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マンダロリアン&グローグーは『スター・ウォーズ』の「中心」になれるか? 降板脚本家が語った新作難航の核心

スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー
(C)2025 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ』は大きな転換期にある。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)から7年ぶりの新作映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が公開される今、本当に問われているのは、「『スター・ウォーズ』の中心とはなにか」ということだ──。

こう語るのは、『スカイウォーカーの夜明け』の続編として発表された『スター・ウォーズ/ニュー・ジェダイ・オーダー(仮題)』に携わっていた脚本家デイモン・リンデロフだ。「LOST」(2004-2010)や「ウォッチメン」(2019)を手がけたリンデロフは、企画が発表される以前の2022年ごろ、ジャスティン・ブリット=ギブソンとともに本作の脚本開発に携わっていた。

ポッドキャスト「The Ringer-Verse」に登場したリンデロフは、ルーカスフィルムが自らの「『スター・ウォーズ』はこうあるべき」というアイデアを評価したことが雇用につながったと語った。「2年後、僕は解雇されました。少なくともその意味では、僕は間違っていたのでしょう」。

『ニュー・ジェダイ・オーダー』は前作から15年後を舞台に、レイ(デイジー・リドリー)を再び主役に迎え、新時代のジェダイを描く物語だといわれている。リンデロフは当時の構想をこう語った。

「僕たちが試みていたのは、懐古の力と、刷新の力、その両方が互いに対立しているなか、つまり『スター・ウォーズ』の内側でプロテスタント宗教改革をやることでした。けれども、それはうまくいかなかった。ある意味では、いいとこ取りをしようとしていたわけです。ファンダムが実際にしている会話を、観客に目配せすることなく映画の中でやる。それは必ずしもリスクの高いことだとは感じていませんでした。」

具体的な内容には踏み込まれていないが、おそらくリンデロフらが目指したのは、ジェダイやフォース、血統といった“神話”をいかに残し、いかに解体して新たなものを作り出すかということだったのだろう。

リンデロフは、ルーカスフィルムが「この前提は気に入っていた」と話す。ところが、実際に着手すると「脚本を書くのが本当に難しかった」とも。

「とにかく進みが遅かったんです。トーン、正しさ、カノンでの位置づけ、エピソード9(『スカイウォーカーの夜明け』)との関係。そして、これは新たな3部作の始まりとなるのか。ありとあらゆる問題があり、あまりにも壮大で、巨大なのです。タンカーと同じようなもので、たとえ舵を切っても、少し方向が変わるまでには5分かかる、というような……。」

だからこそ、今の『スター・ウォーズ』に必要なのは「中心」だと強調する。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)が公開された時点では、「誰もがその中心を理解していた」とリンデロフは語る。

「それはレイであり、フィンであり、ポーでした。そこにルークやレイア、ハン、チューイたちが戻ってくる。そして、新しい3部作が終わったときには、これらの新しいキャラクターが『スター・ウォーズ』の中心になるのだろうと僕たちは思っていました」

しかし、その後『スター・ウォーズ』の新作映画は難航し、かわりにドラマシリーズで新たな方向性が模索されつづけた。そして実現した『マンダロリアン・アンド・グローグー』は、「マンダロリアン」(2019-)の主人公ふたりがスクリーンに初登場する物語だ。

「新たな問いは、マンドーとグローグーが『スター・ウォーズ』の中心なのかということ」だとリンデロフはいう。すなわち、ふたりは『スター・ウォーズ』なる巨大な神話の、新たな担い手になれるのか──。その答えは、おそらくこれからファンや批評家、そしてほかならぬルーカスフィルムが出すことになる。

映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』は、2026年5月22日(金)日米同時公開。

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Source: The Ringer-Verse

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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