『ビッグ・フィッシュ』巨大ナマズはCGではなかった ─ ティム・バートンこだわりのパペット撮影、その舞台裏

ティム・バートン監督による感動の名作ファンタジー『ビッグ・フィッシュ』(2003)が、2026年10月23日(金)〜10月29日(木)の1週間限定で、ヒューマントラストシネマ渋谷にてリバイバル上映を果たす。THE RIVERの独自企画「REVIVAL by THE RIVER」第3弾だ。奇想天外なホラ話を語り続ける父親と、その真実を知ろうとする息子の、心を動かす物語を劇場で堪能できる。
タイトルの『ビッグ・フィッシュ』には、原作者ダニエル・ウォレスの父が口にしていた「小さな池の大きな魚(big fish in a little pond)」という言い回しが影響している。英語には、釣り人が逃した魚の大きさを大げさに語ることに由来する“fish story”(ホラ話)という表現もある。父エドワード(アルバート・フィニー)は、息子のウィル(ビリー・クラダップ)が幼い頃から、事あるごとにホラ話を聞かせ、それが父子の距離を縮めも、遠ざけもしてきた。
作品の冒頭、若き日のエドワード(ユアン・マクレガー)は結婚指輪を餌にして巨大なナマズを釣り上げようとし、ついには羽交い絞めにするように捕らえる。飲み込まれた指輪を取り返したエドワードは、ナマズを川へと逃がす。物語の終盤にも登場するこのナマズは、もちろん本物ではなく、撮影には実際に製作されたパペットが使われた。
この巨大ナマズを製作したのは、特殊メイク、彫刻、クリーチャー・デザインを行うアーティストのジョーイ・オロスコ。オロスコは「ティムがナマズのひげをカールさせたがっていたのを覚えています。あれはまさに『ティム・バートン』らしいタッチでした」と製作過程を振り返っている。
また、メイクアップ・視覚効果アーティストのシェイン・マハンいわく、魚のデザインは、実在する魚をモデルにしたわけではないとのこと。バートンから「記憶の中の大きな魚」のような姿にしたいとリクエストを受け、実在の魚よりデフォルメされ、さらに美しいものにする必要があったのだとか。「実際に500ポンド(約227キログラム)もあるナマズは怪物のような醜悪な形をした生き物ですが、ティムはこれを美しく、ファンタジーらしい魚にしたかったんです」とバートンのこだわりぶりを明かした。
完成した魚のパペットは、ケーブルでエラ、尾、口の動きを制御できるようになっており、平底船に乗ったパペット操作のスタッフたちが動かした。マハンを含むクルーたちは、このパペットをアラバマ州の川まで運搬。魚を水中で動かすために、川に敷設されたレールにパペットを取り付けた。
マハンは「長さ5フィート(約1.5メートル)もあるこの重いパペットを、本物の川に敷設されたレールに取り付けるのは非常に困難でした」と撮影時の苦労について言及している。
「ティムは朝7時に撮影したいと言っていました。その時間にビリー・クラダップが現場に来て、川の中に立っている予定だったからです。つまり私たちは午前3時頃には現場に到着し、セットアップを済ませて、7時までに万全の準備を整えておかなければならなかったんです。」
このほかも、『ビッグ・フィッシュ』には実際の花を使った花畑のシーンや、ブルースクリーンに頼らない撮影など、バートンの職人気質が表れている。クルーと議論する様子からも、巨大ナマズの表現に込めたこだわりがうかがえる。そんな細部へのこだわりが、私たち観客を夢の世界に誘ってくれるのだろう。
上映概要

企画名:REVIVAL by THE RIVER vol.3
上映作品:『ビッグ・フィッシュ』(2003)
上映期間:2026年10月23日(金)〜10月29日(木)
全日 18:10より上映
上映劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)
チケット料金:1,600円(各種割引サービスはご利用いただけません)
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Source: STAN WINSTON, Midland Reporter-Telegram, YouTube


























