映画を作る最善の方法は、銀河内戦の時代を生きた別の人々の物語を描くことだと思います。もちろん、僕はジョージ・ルーカスではありませんし、ひどいアイデアかもしれませんけどね」
ルーク・スカイウォーカーやレイア・オーガナ、ハン・ソロは銀河の歴史を大きく動かした人物たちだが、ウィアーはその同じ時代を生きた別の人々にも、語るべき物語があると考えている。例として挙げたのは、現実世界の第二次世界大戦だ。
「こう考えてみてください。僕たちは第二次世界大戦で何が起きたか知っていますよね。でも、第二次世界大戦中を舞台にした優れたフィクションはたくさんあります。銀河内戦についても、『これが確立された正史で、こういう出来事が起きたんだ』と考えればいい。それでも、その戦争を生きた別の人々について、まだたくさんの物語を語れるはずです。僕ならそうしますね」
その方向性は、『スター・ウォーズ/新たなる希望』(1977)の直前を描いた『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)や、そこに至るまでの反乱軍の活動を全2シーズンにわたって描いたドラマ「キャシアン・アンドー」にも通じる。
実際、ウィアーも「キャシアン・アンドー」を絶賛している。ただし、同作のような物語を劇場映画で描くには、別のアプローチが必要だという。
「『キャシアン・アンドー』は本当に素晴らしかった。シリーズ作品だったわけですが、それは正しい選択だったと思います。映画を作るなら、2時間ほどで物語全体を語らなくてはいけません。『キャシアン・アンドー』は非常に知的で、極めて巧妙で、脚本も並外れて優れていました。とにかく、すべてが好きでした。でも、あれを映画にすることはできないんです」
ウィアーが提案するのは、既存の歴史を塗り替えたり、銀河の運命を左右する新たな大戦争を描いたりするのではなく、すでに確立された歴史の中に、まだ語られていない物語を見出すことだ。
実際、『スター・ウォーズ』では『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)や、ウィアードが挙げた「キャシアン・アンドー」のように、旧3部作で描かれた銀河内戦を別の視点から掘り下げる作品が生まれている。銀河帝国と反乱同盟軍の戦いは、その結末も含めてすでに確立された歴史だ。しかし、その歴史を動かした英雄たちだけでなく、帝国の支配下で暮らした一般市民や、名もなき反乱軍兵士、帝国軍に所属する人々にも、それぞれの戦争があったはずだ。ウィアーの提案は、新たな脅威を登場させなくとも、『スター・ウォーズ』の世界にはまだ多くの物語が残されているというものだ。
『スター・ウォーズ』では現在、ライアン・ゴズリング主演の新作映画『スター・ウォーズ/スターファイター』が2027年5月28日の日米同時公開に向けて準備されている。こちらは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)から約5年後を舞台とする独立作品。ウィアーの提案とは異なるが、シリーズの時間軸をさらに先へ進めながら、まだ知られていない戦士の戦いを描く最新作となる。
▼ 『スター・ウォーズ』の記事

『スター・ウォーズ/スターファイター』製作費、『フォースの覚醒』超える 気合い入ってます 
「『スター・ウォーズ』ではそうはいかない」ユアン・マクレガー、『ビッグ・フィッシュ』アナログ撮影で本物ライオンにハラハラ? 「グリーンスクリーンには頼りませんでした」 
「残念なお知らせです」タイカ・ワイティティ版『スター・ウォーズ』企画凍結 ─ 発表から6年、実現せず 6年も進めていたのに 
ベン・アフレック、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』監督オファーを断っていた ─ 「自分は撮るべき人間ではないと思った」 13年越しで本人が初めて語る 
『スター・ウォーズ EP1』アナキン役、EP2ボバ役と登場 ─ 「僕たちはスター・ウォーズに出たことで、この先の人生ずっと誹謗中傷に晒され続ける」 「優しい言葉をありがとう」
Source:SlashFilm




























