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『ビッグ・フィッシュ』感動のラスト、当初はまったく違う展開だった ─ 「あれは登場人物の旅の終わりだが、映画体験の終わりではない」

ビッグ・フィッシュ
© 2003 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ティム・バートン監督による感動の名作ファンタジー『ビッグ・フィッシュ』(2003)が、2026年10月23日(金)〜10月29日(木)の1週間限定で、ヒューマントラストシネマ渋谷にてリバイバル上映を果たす。THE RIVERの独自企画「REVIVAL by THE RIVER」第3弾だ。奇想天外なホラ話を語り続ける父親と、その真実を知ろうとする息子の、心動く物語を劇場で堪能できる。

父と息子の和解を描いた感動的なクライマックスは、当初、まったく違う展開が予定されていたという。脚本を手がけたジョン・オーガストが、物語の結末を大きく変えた製作秘話を明かしている。

この記事には、『ビッグ・フィッシュ』のネタバレが含まれています。

『クレイフェイス』アート制作取材

米Filmmaker Magazineの2025年12月のインタビューで語ったもの。本作の終盤、父エドワード(アルバート・フィニー)は病床で息子ウィル(ビリー・クラダップ)に、自分の人生がどのように幕を閉じるのかを尋ねる。ウィルは、かつて父が語っていた荒唐無稽なホラ話を引き継ぐように、父の最期を即興の物語として語り聞かせる。ふたりの長年の確執が解消される、作品屈指の名場面だ。

ところが、オーガストが最初に書いた脚本では、ウィルが父の最期を語る相手はエドワード本人ではなく、葬儀に集まった参列者たちだったという。

変更のきっかけを作ったのは、プロデューサーのダン・ジンクスとブルース・コーエンだった。オーガストは当初、プロデューサーが決まっていない段階で原作小説をソニー・ピクチャーズに持ち込み、映画化のために原作の権利を取得してもらった。しかし、書き上げた脚本に対してスタジオ側は、規模の小さな物語のわりに製作費がかかりすぎると難色を示していたという。

そこでオーガストは、当時『アメリカン・ビューティー』(1999)でアカデミー賞作品賞を受賞したばかりだったジンクスとコーエンに協力を求め、脚本の改稿に着手。その過程で、ふたりから決定的な提案を受けた。

「ウィルがエドワードについて語るのではなく、エドワード本人にその物語を語ったらどうなるだろう?」

この提案を受け、オーガストは大幅な書き直しに取り組んだ。「大変な作業でしたが、もちろん試してみよう、きっと素晴らしくなると思いました」と振り返る。

変更によって、ウィルは父の死後に物語を披露するのではなく、死にゆく父を前にして、その最期を自ら語らなければならなくなった。オーガストによれば、これがウィルに切迫した状況と重大な試練をもたらしたのだという。

さらに、この改稿は葬儀シーンにも新たな役割を与えた。完成版では、父の葬儀にウィルが聞かされてきた数々のホラ話の登場人物たちが姿を現す。現実離れした物語の数々が、実在する人々をもとにしていたことが明らかになる場面だ。

オーガストは、父の最期を語る役割を葬儀から切り離したことで、葬儀の場面を「物語の締めくくり」と「ウィルが聞いてきた話は実在の人々に基づいていた、という驚き」に集中させることができたと説明。ふたつの場面がそれぞれの役割を担うことで、結末がより明快になったという。

では、父と息子の和解が成立した時点で映画を終えることはできなかったのだろうか。インタビューでそう尋ねられたオーガストは、明確に否定している。

「あれは登場人物の旅の終わりですが、映画を観るという体験の終わりではないんです」

オーガストは『スター・ウォーズ』(1977)のラストでレイア姫が英雄たちに勲章を授ける場面を例に挙げ、観客にも物語を受け止める時間が必要だと説明。だからこそ『ビッグ・フィッシュ』にも、葬儀の場面が必要だったと語る。

オーガストは、自身が共同司会を務める脚本家向けポッドキャスト「Scriptnotes」でも、本作の結末について詳しく解説している。エドワードを川へ運ぶ場面をクライマックス、その後の葬儀を経て、ウィルが自分の息子に祖父の物語を語り継ぐ最後の場面を、真のエピローグと位置づけた。そこには、父の物語が次の世代へ受け継がれていくことを示す意味があるという。

『ビッグ・フィッシュ』は2026年10月23日(金)〜10月29日(木)、ヒューマントラストシネマ渋谷にて1週間限定でリバイバル上映される。THE RIVERの独自企画「REVIVAL by THE RIVER」第3弾として、各日18時10分より上映予定だ。

ビッグ・フィッシュ
© 2003 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

企画名:REVIVAL by THE RIVER vol.3

上映作品:『ビッグ・フィッシュ』(2003)

上映期間:2026年10月23日(金)〜10月29日(木)
全日 18:10より上映

上映劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)

チケット発売:
オンライン販売

10月16日(金) 18:00~ 会員先行販売 / 21:00~ 一般販売

窓口販売
10月17日(土) 朝オープン時~
※オンライン販売で残席があった場合のみ

チケット料金:1,600円(各種割引サービスはご利用いただけません)

Source:Filmmaker Magazine, John August

Writer

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Joe Kishi

THE RIVER編集部。ハリウッド大作からインディー作品、アニメーションまで幅広くカバー。魂を揺さぶる瞬間に出会える記事を届けたい。

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