Menu
(0)

Search

『パシフィック・リム』デル・トロ監督「怪獣・メカ映画に戻りたい」 ─ 成功の秘訣「GothTech」「Smart-Stupid」哲学語る

パシフィック・リム
Warner Bros./Photofest 写真:ゼータイメージ

『パシフィック・リム』(2013)のギレルモ・デル・トロ監督が、怪獣と巨大ロボットを題材にした映画への再挑戦に意欲を示した。「怪獣とメカが交わるところは、自分のスイートスポット」だという。

デル・トロは米掲示板Redditで行ったAMA(Ask Me Anything、質問ある?企画)で、「また怪獣映画や巨大ロボット映画を作る可能性はありますか?」との質問に回答。『パシフィック・リム』を引き受けた理由から、作品を成立させるために掲げていた独自のキーワードまで振り返った。

「ぜひ戻りたいですね。怪獣とメカが交わるところは、僕のスイートスポットです。だからこそ、トラヴィス・ビーチャムのアウトラインをもとに『パシフィック・リム』をやることに同意したんです。僕が最初に言ったのは、ロボットは2人で操縦するべきだということ。それなら、互いを信頼することを学ばなければならない2人の物語になるからです。」

デル・トロにとって『パシフィック・リム』は、今なお格別の一作らしい。夜や雨、ネオンを用いた怪獣の見せ方など、当時は数多くの新しい撮影表現を試したといい、「今ではほかの怪獣映画にも見かける」と回想。「本当に楽しかった。僕が撮った映画の中でも特に好きな1本です。心から大好きです」と愛着を語っている。

そんな『パシフィック・リム』の製作にあたり、デル・トロはスタッフと世界観を共有するために2つの言葉を作っていたという。ひとつは「GothTech(ゴステック)」、もうひとつは「Smart-Stupid(スマート・スチューピッド)」だ。

「ひとつは“GothTech”。ゴシックとテクノロジーを組み合わせたものです。もうひとつは“Smart-Stupid”。前提そのものは意味をなさないけれど、それを最大限の真剣さで扱わなければならない、という意味です。」

「もちろん、あれほど大きな怪獣を倒す方法なら、“巨大ロボットを作ろう”と言い出す前に100通りはあるでしょう。でも僕は、この本当にバカげたアイデアを本気で描くべきだと言ったんです。」

つまり、巨大怪獣に対抗するため人類が巨大ロボットを建造するという荒唐無稽さ自体を茶化すのではなく、物語の世界はそれを徹底して真剣に受け止める。そのトーンを表したのが「Smart-Stupid」だった。一方の「GothTech」は、ゴシック的な意匠と巨大機械を融合させた作品の美術的な方向性を示すもの。そこに「2人のパイロットが互いを信頼する」という人間ドラマを据えたことも含め、『パシフィック・リム』の奇抜な設定をひとつの世界として成立させるための設計思想だったことがうかがえる。

怪獣そのものへの思い入れも深い。デル・トロは、怪獣にはロブスターや爬虫類、サメといった生物に近い造形がある一方、「建築的で、美しく、装飾的」で、ほとんどポップアートのようなデザインもあると説明。ナイフを思わせる姿のギロンを例に挙げながら、そうした怪獣の魅力を『パシフィック・リム』にも持ち込みたかったと語った。「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の怪獣にも改めて強い愛情を示している。

デル・トロは当初、『パシフィック・リム』の続編でも監督を続投する予定だったが、撮影スタジオの確保をめぐってスケジュールが崩れたことから『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)へ進み、企画を離脱。後に完成した『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)については、2023年時点でも「良い出来ならしんどいし、悪かったらもっとしんどい」として観ていないことを明かしていた。今回、13年を経て第1作を「大好き」と語り、再び怪獣とメカの世界に挑みたいとの意思を示した格好だ。

ただし、「戻りたい」という今回の発言は、『パシフィック・リム』新作への復帰が決まったという意味ではない。シリーズではAmazon MGM Studiosとレジェンダリー・テレビジョンによる実写前日譚ドラマが開発されているが、脚本・製作総指揮を担うエリック・ハイセラーは2025年11月、Amazon側の体制変更に触れながらCrimeReadsに「どうなるか分からない」と語っていた。今回のデル・トロの発言と、この企画との具体的な関係は明らかになっていない。

Source:Reddit, CrimeReads

Writer

アバター画像
有馬 ノア

洋画好きが高じて、海外エンタメを中心に執筆。ロサンゼルス在住経験を活かし、映画・ドラマのニュースやカルチャーにまつわる話題を追いかけています。趣味は古着と映画ポスター集め。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly