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もう、スピルバーグの新作というだけでみんなが映画館に行くわけじゃない

ディスクロージャー・デイ
© Universal Studios. All Rights Reserved.

映画界の宝であるスティーブン・スピルバーグ監督のオリジナル最新作『ディスクロージャー・デイ』は、アメリカで映画観客の世代ギャップを浮き彫りにする事例となっている。もはや、「スピルバーグの新作だ」というだけで、全世代が劇場に出かけるような時代はとうに終わっているのだろうか。

2026年6月12日に米公開を迎えた『ディスクロージャー・デイ』(日本公開は10月1日予定)は、スピルバーグ監督作としては、『未知との遭遇』(1977)や『E.T.』(1982)、『宇宙戦争』(2005)以来の“異星人映画”として注目された。本国での初週末成績は事前予測の3,500万ドルを超える4,453万ドルで1位発進に。海外メディアも概ね好スタートと受け止めたが、しかし2週目にして陰り。6月19〜21日は前週比60%減(1,770万ドル)に大幅ダウンし、翌週末26〜28日も53%減(825万ドル)と落ち込んだ。

天下のスピルバーグによる新作SF大作としてはやや物足りない。とりわけ同時期、本国では若手監督作品が『ディスクロージャー・デイ』を超えるようなパフォーマンスを発揮したからだ。現在21歳のケイン・パーソンズによるA24作品『バックルームズ』は5月29日のデビュー週末で8,140万ドルを叩き出しており、これは『ディスクロージャー・デイ』同成績から1.83倍。26歳のカリー・バーカー監督作『オブセッション 災愛』は、5月15日封切の初週末1,719万ドルだったところから、口コミで集客力を伸ばし、2週目には前週比40%アップ、3週目にも14%アップと拡散している。

バックルームズ
© 2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.
オブセッション 災愛
© 2026 Focus Features LLC.

つまり、誰もが知る大御所スピルバーグの新作であっても、映画業界ではほぼ無名だった若手監督の作品に対し、興行面で当然の優位を保てるわけではないのである。もっとも、これは『ディスクロージャー・デイ』に限った話ではない。近年のスピルバーグ監督作は、批評面で高く評価されることこそあれ、興行面では必ずしも大ヒットを連発してきたわけではなかった。『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)は世界興収約7,600万ドル、『フェイブルマンズ』(2022)は約4,500万ドルにとどまっており、少なくとも幅広い観客を大きく巻き込むタイプの興行にはなっていない。

さらに懸念点として、『ディスクロージャー・デイ』はスタジオ大作映画として高い製作費とマーケティング費がかけられていることがある。報道によれば、本作の製作費は1億1,500万ドル、マーケティング費は8,000万ドル。現時点での世界興収2億ドル弱に対し、損益分岐点はざっと3億ドルほどと見積もられている。

ディスクロージャー・デイ
© Universal Studios. All Rights Reserved.

『バックルームズ』などのヒットを横目に、隔世の感を抱かざるを得ない。『バックルームズ』は初週末時、観客の86%が35歳未満、半数以上が25歳未満だったと報じられており、若者世代の動員に成功。一方で『ディスクロージャー・デイ』は60%以上が35歳以上。最近の調査では、アメリカでもっとも映画館へ足を運んでいるのはZ世代であったことがわかっている。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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