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『ワイルド・スピード』シリーズは「ニュアンスを失った」とミア役、最終作では原点回帰を目指す

iDominick, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons

『ワイルド・スピード』シリーズのミア・トレット役で知られるジョーダナ・ブリュースターが、完結編とされる最新作『Fast Forever(原題)』に向け、自身が望むミアの姿、そしてシリーズのトーンについて語った。米Varietyの取材で明かしている。

2001年に公開された第1作『ワイルド・スピード』は、いまや世界的アクション大作へと成長したシリーズの原点だ。国際規模のミッションを繰り広げ、ついには宇宙へも到達した“ファミリー”の物語は、しかし最初はロサンゼルスのストリートを駆ける若者たちの、小さく熱いドラマから始まっていた。

ブリュースターはミア役として、25年にわたりシリーズに参加。これまで7作品に出演しており、11作目にして完結編と報じられている『Fast Forever』にも復帰が見込まれている。そんなブリュースターが最新作に望んでいるのは、ミアが再び物語を“動かす”存在になることだ。

「最後の作品では、第1作に立ち返ってほしいです」とブリュースターは語る。「ミアは少しずつ、どんどん受け身になっていきました。周囲で起きていることに反応するのではなく、自分の物語を動かしてほしい。主体性、それが私の一番の願いです」。

ブリュースターが例に挙げたのは、シリーズ第5作『ワイルド・スピード MEGA MAX』(2011)でのミアだ。同作でミアは妊娠しているが、アクションから退く存在ではなかった。仲間たちの次の一手を導き、リオの街で金庫を引きずる作戦にも関わっていく。

「彼女は、みんなが次に何をすべきかを考える手助けをして、建物から飛び降りて、リオの街で金庫を引っ張る男たちを導いていました。文字通りアクションの一部であって、ただ立って見ているだけではなかったんです。」

一方でブリュースターは、ミアの“ストリートの外側”の人生も見てみたいという。ミアはブライアン・オコナーとの間に子どもを持つ母でもある。ブリュースターは、男の子を育てることの難しさに触れつつ、「今の“ジェントル・ペアレンティング”の中で、ミアがどう向き合うのか見てみたい」とコメント。「ミアが子どもたち相手に我を忘れるところも見てみたいです。ティーンエイジャーと向き合う、飾らない母親として」と語っている。

ブリュースターの願いは、現在示されている『Fast Forever』の方向性とも重なる。主演・プロデューサーのヴィン・ディーゼルは以前、完結編について、ロサンゼルスに戻り、「すべてが始まったあのストリート」に立ち返ることの重要性を語っていた。既報によれば、本作はシリーズ初期に描かれたLAのストリートレース文化へ回帰する方向で進められており、脚本には『グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション』(2025)などのマイケル・レスリーが参加している。

さらにブリュースターは、アクション表現についても“原点回帰”を望んでいる。シリーズのスケールが大きくなるにつれ、VFX主導の場面が増えたことで「ニュアンスを失った」とし、第1作のような実践的な撮影への思い入れを明かした。

ブリュースターにとって忘れがたいのは、故ポール・ウォーカーとの実車を使った撮影だという。「彼を信頼できました。彼は運転が大好きで、車に夢中でした。どうすればかっこよく見えるかを知っていたんです。もっと実践的に撮るのは楽しかった。アドレナリンを想像で作り出す必要がありませんから」。

グリーンスクリーンの前で演じることには、「どこか不自然さがある」とも話す。「山はこっちだ!みたいな感じで、ちょっとズルをしているようでもある」と表現し、実際の車内で撮影するからこそ生まれる精度や緊張感、クルーが車から身を乗り出して一緒に撮影する一体感を振り返った。

実際、『ワイルド・スピード』第1作は、後年のシリーズとはかなり趣が異なる。巨大犯罪組織や国家規模の危機ではなく、舞台はロサンゼルスのストリート。主人公ブライアン・オコナーは潜入捜査官としてドミニク・トレット率いるレーサー集団に接近し、やがて彼らとの間に友情と家族のような絆を築いていく。

カーアクション映画でありながら、作品の中心にあるのはブライアンとドム、そしてミアの関係性だった。ブリュースターの言う通り、それぞれのキャラクターに確かな居場所があり、“ファミリー”というシリーズの核は、この時点ですでに形づくられていたのだ。

原点回帰を目指す『Fast Forever(原題)』は2028年3月17日に米国公開予定。監督は『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(2023)のルイ・レテリエが続投する。シリーズはこのほか、実写ドラマ企画も進行中だ。

Source:Variety

Writer

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有馬 ノア

洋画好きが高じて、海外エンタメを中心に執筆。ロサンゼルス在住経験を活かし、映画・ドラマのニュースやカルチャーにまつわる話題を追いかけています。趣味は古着と映画ポスター集め。

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