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【ネタバレ】「ベター・コール・ソウル」最終回エンディング解説 ─ 脚本・監督と出演者が語る

ベター・コール・ソウル
Better Call Saul Season 3 Episode 302

この記事には、「ベター・コール・ソウル」シーズン6のネタバレが含まれています。

ベター・コール・ソウル
Better Call Saul

「ベター・コール・ソウル」ラストシーン解説

シリーズの最終話では、ジーンとして生きる現在のソウル/ジミーがとうとう捕まり、過去の罪を認めて懲役86年の刑で刑務所へ。かつての妻でありソウルメイトでもあったキムが服役中のジミーを訪ね、面会室で彼にタバコを差し出す。ここでジミー&キムが壁に寄りかかりタバコを分け合うシーンは、初回エピソードで2人が一服するシーンの再現だ。

最終話の脚本・監督を務めたグールドいわく、ジミー&キムは「意図的にやっている」という。「これは我々が以前見たことがあるものです。2人の間には今も何かがある──いつだって常にそうだった、というサインなんです」。ソウル/ジミー役のオデンカークは、「今までで1番撮りやすいシーンだった」と話し、このシーンがいかに重要なものだったかを説明する。

「6年間一緒に仕事をしてきて、色々な思いが詰まっています。このシーンは、どちらかがその瞬間を操ろうとしたり、議論をある方向に進めようとしたりしない、数少ない場面のひとつです。2人が一緒に映画を観て、リラックスしながら快適に過ごす場面がありますが、今回はその時よりも深いものでした。二人は一緒にいるべき人間で、長く付き合うのに最適な関係なんです。」

キム役のシーホーンは、この場面の2人を「彼らにとって最高の瞬間」と表現し、長年演じてきた彼女ならではの視点で解説した。「2人は策略や鎧を必要とせず、お互いに仮面をかぶっていない。これが彼らの関係のベストな部分です。ボブ(演じるジミー)はとても優しくて、彼女の手をしっかり安定させる。少し笑わせようとしたり、大丈夫だと分からせようとする。とても理にかなったシーンです」。

これまで本シリーズでは「ブレイキング・バッド」後のタイムラインをモノクロで撮影していたが、タバコのシーンではほのかに色彩が見える。キムがライターをつけると、火とタバコがほんのり色づくのだ。グールドは視聴者が演技に集中できるよう「炎とタバコの色はとても控え目にした」と明かし、「これは、彼(ジミー)の世界におけるほんの少しの色であり、キムとの関係であり、彼女がありのままの彼を見てくれる唯一の人であることを示しています」とその意味を説明した。

ちなみに第12話でも、マリオン(キャロル・バーネット)がソウルのCMを発見した後、その映像がジーンのメガネにカラーで映る。これはシーズン1第1話(ジーンが昔のCMを観ているシーン)への回帰であり、タバコのシーンとは違って“ソウル時代の自分”へのノスタルジアを表すものだったという。

物語は最終的に2人が離れた場所にいる状態で幕を閉じるが、当初はこのタバコのシーンで締めくくるアイディアもあったことが明かされている。すべてが始まった第1話の名シーンの再現と、モノクロ世界に現れたほんの少しの色に込められた深い意味を、改めてじっくりと噛みしめたい。

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Source: Variety

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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