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『クレイフェイス』にジョーカーの小ネタあり ─ ティム・バートン『バットマン』アイテムを再使用、『カリートの道』オマージュも

クレイフェイス
© DC Studios. All Rights Reserved.

DCスタジオの映画『クレイフェイス』には、ティム・バートン監督の『バットマン』(1989)でジャック・ニコルソン演じるジョーカーが実際に使用した小道具が登場している。本作の舞台となるゴッサム・シティの秘密に迫る特別映像が公開され、こだわり抜かれた美術や、随所に隠されたイースターエッグの数々が紹介されている。

『クレイフェイス』は、バットマンの宿敵として知られる怪人の誕生を描く本格心理スリラー。若きスター俳優マット・ヘーゲン(トム・リス・ハリス)が、ある事件によって顔とキャリアを失い、禁断の治療に手を伸ばした末に恐ろしい変貌を遂げていく。

劇中で使用されたのは、『バットマン』(1989)でジョーカーが所有していたコーヒーテーブルと、ジョーカーになる前のジャック・ネイピアが整形手術を受けた際に座っていた理髪店風の椅子。いずれも当時の映画で使われた本物のヴィンテージ小道具だ。

『クレイフェイス』アート制作取材

ジェームズ・ワトキンス監督は、米The Hollywood Reporterのインタビューで、これらの小道具が撮影現場に持ち込まれた際の反応を明かしている。

「現場ではみんな大興奮でしたよ。誰もが『うわ、これ見て!』と盛り上がっていました。」

さらにワトキンス監督によれば、本作にはブライアン・デ・パルマ監督の『カリートの道』(1993)へのオマージュも盛り込まれているという。ナイトクラブでのある場面は、同作でアル・パチーノ演じるカリートがテーブルに呼び戻される場面を意識したもので、衣装にも共通点を持たせているそうだ。

一方、同インタビューでは、ゴッサムの屋上にバットマンの小さなシルエットを忍ばせるアイデアについても質問が飛んだ。監督は「それをやらなかったことが、今ちょっと悔しいですね。ものすごく引いた画の背景になら、入れられたかもしれません。たぶん誰も気づかなかったでしょうけど」と回答。しかし、バットマンをもっとはっきり登場させることには否定的だった。

「これはマット・ヘーゲンの物語ですから」と監督。ほかのキャラクターを無理に登場させれば、ファンサービスを狙いすぎた不自然な演出になってしまうと考えたという。なお、DCスタジオ共同会長兼CEOのピーター・サフランは、本作の物語が展開する裏でバットマンもゴッサムのどこかで活動していることを明言している。

そんな本作のゴッサム・シティは、徹底したリアリズムを追求して作り上げられた。主なロケ地となったのは、歴史的な建築物が数多く残るイギリスのリバプール。プロダクションデザインを手がけたのは、『哀れなるものたち』(2024)でアカデミー賞美術賞を受賞したジェームズ・プライスだ。

CGの使用を最小限に抑え、リバプールの街そのものを巨大なオープンセットとして活用。街を流れるマージー川と、その両岸に存在する地域格差を、ゴッサムの富裕層エリアとマットの故郷である貧困地区を隔てる「階級の壁」になぞらえたという。川の対岸に見える豊かな街並みが、成功を掴みながらも転落していくマットの悲劇を視覚的に浮かび上がらせる仕掛けだ。

ワトキンス監督はDC公式サイトでも、1930年代のドイツ表現主義映画を参考に、巨大な建物が人間を圧倒する都市景観を目指したと説明している。ゴミが回収されず、腐敗が蔓延する街を描くことで、ゴッサムならではの重苦しさを表現した。

細部にはDCコミックスの歴史にまつわる遊び心も。劇中に登場する「モルドフ・ビルディング」は、黄金期のバットマンを描いたコミックアーティスト、シェルドン・モルドフにちなんだ名称。「ケインズ・キャンディ・ストア」は、バットマンの共同原作者ボブ・ケインへのオマージュだ。そのほか、架空の新聞「ゴッサム・ガゼット」なども登場する。

ワトキンス監督は、マット・リーヴス監督による『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)と同じリバプールで撮影しながらも、街の同じ建物を同じように見せないよう工夫したと語っている。「単に誰かを真似するのは怠惰だと思います」といい、プライスとともに独自のゴッサム像を作り上げたという。

映画『クレイフェイス』は2026年10月30日(金)より全国公開中

Source:The Hollywood Reporter, DC

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THE RIVER編集部THE RIVER

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