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「我々は映画の危機に瀕している」ギレルモ・デル・トロ、政治的分断やAIの脅威に警鐘

ギレルモ・デル・トロ
Photo by Gabriel Brooks / WikiPortraits https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Guillermo_del_Toro_at_the_2026_Sundance_Film_Festival_03.jpg Remixed by THE RIVER

「我々はイメージ・リテラシーの、そして映画リテラシーの危機に瀕しています」。

『パシフィック・リム』(2013)や『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)などの巨匠ギレルモ・デル・トロが、映画製作の現状に警鐘を鳴らした。

2026年6月15日、ロサンゼルスで行われた英国映画協会(BFI)のイベントにて、デル・トロはスタジオ幹部や業界の重鎮たちに向けてスピーチを行った。自己表現に対する人間の欲求には、古代の洞窟に描かれた壁画以来の歴史があること。同時に世界では、創造の自由を脅かすほど、政治的分断が深まっていることを語ったという。

「人間とイメージの間には聖なる関係があります。芸術は人々を結びつけることができますが、私たちが生きているのは、それが危機に瀕している時代です。」

デル・トロが懸念するのは、以前から「使うくらいなら死んだほうがマシ」と公言するAI(人工知能)の存在だ。再びAIを「生まれ持った愚かしさ」のひとつだと形容し、「イメージは人工的に生成できるといわれていますが、その存在意義はただそこにあるだけではありません。私たちを結びつけ、美を感じさせてくれることです」と強調した。

現在取り組んでいる映画の普及や教育活動を、デル・トロは「恩返し」だという。「我々は映画という教会の“門番”ではなく、より多くの方々に出入りしてもらうための“管理人”です。私自身、人生で何度救われてきたことか」。

たとえクラシック映画であれ、「決して過去のものではなく、初めて観る人にとっては今このときの映画です」というデル・トロ。スピーチでは、「我々が映画に抱く愛情すべてを祝福します」と述べて、現在の危機に対して団結するよう求めた。「今、バスは崖っぷちのところにあります。誰もが身体を右側に傾けるべきタイミングなのです」。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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